散歩の途中

散歩の途中で観察記録、その後少し調べて書くノート

呑川をくまなくあるく その2 4つの支流歩き

呑川をくまなく歩く、「その1」で本流と下流の旧流路だった旧呑川跡を歩いた。
今回「その2」は支流を4つ5つ歩く。(19/11追加一丁)

  1. 柿の木坂支流
  2. 駒沢支流
  3. 九品仏
  4. 洗足流れ小池支流
  5. 洗足流れの支流(上池台3,4丁目)

上の文字の色は下の流路地図の該当部分とあわせたつもり。

呑川流路

本日の行程、足跡の軌跡はこちら。
呑川2行程

「その1」にものせた解説を再度載せておきます。

呑川は東京都を流れる二級河川呑川水系の本流である。
東京都世田谷区桜新町付近を水源とし、世田谷区深沢、目黒区八雲、中根、緑が丘、大田区石川町、雪ヶ谷、久が原、池上、蒲田を流れ、糀谷を抜けて東京湾に注ぐ。
支流として世田谷区上馬付近を水源として目黒区東が丘、柿の木坂を経て東急東横線都立大学駅付近で本流と合流する柿の木坂支流、駒沢オリンピック公園付近を起点とする駒沢支流、世田谷区奥沢の浄真寺(九品仏)付近を水源として自由が丘付近を通り緑が丘で合流する九品仏川がある。 各支流、および本流上流部(世田谷区深沢から目黒区大岡山の東京工業大学付近まで)は全て暗渠化され、下水道として利用されている。ほかに、大田区水窪を水源のひとつとする洗足池から流れ出る「洗足流れ」や、いくつかの小さな支流からも水が注ぎ込んでいる。
下流は、大田区東蒲田付近で旧呑川と新呑川に分流するが、いまの流路(本流)は新呑川になっている。洪水や氾濫を防ぐために直線化した新呑川呑川)は、羽田空港との間の海老取川に注ぎ込んでいる。(Wikipediaから抜粋)

その1のノートへのリンク

1. 柿の木坂支流

「世田谷区上馬付近を水源として目黒区東が丘、柿の木坂を経て東急東横線都立大学駅付近で本流と合流する」支流。

都立大学駅、昔の駅名は柿の木坂だったらしい、で下車。

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駅改札口から20mくらいで本流との合流点。

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正面奥からこちらに向かって植え込みや自転車置き場のところが柿の木坂支流、フェンスの手前側は本流の遊歩道が左右に伸びている。(実質こちら側も駅前駐輪場だけど)
流路は奥の茶色いビルのところで左に折れて目黒通りに突き当たる。

目黒通りに出るところ

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右側が流れの跡、左側は何やら工事中、正面が目黒通り。

目黒通りを越えると本流と同じように、真ん中に緑道、両脇普通の道路という通りが続く。
目黒区柿の木坂1丁目付近の緑道

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柿の木坂3丁目付近

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中央は緑道で人が歩けるようにはなっているのだけれど、元々川幅はかなり狭かったらしく歩道の幅もせまい。

さらに上流へ行くとなんだか申し訳程度になってしまう。
目黒区東が丘1丁目付近

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源流付近

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源流付近では暗渠上の普通の歩道になって、先の標識のところでそれも途切れていた。その先に痕跡があるか、いくつかの通りを覗いてみたけど何も見つけられない。横切る道路上が目黒区と世田谷区の境界というのは関係なし?? 地形的にも目立った段差や勾配もなかった(少しだけ手前へ下がっていくかんじはある)ので、本当にここから川が始まっていたのか分からなかった、けどなんとなく源。

 

2.駒沢支流

柿の木坂支流の源流と駒沢支流の源流はそれほど離れていない。およそ西向きに5分ほど歩くと自由通りに出て、駒沢公園方向へ行けばすぐに公園北側の入口になる。入口付近が駒沢支流の源と言われる。

駒沢支流の源付近

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左の通りが自由通り、右側斜めに公園内へ入る歩道あたりから流れがはじまっていたらしい。こちらの支流は上流から下流へ向かって歩く。

駒沢オリンピック公園のなかへ入る。
ぶた公園

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突然「ぶた公園」を高らかに宣言する看板出現に駒沢オリンピック公園は名前が変わったのだと思いました。次のオリンピックもあることだし、特に海外から来る人が会場と間違えてはいけないとの配慮かと。
冗談はさておき、1964年の東京オリンピック会場として使用された場所、そのときも念入りに整備されたのでしょう。川の痕跡など公園内にはまったく残っていないのでありました。

