散歩の途中

散歩の途中で観察記録、その後少し調べて書くノート

江ノ島から鎌倉を経て逗子までの、裏道細道坂道行

鎌倉、江ノ島といえばだれもが認める観光地。江ノ島から鎌倉へぬける、景色のよい海岸沿いの国道も、それ自体が観光地と言ってもよく、ドライブ、ポタリングそして歩く人、走る人、もういろんなのが行き交っている。交通量が多すぎて、車はすぐ渋滞しちゃうし、自転車、歩行者はせまい歩道の通行を強いられるのがこの道路の難点。
この区間を歩くならば、交通量の多い道路は通らず、裏道をみつけてずっとそこを通って行くのはどうだと思いつき、まず地図とにらめっこ。国道や交通量の多そうな道路を極力避けながら通り抜けることはできるのかと、コースを勝手に選び出した。
そして実際に歩いてみた。国道、主要な県道は”ほぼ”横断のみで、江ノ島から鎌倉、さらに逗子までの通り抜けに成功した。裏道、細道のほかに坂道多し、という想定外もついて、良い散歩となった。
今回あまり寄り道はないけれど、観光スポットにも立ち寄るルートを付け加れば、まあそれなりの散歩コースにもなるかもしれない。
行程(この地図がすべてを物語ってしまっているような気もするが。)

スタートは小田急江ノ島線片瀬江ノ島駅

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ここから鎌倉由比ガ浜海岸の滑川橋までは「関東ふれあいの道」という、関東を一周する長距離自然歩道の神奈川県コースNo.5、「稲村ケ崎・磯づたいのみち」に指定されている、けど、そのコースは全部国道を歩くことになっている。それがどうも気がすすまないので別の道を歩くのだ。関東ふれあいの裏道、御免。
駅前から目の前の弁天橋を渡る。
弁天橋から片瀬橋ごしに江ノ島

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下の川は境川。橋を渡ったら境川沿いに上流方向へ少し行く。
弁天橋

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ここは個人的には、境川を遡上歩きしたときに通った道だ。

 

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 江ノ電江ノ島駅前に出る。

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このあと線路を渡って写真左前方の道へ進むのだが、その先で国道467号線にぶつかる。そこから龍口寺前の交差点まで、約50mほど国道を歩く。「極力避け」「ほぼ」横断のみで、と書いた国道を通る例外箇所がここ。
大回りをするか、海岸の砂浜を歩けばここは通る必要はなかったのだけれど、テレビなどで時々映る、江ノ電の電車が路面電車のように道路上を走るところを実際に見てみたかったのでこちらを選択して電車通りに入る。まあ、観光である。
江ノ島駅のつぎの腰越駅まで電車といっしょの道を歩き、(その間に良い写真が撮れず、)脇道にはいる。
本龍寺

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腰越は鎌倉市の西のはずれ、といった場所だがこの付近にも寺院が多い。片瀬のほうにある龍口寺を交代で管理した龍口寺輪番八ヶ寺とよばれる8つの寺院があり、本龍寺もそのひとつ。
寺院の脇をとおり、ぶつかった道を右に折れて坂を登ってから下りて行くと、向こうに江ノ電の踏切が見えるところに出てくる。

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鎌倉高校前踏切

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説明するまでもなく、アニメ・スラムダンクに描かれた踏切。そのほかにもいろいろな映像がここで撮影されているところ。踏切近くにたたずむ人は今でもまだいるようだ。
ここは狙って通ってみたところではなかったのだが。踏切は渡らず、左折して坂道をのぼっていく。
坂の途中から

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海の向こうは左手に伊豆大島、右の方は伊豆半島。写真の後ろ(写ってはいないけど)には鎌倉高校がある。
坂を登りきると七里ガ浜2丁目の住宅地。ここをぬけてまた坂を下りると小さな池があった。
日蓮雨乞いの池(田辺ヶ池)

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向こう側に霊光寺という寺院があり、この池はその境内にある。こちらは寺の裏(奥)側ということ。残っている伝説は、池の名、文字通りのもの。
またあちこち角を曲がり、坂を上り下りすると、鎌倉プリンスホテル先の高台の住宅地、七里ガ浜東という場所に出てくる。
住宅地のメインストリートから

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高台の住宅地を横断して反対側の坂を下り、そのまま海岸の方向へすすむと
江ノ電稲村ヶ崎駅

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駅前からまた路地をすすんで、稲村ヶ崎公園前へ。

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ここで国道134号を横断して公園にはいる。稲村ヶ崎から富士山が見たかった。
富士山と江ノ島と箱根の山々など

