神奈川県の中央部、丹沢山地東側の自然歩道、林道を歩いてきた。スタート地点を、少し前に散歩してきたときの終端点、厚木市森の里として、七沢森林公園の巡礼峠から物見峠、むじな坂峠を越えて清川村に入る。県道を歩いて村役場などがある中心部を通過し、法論堂林道にはいって半原越の峠へ。そこから法華峰林道と経ヶ岳登山道を使って愛川町田代に出て、さらに一般道を通って愛川町役場近くまで、というコース。
行程
秦野市鶴巻から厚木市森の里まで歩いた続きになる、というか、続きにした今回のコース。前回歩いたときに、もう少し先の山の中へ行ってみたいと思った、それだけの理由ではある。
小田急小田原線愛甲石田駅から森の里行きのバスに乗る。なぜか森の里周辺には、会社の研究所や開発センターといった施設が結構ある。自然環境は良いかもしれないけれど、そういうこととほとんど関係なく、窓も開かないビルの中でしかしない仕事をするのに、ここまで毎日通勤するのは大変だし、不便じゃないかなと思ったりする。自分の車で自由に行き来できるわけじゃなさそうだし。
なんてこと考えていたら森の里5丁目バス停に到着
ここまで歩いてきたときのノートはこちら。
バス停から住宅地内を5分も歩かずに七沢森林公園の入口
巡礼峠をまず目指すが、この峠は公園のなかにあるので園内の歩道と階段をあがって行く。
巡礼峠のお地蔵様
ここから「関東ふれあいの道」となっている山道の歩道へ。歩道は尾根筋に沿っていて、アップダウンを繰り返しながら北の方向へ。
巡礼峠から少し上ると、すぐに三角点があった。
ちょっとしたピーク地点にあった標識
結構きつかった階段
階段をのぼるとこんな風景に出会える。
東方向、遠くに都心、川崎、横浜などが一望できる。
物見峠
貉(むじな)坂峠
むじな坂峠の先は、白山という小さなピークから、ずっと下りとなる。
指導標の御門橋バス停のほうへ下って行く。下る途中にあった動物除けの柵には「清川村」の文字があった。厚木市から清川村に入った。
人里に出てきた。
右手前は茶畑。巡礼峠からはここまで3kmくらい。
バスも通る県道に出て、清川村役場などがある方向へ歩いて行く。役場がある中心部とはいっても特ににぎわっているわけでもなく、時々人とすれ違う程度。でも地元の人は、知らない自分に対して挨拶をしてくれる。山道でハイカー同志がすれ違うとやはり挨拶を交すけれど、あの感じ。
役場を過ぎてさらに村の奥へ行くが、しばらくは人家もあるところを進んでいく。下の写真のバス停ポールの手前に分岐する道があるのでそこを折れる。
折れてすぐのところ
祠があって大きな椿(それとも山茶花?)の木。
この先を左折すると沢に沿ってずっと坂道がつづくようになる。
法論堂(おろんど)林道につながる坂道
坂を上っていくと「林道起点」の標識があり、そこからが正式に法論堂林道。この林道は半原越の峠まで達する道で、長さはおよそ5.5km。途中にあるリッチランドという施設のところまで、沢沿いの薄暗い谷を登ってゆき、そこでヘアピンカーブを過ぎると林道の感じが深まる。そしてしだいに視界も開けていく。
途中の沢
丹沢の山方向を見て
数日前に天気が悪かったとき、山の上の方は積雪になったようだ。この林道は最高点で標高480mくらいまで上がるが、さすがに雪はなかった。
だいぶ登ってきたなと思ったころ、向こうに峠がみえてきた。
まん中の掘れたように低くなっているところが半原越の峠。峠に近づくと道路の勾配もいっそうきつくなり、息がきれてくる。
峠に近づいたところで、南側が開けた
一番向こうは相模湾でその手前の低い山の連なりは大磯あたり、高麗山、湘南平。
そして切通しになった峠に到着
半原越、登ってきた方を振り返って
峠の先を見通す
このあたりがこの日の最高地点、標高約480m。
峠に法論堂、半原越についての解説があったので一応のせておく。
そしてここは経ヶ岳、仏果山などへの登山口。