外周の歩道、左は陸上競技

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いくつか付近の小さな沢水を合わせて駒沢ぶたオリンピック公園内を「く」の字に流れていたと思われる駒沢支流は、南側の公園入口を出ると痕跡がしだいに現れてくる。

公園を出てすぐのところ

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この道路が流路跡だそう、でもまだよくわからない。

再び自由通りにぶつかり、その先から例のスタイルの緑道がはじまる。
緑道のはじまるところ(目黒区八雲5丁目)

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八雲2丁目付近

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右側が高くなって、小さな崖になっている。

駒沢支流緑道はさほど長くはなく、自由通りの先からはほぼ一直線にきて本流に合流する。
本流との合流点近く

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前方右から左に流れるのが本流の緑道。
駒沢支流も柿の木坂支流同様、小さな流れだった。

 

3.九品仏

「世田谷区奥沢の浄真寺(九品仏)付近を水源として自由が丘付近を通り緑が丘で合流する九品仏川」

九品仏川(くほんぶつがわ)は世田谷区奥沢にあって九品仏と呼ばれている浄真寺付近が源流と言われているが、古い地図ではさらにその上流にも水田が伸びていて、水が存在したと思われる。とりあえず川の暗渠が確認できた浄真寺北側を源流としてそこから呑川本流との合流点までを歩いた。
駒沢支流と本流の合流点から九品仏浄真寺までは、普通の道路を歩いて1.5kmくらい。

坂の下、向こうに見える緑豊かなところが(九品仏)浄真寺

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九品仏)浄真寺北側、ねこじゃらし公園

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人工のせせらぎがここから始まっていて、川のあったことを示している。

せせらぎとは別に公園の外を通る暗渠&歩道

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写真は上流方向に向かって撮影。すぐ先の道路に出たところでこの道も水の痕跡もなくなり、その先はどこへつながっているのかわからなくなってしまった。

先を追うことをあきらめて下流側へ向かって歩く。
ねこじゃらし公園の入口あたり

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正面奥は浄真寺の墓地。

しばらく整備済み暗渠道が小さく蛇行しながらつづく

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例のタイプの緑道になる。

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まん中歩道で両脇に一般道。タイプは本流や他の支流と同じだけど、このあたりの九品仏川緑道は、整備されたのが最近のようでまだ新しい。

自由が丘の街に近づく

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この先で東急大井町線を越えるため、いったん緑道が途切れる。

反対側に出てきて東横線自由が丘駅ホーム下を通り過ぎると
自由が丘の街中を通る九品仏川緑道

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にぎやかなところをぬけると再び大井町線の下をぬけていく。
大井町線九品仏川暗渠

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その先はまた真ん中歩道の例のタイプの道が続き、三度大井町線の下をくぐって緑が丘駅前を通過。

次は東急目黒線線路にぶつかって緑道は途切れる。
行き止まりのトラウマ

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いったん緑が丘駅前まで戻ってから目黒線踏切を渡って向こう側へ出るとすぐに本流との合流点、呑川本流開渠となる場所へ到着する。

合流点近く

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手前から向こうに九品仏川、向こう側を左右に通っているのが本流という位置関係。その向こうは本流遡上のときにも書いたけど、東京工業大学グラウンドとキャンパス。

九品仏川はここまで。

このあと洗足流れの源流となる清水窪へ向かうのだが、途中大岡山付近にあった支流(たぶん名前はない)跡をたどってみた。谷地形の場所であることは確認できたけど川の痕跡は何もみつけられなかった。支流跡の写真1枚だけ。

大岡山付近の支流跡から

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4.洗足流れと小池支流

洗足流れは洗足池から出た水の流れだが、洗足池へ流れ込む水のひとつが湧き出す清水窪へ行ってみた。
水窪弁財天

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窪地を下におりたところにあって、崖下から湧水がある。(左側から流れ込む水は池の水を人工的に循環させているもので湧水ではない。)湧水は「東京の名湧水57選」に選ばれているのだが、水量は、どこから湧き出しているのか確認できない、ほど少ない。

ここから湧き出した水の流路は洗足池まで暗渠道として残っている。また流路に沿って結構はっきりした谷地形が刻まれている。

大岡山駅東側の暗渠歩道

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道路正面の壁は上が東急線の線路になっているため。水は下をくぐって向こう側へぬけていく。(向こうに向かって上り坂のようにみえるけど錯覚、坂道ではない。)

