散歩の途中

散歩の途中で観察記録、その後少し調べて書くノート

目黒川から烏山川へ その1 目黒川を歩く

目黒川から烏山川へさかのぼって歩いた。1日で歩いたのだが、ノートは2つに分けた。その1は目黒川編。
目黒川は河口が天王洲付近にあり、大崎、五反田、目黒と山手線と山手通りの間を北上し、中目黒を通って大橋(池尻)に達する。ここで国道246号と交差するとその先は暗渠となり、世田谷区池尻4丁目と三宿2丁目境界付近にある烏山川、北沢川の合流点まで、公式の延長7.82kmが目黒川の範囲である。
海岸の埋め立てにより天王洲が河口となる以前の、昭和初期までは、旧東海道の品川橋の下流で北側に大きく蛇行して東海道品川宿の東側に沿って宿をかすめ、現在北品川駅や八ツ山橋の東側の運河がある場所で東京湾に注いでいた。昔の蛇行があった河口付近では「品川」と呼び、これが現在の品川の起こりとされているらしい。
本日の行程。目黒川は途中の○の中に小さい□のアイコンのあるところまで。

目黒川編のスタート地点はりんかい線天王洲アイル駅

f:id:miwa3k:20170210195350j:plain

出口を間違えて反対の方角へ出てしまった。道路を渡って天王洲アイル第九公園という公園へ向かう。
公園の端から

f:id:miwa3k:20170210195351j:plain

左側激しく工事中なのは首都高速1号羽田線関係か。工事中の向こう側にその首都高速、その向こうは(もはや見えないけど)東京モノレールが通り、京浜運河となっている。さらに向こうは品川ふ頭の埋立地で品川火力発電所などなど。
ここが本当の河口かどうかは確信が持てないが、進入して到達できるいちばん海寄りの位置。
遡上開始。さっき渡った道路をまた渡り、天王洲公園へ入る。天王洲公園と川(運河?)をはさんだ東品川海上公園の間に立派な歩道橋が架けられている。
アイル橋

f:id:miwa3k:20170210195352j:plain

アイル橋のアーチ

f:id:miwa3k:20170210195353j:plain

東品川海上公園から天王洲アイル方向を望む

f:id:miwa3k:20170210195354j:plain

公園を出ると西方向に一般道をすすむ。川沿いの道に出るとすぐに旧東海道が通る品川橋。
品川橋

f:id:miwa3k:20170210195355j:plain

旧東海道沿いにこのあたりは品川宿の真ん中あたり。こちら側から見て橋の右側が北品川宿、左が南品川宿と川を境にして呼ばれてきた。
品川橋のうえから(旧東海道を歩いた時に撮影)

f:id:miwa3k:20170210195356j:plain

品川橋の近くに荏原神社がある。
赤い橋は鎮守橋

f:id:miwa3k:20170210195357j:plain

荏原神社は、和銅2年(709年)大和国丹生川上神社より高龗神(たかおかみのかみ)(水神)の勧請を受けて南品川に創建したのに始まる。ということでえらく古い歴史のある神社である。
上流に向かって京急線新馬場駅ホーム直下を横切ると、第一京浜(国道15号)の東海橋。
東海橋欄干のうえには鳳凰

f:id:miwa3k:20170210195358j:plain

この橋をなぜ東海橋というかについては諸説あるが、そのうちのひとつは、近くに東海寺というお寺があるから。
対岸に東海寺

f:id:miwa3k:20170210195359j:plain

徳川3代将軍家光によって創建された寺院で、沢庵を住職としていた。現在も沢庵和尚の墓がある。
東海寺の先でJR東海道線京浜東北線の下をくぐり、その先の御嶽橋を渡って山手通りに出る。
東海道新幹線と山手線の高架

f:id:miwa3k:20170210195400j:plain

御嶽橋を渡るとまたすぐに鉄道の高架をくぐり、その先居木橋。
居木橋から目黒川上流側

f:id:miwa3k:20170210195401j:plain

目黒川といえば桜の花見が有名だが、東海橋より上流側の川沿いはほとんど桜の木が植えられていると言っても言い過ぎじゃないと思う。この場所からも両岸は桜並木。左手は大崎のビジネス街。
鈴懸歩道橋から隣の御成橋を望む

f:id:miwa3k:20170210195402j:plain

御成橋を越えると山本橋、そしてJR山手線の橋梁の下をくぐり、五反田の街中にさしかかる。
ふれあいK字橋という変わった名前の橋から、上流側、東急池上線五反田駅付近

f:id:miwa3k:20170210195403j:plain

池上線線路右側が五反田駅ホーム。その下の道路が通っているのは大崎橋。
同じ橋のうえから下流側

f:id:miwa3k:20170210195404j:plain

下流側の大崎方面は高層マンションたくさん。
大崎橋で山手通りを越えるとすぐに第二京浜国道1号)で、かかる橋は五反田大橋。なんか川幅よりも道路幅のほうが広いんじゃないかと思う大橋。
五反田駅

