散歩の途中

散歩の途中で観察記録、その後少し調べて書くノート

大磯・高麗山、湘南平から鷹取山を経て秦野へ歩く

JR大磯駅から旧東海道を平塚方面へ進み、高来神社裏から高麗山へ上がる。八俵山、浅間山と尾根伝いに湘南平千畳敷)に出てから北側に下り、東の池を経由して鷹取山に登る。さらに反対側に下って平塚市北西部の里を歩き、中井町をかすめて秦野盆地に至る、というコースを歩いた。光の春と呼ばれる時期、好天に恵まれ、ずーっと富士山と大山が散歩のお供をしてくれた。
行程

◆大磯から高麗山
東海道平塚と大磯の間に、安藤広重東海道五十三次浮世絵、平塚宿にも描かれた山がある。こんもりとお椀をふせたような特徴ある形で、山というほど高くもない山だが、目立つ。以前東海道を歩いたときにも、あの山へ1回のぼってみようと思わせた。
花水川橋からみた高麗山(東海道から)

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まずここへのぼる。
JR東海道線大磯駅

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駅から平塚方向へ歩き、旧東海道へ出る。
旧東海道の松並木

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さらに歩くと化粧坂交差点で国道1号に合流してから、高来神社の鳥居が現れるのでそこへ道を折れる。
高来神社の入口

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2番目の鳥居から。背景が高麗山

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高来神社

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一応解説板などのせておくけれど、見えないかも(写真はもう少し拡大できる)

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神社境内の奥が登山口。そうしたらなんと、4,50人もの中高年団体ハイカーが、今にも山へ入ろうとしているところ。登山道を塞がれる前に上がってしまえと、散歩とは思えないペースで駆け上がってしまった。(別に邪魔にならなければいいので、駆け上がる必要はなかったのに。これが後々祟る。)登山道男坂、女坂と傾斜の差がある2つのコースがある。男坂でのぼる。
登山道の途中で見る相模湾

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山頂に到着

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高麗山登頂した。標高167.3mとある。周囲は樹木に囲まれてほとんど眺望はないが、平らな場所が小さな広場のようになっていてテーブルやいすも備え付けられている。そして頂上には、かつてあった高来神社の上宮跡だろうか、小さな祠と礎石のような石が残っていた。

◆高麗山から湘南平

高麗山山頂からは湘南平に続く遊歩道を進む。
山頂からすぐ先で北西側を望む

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すぐ下に広がるのは、この後、湘南平を下ってから通ることになるあたり。富士山の右下にみえる小山は鷹取山ではないかと思われる。
遊歩道にかかる木橋

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こんな橋が2か所架けられていた。2つ目のこの橋を渡るとすぐに八俵山(はっぴょうやま)の小さなピーク(160m)に達する。この山には案内板がある程度で特に何もない。
八俵山の先の歩道

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高麗山から湘南平にかけての歩道はずっとこんなかんじ。基本的には尾根伝いを行くが、上り下りも少々ある。
浅間山山頂(181.2m)

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高麗山から1km弱で浅間山(せんげんやま)に達する。ここには一等三角点がある。祠の後ろの黒っぽい枠のなか。
浅間山一等三角点拡大

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日本全国に1000か所弱ある一等三角点のうちのひとつ。なぜここに設定されたのかはよくわからないが、明治時代に測量のためのいちばん基本となる「基線」を現在の相模原市から座間市にかけて設定し(相模野基線)、その二次増大点として設置されたもののひとつがここだそうだ。ここからは相模原、座間方面も望めそうな場所だが、そこの間をまさか目視で測量していたわけではないだろう。
浅間山山頂近くから

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西側に湘南平の電波塔が間近に見える。付近はテーブルとベンチが設置され、簡単な休憩スペース。落葉樹の林なので冬場は陽だまりになっている。
さらに西へすすむと間もなく湘南平