洗足池公園に入っての流れ

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池に注ぎ込む水が姿を現す。

洗足池

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先日、立会川を歩いたついでに立ち寄って、またここへ来た。

中原街道側、池の水が流れ出す方へ廻ってみたけど水の出口ははっきり確認できず、東急池上線洗足池駅南側の坂をおりたところから水が流れ出ていた。
洗足流れの最初に見えるところ

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溝の中を唐突に水があふれだしていた。正面の駐輪場あたりの下を通ってきているようだ。ちなみに正面上は洗足池駅

その先はこんなかんじ

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ここまでの3つの支流と本流の上流はずっと暗渠ばかりだったけれど、ここは水が見えている。(暗渠の支流、本流は下水道になっているので蓋をしておかないと臭いなどで大変なのだけど)

洗足流れには洗足池の南東側にある小池からの水も途中で合流して流れ込む。ちょっとおまけで小池からの水の流れも追ってみた。

洗足流れに小池からの水が合流しているあたり

[訂正]ここは合流点ではなく、前方も小池からの流れの暗渠ではないことがわかった

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小池からの水は正面の暗渠。小さいけど橋の下で流れ込んでいるので吐水口とその水は確認できなかった。

[後日訂正]

小池からの流れはかつて、洗足流れの小池橋付近で合流していたが、現在は合流していない。小池公園から出た水は小池小学校付近まで暗渠で流れてくるが、その先下水道に取り込まれているとのこと。勘違い部分は取り消し線をひいた。

暗渠をたどる(最近こればっかり)、軽くかいつまんで。

途中に家があったり、学校があったりと部分的に流れの痕跡が消えてしまうのだけど、池とかつての合流点の間に線を引いてそれに沿ってすすむと断片的にはみえてくる。

[補足]以下は、小池小学校から小池公園までの暗渠をたどっている部分である。
右側暗渠

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さらに行くと、住宅の裏庭のようなところを貫いて
暗渠です

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その先で小池に達する

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水を流し出す設備の真正面にあった暗渠なので流路は間違いなし。

洗足流れへ戻る。

小池暗渠の合流点を過ぎて下流へ。
大田区上池台3丁目、東雪谷4丁目境界付近

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この先もしばらく開渠区間が続いて癒されるのだけど、東雪谷5丁目交差点手前から暗渠になってしまい、その先呑川本流との合流点までは流れは見えなくなる。

暗渠上の歩道

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そのうち歩道もなくなって一般道へ。

そして呑川本流の本村橋のたもとで洗足流れが本流へ注いでいる。
合流点

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周囲にこの口のほか水が流れ出しているところはないので、洗足流れの水に間違いはないと思う。
ここまでで呑川行ったり来たりは終わり。

足跡としてはこの後東急池上線御嶽山駅へ向かっている。

 

2019年11月になって、新たに呑川・洗足流れの支流を見つけました。別のノートにそちらの内容を記していましたが、ここに置くのがふさわしいと思い、引っ越ししました。(2019/11/27)

 

◆上池台3、4丁目付近、呑川支流・洗足流れのまた支流暗渠道

このあと、内川支流の先の坂を上がり、分水嶺を越えて上池台側に出て、その谷底に呑川の支流、洗足流れのまた支流となる暗渠道を見つけ、たどって歩きました。

この谷底を横切る形で暗渠道があった

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この辺のトレビアンな地形は知っていたし、Googleマップで緑線歩道のしるしがあるのになぜ気づかなかったかなという思い。(あまり力はこもってないけど)

 

谷底まで下りると横切る形でこんな道がありました。
暗渠道のはじまり地点

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この背後は住宅やマンションなどで痕跡は見られません。

 

先へたどると

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途中でふりかえって

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ほぼ直線で細い道が続きます。下流方向へゆるく坂を下っています。

 

上池台3丁目公園を横切っています。

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正面向こうからきて公園内を貫通、この足元へ続いています。

さらに

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白い車が駐車している向こうが公園、そこからこちらへ向かってます。

そしてこの背後で洗足流れに合流しますが、合流地点ははっきりしません。そもそも暗渠道の下に現在、水が流れているかも未調査です。

 

大体、洗足流れのこの辺で合流していたはず(上池台3-45)

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正面の道路左が洗足流れ、向こうが上流の洗足池方向。

暗渠道のはじまりからここまで、マップで測定すると距離は650mほどでした。

 

こちらはいたってアバウトのままおしまい。