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みんなこの風景を狙っている

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公園内をひとまわりし、公園前の横断歩道から、さきほど通ってきた細い道を少し戻る。今度は極楽寺方面へ進む。このあたりは山の傾斜がすぐ近くにまで迫っていて、間を小さな川が流れている。細い道路なのだが、通れるところが限られるからか、意外に車の通行が多い。極楽寺方面へはここを通るしかないのだろう。
谷あいの小さな川

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歩く分に階段は支障がないので、さらに細い道を通って行く。

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階段を上り、さらに坂をあがると、鎌倉海浜公園裏手の山のうえ、眺めのよい場所に出てくる。
向こうは材木座海岸から逗子小坪方面

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以前、横須賀の佐島から材木座海岸まで歩いたこともあった。

 miwa3k.hatenablog.jp

こちら側から見える海岸は由比ガ浜

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今度は坂を下って鎌倉の街中へと出てくる。
坂ノ下にて(あちゃ、この家、ストリートビューでぼかしかかってる)

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江ノ電の踏切の向こうに御霊神社(権五郎神社)

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鎌倉江ノ島七福神のひとつで福禄寿を祀っているらしい。
江ノ電長谷駅前に出る。

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メジャーな観光スポットが周辺にある長谷は、相変わらず観光客がたくさんである。踏切が開く前に道路の向こう側、郵便ポストの向こう側まで行ってしまいたい。
そして人混み嫌いとしては、こんな道を通りたがる。

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通った先には時々、ひょっこりとこんな建物が現れる。

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いかにも鎌倉の住宅街というところを通って、鶴岡八幡宮の段葛から、鎌倉駅前などを通って延びてくる道路を横切ると滑川にかかる海岸橋。

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向こうは国道134号の滑川橋で、その向こうは海岸。「関東ふれあいの道」神奈川県No.5コースはあそこが終点。こちら裏道行は一旦道を折れて、水道路と呼ばれる道路にはいって東方向へ向かう。この水道路とは横須賀市の水道送水管が通っている上を道路にしたもので、真っ直ぐな道がずっと続く。
しばらく行くと県道にぶつかるのでそれを横切り、横須賀線の線路を踏切で越える。
横須賀線の名越踏切

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踏切を渡ると線路沿いにすぐ急坂にかかる。坂を途中までのぼったところで振り返ると富士山がよく見えていた。

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そしてこの坂をのぼって名越切通(なごえきりどおし)に向かう。
切通しに向かう坂道

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名越切通の標識と案内板

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切通しの道

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例によって解説はこちら

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いちばん切通しらしかった場所

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まんだら堂やぐら群

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ここは中へ入れなかったのでフェンスの外側から撮影。

まんだら堂やぐら群
「まんだら堂」の名が確認できる最も古い文献は、文禄三年(1594年)の検地帳です。しかし、そこには畠の地名として記されているのみで、「まんだら堂」がどんな建物だったのか、いつまで残っていたのかなど、詳しいことは全くわかっていません。
まんだら堂やぐら群は、一つひとつは2m四方程度と小規模で構造も単純なものが多いですが、150穴以上の存在が確認されている有数のやぐら群で、これだけまとまったやぐらを良い状態で見ることのできる遺跡は鎌倉市内にも少なく、たいへん貴重です。やぐらの中に並ぶ五輪塔は、後の時代に動かされているものが多いので、中世の姿そのままとは言えませんが、主に火葬した骨を納めるなどして供養するために建てられたものです。葬られたのは、武士や僧侶が多かったと考えられていますが、経済力を蓄えた商工業関係者なども含まれていたでしょう。 (逗子市HPから)
やぐらとは、鎌倉の周辺にある、鎌倉時代中期以降から室町時代前半にかけて作られ、または使用された横穴式の納骨窟または供養堂。(Wikipediaから)

名越切通を通り抜け、逗子市の亀が岡団地というところに出て、急坂を下り、住宅街のなか、県道手前の生活道路を進む。
あとは県道を横切って、そのまま逗子駅近くの商店街を通り、JR横須賀線逗子駅前に出てきて、本日はおしまい。
JR逗子駅

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江ノ島から逗子までの歩行距離は14.3km。国道を歩くよりは距離は長く、坂だらけでもあったけれども、切通しの古道、眺めの良い丘の上、細い道の奥にある、それほど目立たないけれども由緒ある神社寺院など、車のドライブでは通れないところをたくさん通って来れて、価値のある経験ができた。