f:id:miwa3k:20170210195405j:plain

1国を渡る歩行者信号がいつまで経っても変わらないので、時間つぶしに川と関係なく撮った1枚。
信号を渡り向こう側へ。このへんは歩道はなく川沿いのコンクリート壁とフェンスも高い。妙に朝から行列のできているハンバーグ屋を過ぎ、首都高速2号目黒線を載せてる外苑西通りのなれのはてを横切る。
東急目黒線の橋を越えると品川区から目黒区にはいる。
もうすぐ目黒区というあたりの桜並木

f:id:miwa3k:20170210195406j:plain

目黒雅叙園のでかい建物

f:id:miwa3k:20170210195407j:plain

前方に目黒新橋

f:id:miwa3k:20170210195408j:plain

目黒新橋は目黒通りが通る。目黒駅方面から権之助坂を下りてきたところにある橋。江戸時代初期にはこの位置に橋があったそうだ。現在の橋は1933(昭和8)年に造られたアーチ橋を、平成になってから修復したものとのこと。
目黒新橋のうえから

f:id:miwa3k:20170210195409j:plain

目黒新橋から目黒川下流側

f:id:miwa3k:20170210195410j:plain

川の水は、冬なのにあまりきれいではない。川底にヘドロがたまりやすく、暖かい季節には硫化水素臭(卵の腐ったにおい)がよくする。ヘドロを取り除くために毎年のように浚渫工事をしているのである。
それに比べると、目黒川沿いの桜の木は目黒区内にはいると一層充実してくる。いまの季節は枝ばかりだが、この先の写真にも必ず桜の木が写っている。
中里橋のうえから上流側

f:id:miwa3k:20170210195411j:plain

このあたり右側は防衛省の施設が多く、写っている白っぽい建物もそう。このほかにも、防衛装備庁艦艇装備研究所(ものすごく長い建物がある。)、陸上自衛隊目黒駐屯地などがある。
おまけ的に目黒清掃工場と煙突

f:id:miwa3k:20170210195412j:plain

目黒川船入場付近

f:id:miwa3k:20170210195413j:plain

昔の船着き場の跡を公園にしている。河口から船がさかのぼってここまで来ていたとのこと。現在は公園の下が調整池となっていて、左側の白い部分が水の取入口。大雨のときなど川の水位があがるとここから調整池に水を取り込み、下流の氾濫などを防ぐ。2012年まではここに川の資料館という施設があったようだがすでに閉館している。
この先で駒沢通りを横切る。
駒沢通りの陸橋の上から上流方向

f:id:miwa3k:20170210195414j:plain

桜の木の枝で水面がよく見えない。前方はすぐに中目黒駅付近。
後ろに中目黒駅を背負って、日ノ出橋の上から、流れは見えないけど下流方向

f:id:miwa3k:20170210195415j:plain

東横線の下りに乗って、夜、中目黒駅に着くと電車の中から、左側の居酒屋にたくさんぶら下がっている提灯が、いつもいい感じに見える。いつも誘惑されるので記念に1枚。
中目黒の駅の下をくぐって反対側に出ると青葉台という地区。川沿いにも、小さいけれどおしゃれなお店がたくさん。
青葉台あたりの目黒川

f:id:miwa3k:20170210195416j:plain

歩行者専用の中の橋

f:id:miwa3k:20170210195417j:plain

中の橋のうえから下流側

f:id:miwa3k:20170210195418j:plain

開渠である目黒川の姿はここまで。
目黒天空庭園オーパスのある施設

f:id:miwa3k:20170210195419j:plain

庭園はこの建物の屋上にある。建物自体は首都高速3号渋谷線と中央環状線を結ぶ大橋ジャンクションである。この楕円形の建物のなかにループ状の道路が通っていて、地下を通る中央環状線と地上高架の3号渋谷線を接続している。通常のジャンクションを造る土地がなかったためにこんなアクロバティックな構造になったらしい。2013年頃の完成。
国道246号と上を首都高速3号渋谷線の通る大橋に出てきた。

f:id:miwa3k:20170210195420j:plain

ここで国道246号を渡ると反対側には川の姿がない。
目黒川緑道のいちばん下流部分

f:id:miwa3k:20170210195421j:plain

国道246号よりも上流部分は川が暗渠になっており、その上が目黒川緑道になっている。ここから上流ではまったく川の様子を知ることができないのである。
目黒川緑道が600mほど続き、その緑道が二又に分かれるところに出る。ここが烏山川と北沢川の合流地点、目黒川の起点。
合流点に到着

f:id:miwa3k:20170210195422j:plain

合流点といっても、どの川も地下を流れていて様子を窺い知ることはできないが、とにかく目黒川の起点に着いた。
ここから上流、烏山川、北沢川とも現在はすべて暗渠で、その上に緑道が整備されているのみではある(ところどころに流れを再現したせせらぎのような設備はあるが)。だが、この先歩く烏山川緑道は、途中途切れるところもあるが、延長は10km程度もあってすべて歩道だ。歩くにはうってつけ。最上流の緑道がなくなる先できちんと流れをたどれるのかも興味深い。

※ちょっと補足。烏山川緑道は延長7km程度、その上流側の流路もたどれば10km程度になる。緑道はすべて歩道だがそれ以外は一般道も歩く。
ここで休むことなく、烏山川緑道へと入った。
ちなみに本日ここまでの歩行距離は9.6km。