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湘南平に到着

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かつては千畳敷とも呼ばれていたように、山の上にも関わらず、平らで広い。地形学的にはこの地形は、波食台(はしょくだい)が隆起してここまで上がってきたものと言われている。

波食台(wave cut terrace) (コトバンク・ブリタニカ国際大百科事典から)
海岸の岩畳,磯の台と呼ばれる平坦な岩石地形。切立った海岸の崖も海岸浸食が進むと,崖がくずれて後退し,前面に磯波で平らに削られた岩盤の面ができる。波食台は浅い海底でできるが,土地が隆起すると,岩石の海岸段丘となる。
平塚市博物館から)
湘南平が波食台であった時期は12~13万年ほど前の海進期(下末吉海進と呼ばれる世界的な温暖期)であることがわかっています。テレビ塔の南側の遊歩道沿いにはこの波食台の岩盤(高麗山層)が平らに露出しています。波食台上には小さな海浜礫がみられることがあります。この波食台は浅間山や高麗山などでも確認され、湘南平では南西に傾動しています。

ここはテレビ塔、レストハウスなどあちこちに展望台があり、周囲の眺めがとても良い。展望台に上がらなくても十分な眺望がある。
西側 富士山、西丹沢方面。手前は大磯丘陵

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北側 左側表丹沢の山々、右側大山など

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東側 平塚市北部から厚木、海老名方面

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海側へまわって
南西側 伊豆半島、大島(利島も肉眼では見えた)

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南東側 平塚、江ノ島三浦半島、その向こうには房総半島

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東側、高麗山、浅間山などここまで通ってきたところを

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湘南平テレビ塔(平塚テレビ中継局)と広場

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このテレビ塔はかつて金網に大量の南京錠がかけられて有名になったが、訪れたときはすべて撤去されていて何もなかった。
湘南平には北側の道路から車でも上がって来ることができ、駐車場には結構多くの車が駐車している。
テレビ塔反対側のレストハウス兼展望台

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箱根方面がないな、ということでもう1枚富士山(箱根じゃないけど)

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足柄から箱根、真鶴半島などももちろんきれいに見えていた。よい天気で360度絶景を堪能。

湘南平から鷹取山入口

湘南平で眺めを楽しんだ後は、北側の「万田」へ下りる。バスも通る一般道を下りるのが簡単なのだが、歩いてしか通れないところを歩きたい。平塚市HPの高麗山公園ハイキングコースのページにコースマップがあったので、そのCコースというのに従って山を下り、万田滝坂公園に出る予定にしていた。しかしその入口が見つからない。指導標も案内板も見つからない。(湘南平の北、西側は平塚市だが、平塚市の案内は大磯町に比べてあまり充実していない印象)唯一バス通りに「万田→」の標識があったので、途中から歩道が分岐しているのかと進んでいくと、そのまま車道を下りるばかり。
中腹の公園に分岐する小道があったので入り込み、ここからCコースの歩道に抜けられるかと思ったが、これは「子供の森」というところへ入るための道だった。
子供の森へ行く歩道

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子供の森のキャンプ場のなかにあった広場

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その先はどこをどう進んでも行き止まりの袋小路。結局斜面を登り返してバス通りに引き返すことになってしまった。
一般道を下って一応、万田には出た。
ようやく予定のコースに復帰(平塚市万田)

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畑の向こうの山のうえに湘南平のテレビ塔(大磯町寺坂付近)

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しばらく行くと東海道新幹線の線路にぶつかる。しばらく新幹線の脇を歩く。
間近を通過していく新幹線

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写真右端の道を歩いているわけだが。Googleマップで適当にコースを選ぶと、時々こういう道を通る羽目になる…。
おにぎり道祖神

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東の池に到達

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解説はいつものようにこちらで

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まあ、普通の池ではある。夏には蓮の花がきれいだということだが、冬じゃこんなものかな。
池のなかにある厳島神社