法論堂林道は峠の向こうで名前が南山林道に変わって、愛川町半原へ下る。そして写真に写っている閉まっているゲートの先に法華峰林道がある。今回はこの林道を通る。
法華峰林道のようす
法論堂林道は舗装されていたが、こちらは未舗装。水はけはあまりよくなくてぬかるみがたくさん、おまけに北向き斜面なので、凍り付いているところがある。崖は脆いようで、落石もたくさんある。日が差さないせいで全体に陰気なモノトーンの世界だ。
ただ時々、視界が開けると絶景が目に入ってくる。特に東側が開けると都心から川崎、横浜方面が一望、北の方は八王子、相模原や西武ドームまで見えた。都心方面は、ここにくる途中に通ってきた七沢森林公園などからもよく見えたが、こちらは標高が400m程度あり、さらに壮大なパノラマに見える。
歩いているところは陰気なのだが
時々眺望がよくなる
下を流れるのは中津川、向こう、遠くに日が差しているのは相模原方面
そして京浜方面一望
さすがにiPhoneのカメラでは表現しきれない。もっと良いカメラがほしくなるところ。
南東方向
向こうの方にみえるのは三浦半島の丘陵で、相模湾、江ノ島も見えている。(惜しくも写真で判別は難しいけど)
この林道、このまま歩いて行くと行き止まりになってしまう。途中で経ヶ岳登山道と交差するところがあるのでそこの指導標を見落とさないよう歩く。
この登山道も関東ふれあいの道だったのね。
細い坂道が登山道。ここで法華峰林道と交差していて、今度はこちらの登山道へはいり、山を下りて田代を目指す。
今度は傾斜が急な細い下り坂をひたすら下りる。沢筋まで下りてくると道路が崩れているところがあった。
ここは迂回路のサインがあって、特に問題なく通過でき、「ヤマビルにご注意ください」看板を通り過ぎると、車の音が騒々しく聞こえる国道412号に出会う。
経ヶ岳・半原越ハイキングコースの入口へ出てくる。
国道に出ると「半僧坊」と書かれた指導標が目に入ったのでそちらへ。
勝楽寺本堂
半僧坊への渡り廊下
田代半僧坊とはこれのことか
半僧坊というと鎌倉建長寺半僧坊を思い出してしまうが、どちらも浜松にある方広寺より勧請した半僧坊大権現が祭られているということだそうだ。
立派な山門(裏側から)
ここにこんな立派なお寺があるなんて知りませんでした。
愛川町の田代まで来て、次は近くを流れる中津川に沿って下流方向へ歩く。
角田大橋まで来てふと考える。当初の予定では中津川右岸をさらに下流へ歩き、途中から八菅山、鳶尾山と通って厚木市上荻野へ出るはずだった。すでにここまで18kmあまりを歩き、時刻も夕方に近くなっている。これからまた(低いとはいえ)山を越えるのはクレイジーだ。予定を変更して、帰るのに都合がいいところへ出ることにした。
田代へ戻るのが安直だったが、愛川町役場近くにバスセンターがあるので、そこを目指すことに予定変更。
角田大橋を渡って中津川左岸へ。
角田大橋から下は中津川、向こうの山はたぶん仏果山
橋をわたって県道54号へ。そのまま行けば愛川バスセンターに出られるのに、この道が横須賀水道路につながっていることに気づき、そっちの道路へ入る。
横須賀水道路と中津川の立派な崖線
中津川の流れが長い年月をかけて削ったのであろう、長い崖が川の流れと並行して続く。段丘の高さは50mくらいありそうだ。そして崖下をほぼまっすぐに水道路が通る。
横須賀水道を追いかけるのはまた別の機会にして、途中で水道路を折れ、崖をのぼる道へすすむ。
崖下にあった地神社
神社の裏側につづら折りの坂道があって、ここを上る。
上り終えると台地の上に出て、すぐ目の前は愛川バスセンター
本日はここでおしまいとする。
ここは神奈川中央交通のバスセンターで、本厚木、海老名行のバスがおもに発着しているようだ。ちょうど海老名駅行きバスが発車するところだったのでそれに乗車。
本日の行程、歩いた距離は20.3km。途中で行先修正あり。