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池に寄ってから、鷹取山の入口へ。

鷹取山周辺

鷹取山の入口は東の池から県道を東に少し行き、観音寺の標識があるところを折れる。その先に関東ふれあいの道の指導標がある。
鷹取山への指導標

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右奥の道を行くと竹林の中にはいる。

竹林

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いいかんじの竹林だが、すぐ近くに小田原厚木道路が通っているので車の音がひびく。道路の下をくぐるとすぐに急な上り坂となる。鷹取山に南側からのぼると、上りはじめと頂上近くの2か所、急な上り坂がある。
落ち葉の積もった登山道

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高麗山などに比べると入る人の数が少ないのか、土がむき出しになっているところはあまりない。たしかに人は見かけない。また眺望もあまりよくない。
高麗山に駆け上がったときの疲労がここで出てしまい、思いのほか息が切れ、なかなか上がっていけない。
頂上近くの鷹取神社

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頂上付近も眺望はきかないが、この付近が保護林になっているらしい。神社前にはこの山に入って唯一見かけた人。
神社と頂上は少し離れている。
鷹取山の三角点

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神社の北側に少しだけ高くなったところがあり、周囲の木が切られて少し広くなった場所に三等三角点があった。ちなみに山の標高は219m。ここからも眺望はなし。
鷹取山から湘南平相模湾の景色を見たかったが叶わず、北側にある林道で山を下りる。こちらの道を使えば車でも頂上まで来ることができる。(あまり整備はされていないが)

◆秦野へ

鷹取山頂上から500mほどのところに案内板など

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関東ふれあいの道はここから写真右側へ分岐して、霧降の滝という小さな滝などを経由していくようだ。こちらは左側へ。
しばらく行くと道路の傍らはゴルフ場、農地なども現れ、人里になる。
路傍より

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遠くに見えるのは厚木方面。
なんとひかげに残雪

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遠くにみえる丹沢の高いところにも雪はないのに、目の前にわずかながら雪があった。さわってみたが霜柱などではなく、たしかに雪。
富士山と表丹沢の山々

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びわ青少年の家という施設の前に出る。

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葉の落ちた木に立派なやどりぎ。
立派な門構え

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青少年の家近くの集落で。以前、秦野の三廻部(みくるべ)でもこのような(たぶん)農家の長屋門を見かけたことがある。ここも距離的にはそれほど離れてはいないが、このあたりにはこういう門を構える家が多いのだろうか。
小さな谷戸の風景(平塚市土屋)

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谷戸の奥をのぼっていく

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小さな上り下りを繰り返しながら歩いて行くと、あるところで広い台地の上に出る。平塚市から中井町に入るあたり。
台地の畑から見えた富士山

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広い畑地の農道をずっと進んでいく。台地の北の端まで近づくと
東名高速道路

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秦野中井ICの近く。さらにその先
向こう住宅を抱える小山は、弘法山、権現山、その左後方は大山

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秦野市にはいった。秦野の街は盆地の底にあって、このあたりはその東側、まだ盆地には下りていない場所。これから坂を下っていく。
菅原神社の鳥居と梅

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梅に菅原とくれば当然、天神様。この場所に下りてきて秦野の街中を目指す。(秦野市上大槻)
街中の住宅地にあった湧水、弘法の清水

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もう駅も間近という場所にあった。この水は飲むこともできるようだ。
秦野は盆地の地形のため、湧水があちこちにある。この弘法の清水はそのなかでも特に有名なものらしい。
秦野駅前あたり

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通りの右側、向こう側の通りとの間には水無川が流れる。写真奥側からこちら側へゆるく下がるように町が傾斜している。
信号を左折すると目の前が小田急線秦野駅

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本日はここでおしまい。歩いた距離は21.1km。GPSの記録をみると登った量(高さ)は旧東海道を小田原から箱根まで歩いたときと同じくらいあった。そしてこのコースは逆にたどったほうが歩きやすかったかもと、後からそう考えている。