散歩の途中

散歩の途中で観察記録、その後少し調べて書くノート

スペイン バスク地方とバルセロナの旅 その2 ビルバオ観光

旅行2日目、スペインに着いて最初の朝は雨。気温も低く、少し寒く感じた。天気予報では雨が降ったり止んだりだが、午後は回復傾向のようだ。早々に朝食を済ませて外に出る。
ビルバオの見どころは、昨夜ホテルにチェックインしたときにフロントの人が街の地図をくれていろいろ丁寧に解説してくれ、チェックポイントに印を入れたりしてくれた。我々が日本で得た情報とは、また少し異なる視点での情報がもらえて参考になった。
とはいえ、はじめて来る街の旧市街にいきなり出ると方向感覚がわからない。まずは旧市街のランドマーク的存在で、泊まっているホテルからも近いサンティアゴ大聖堂を目指す。そして周辺がいわゆる商店街のなかにあることを確認し、ここにバル、そこにバルと、きっと今晩様子をうかがわせてもらうであろう場所をチェックしながら歩く。

朝のビルバオ旧市街

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(朝といっても時計の4時44分は嘘だけど)

ほどなくサンティアゴ大聖堂へ

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この近くにメトロの駅があるはず、次はそれを探す。
Googleマップなど引っ張り出して場所を探したけれど、駅の入口は駅の場所を表示しているところから少し離れていてちょっと迷った。カスコ・ビエホ(Casco Viejo)駅からはビスカヤ橋を目指す。

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ちょっとここで、ビルバオでの市内交通機関の情報など。
私も現地に行く前にはこの手の情報を入れておきたいと思ったし、それらの情報は実際にいろいろと参考になったので、ここに記しておくことにする。これからビルバオへ行く人の参考になれば

ビルバオの公共交通

ビルバオの代表的な公共交通として、メトロ(地下鉄)、トラム、バス(Bilbobus, BizkaiBus)、一般鉄道(スペイン国鉄renfe,FEVE、バスク鉄道Euskotren など)がある。市内の移動に使いやすいのは前3つで、一般鉄道は本数が少ない傾向で近距離移動にはあまり機動的じゃないと思う。メトロはメインルートで2分半ごと、それ以外でも5分ごとの運行、トラムは10分ごとの運行。バスは系統などによっていろいろ。
ちなみに私の今回のビルバオ観光では移動はメトロとトラムだけで事足りてしまった。(でもゴンドラとケーブルカーには乗った)

ビルバオの公共交通の乗り方

乗り方は、barik(バリック)カードという、日本のSuicaPASMOのようなICカードがあってこれを使うのが便利。メトロ、トラム、バス、バスク鉄道、ビスカヤ橋のゴンドラ、ケーブルカーで共通に使うことができ、1枚で最大10人まで同時に使えるというもの。
カードの購入はメトロ駅などの自動販売機、街のキオスクなど。最初に3ユーロで購入して、チャージして使う。

barik(バリックカード)

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私の場合、自販機に5ユーロ入れてカードを買ったらお釣り分となる2ユーロが自動的(強制的?)にチャージされていた。同じ自販機で追加のチャージも可能。自販機は英語表記にもできる(日本語はさすがにない、あと英語での操作の途中でスペイン語に戻ってしまうという落とし穴?がところどころにあるみたい)
このカードを使うとメトロ料金の場合、1.6ユーロのところが0.9ユーロで、トラムでは1.5ユーロが0.73ユーロで乗れる。(最近少し値上がりしてこの料金になっているみたい。2017年5月時点の情報)Bilbobusは1.25ユーロが0.64ユーロ、BizkaiBusは1ゾーン内1.3ユーロが0.98ユーロとなる。
乗り方はメトロやケーブルカーでは改札機にかざしてから先のゲートや回転バーを通ればよく、トラムとビスカヤ橋のゴンドラは停留所にある改札機に通せばよい。複数人数で使う場合は次々に後ろの人へパスしていく。バスは均一料金とゾーン別があり、利用していないので詳しいことはわからない。(もしわかったら書き足しておく)

降りるときはカードを示す必要はないのでそのまま出て行けばよい。
barikは2014年から運用をはじめたようで、それ以前はプリペイド式カードのCreditransというのが使われていて、たぶん現在もそのカードはあると思う。そちらも使用可能範囲などは同じだと思うけれど、割引率などBarikのほうが大きい。その他の詳細は不明。そのほかにもメトロの1日乗車券、トラムの1日乗車券というのも存在する。旅行者用に1~3日間乗り放題になり、観光施設の割引もついたカード(Bilbao card)もあるそうだけど、これは購入できるところが限られるし結構高い。少ない日数での観光の機動性を重視するなら購入の容易なBarikが私のおすすめ。
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カスコ・ビエホ(Casco Viejo)駅でBarikを購入し、メトロに乗る。この地下鉄は次々に列車がやってきて便利だ。

メトロの駅(たぶんカスコ・ビエホ駅)

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メトロの地下駅はみんな同じデザインで、駅名の表示がないとどこにいるのかわからない。郊外では地上も走って地上の駅もある。
ビスカヤ橋は市の中心部からは10km以上離れているけれど、メトロなら新旧市街から1本で行け、1号線、2号線のどちらを使ってもOK。橋が架かるネルビオン川の両岸を2本のメトロが通っているからだ。我々は2号線を最初に利用。2号線の場合は中心部から約20分、ポルトゥガレテ(Portugalete)駅で下車すると丘の中腹あたりに出るので、坂をずっと下っていくとネルビオン川と橋が見えてくる。

ポルトゥガレテからネルビオン川に向かって

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ビスカヤ橋とゴンドラ

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ゴンドラは中央に普通車が6台、両脇に人の乗る部屋のようなスペースがある。岸壁の乗り場に改札のようなのがあって、Barikカードで通過、料金はたぶん0.4ユーロだったかな。ちなみに橋桁(橋のかなり上の方)も歩いて通行可能で、そちらは7ユーロほどとられる。そちらは純粋に観光用かな、天気も悪かったし、ゴンドラで十分。ゴンドラはひっきりなしに両岸を往復していた。

対岸のゲチョ地区に渡ってポルトゥガレテ地区を振り返る

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川の上を行くのは渡し舟。橋のすぐそばに渡し舟もあるのだ。

ビスカヤ橋近景

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正面(ちょっとずれ)から

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ギュスターヴ・エッフェルの弟子が設計した、ということがよく分かるとても美しい橋だ。
ゲチョ地区にはメトロ1号線が通っているのでそちらの駅からビルバオ市街中心地へ戻る。やはり20分くらいでサン・マメス(San Mames)に到着。

メトロのサン・マメス駅入口

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市街地のメトロ入口はみんなこのデザイン。
ビルバオのサッカーチーム、アスレティック・ビルバオのスタジアムが間近に見える。

サン・マメススタジアム

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トラムに乗り換え

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グッゲンハイム美術館に向かう。
ほんの5分ほどでグッゲンハイム停留所。

グッゲンハイム停留所近くから

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ネルビオン川にかかる、下に板を敷いてある歩道橋と、向こうはデウスト大学。

橋の上から

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グッゲンハイム美術館とサルベ橋など。ここはビルバオの象徴的風景のひとつ、天気悪いけど。

川の下流方向

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高層ビルはイベルドローラ・タワー、右側はデウスト橋。

グッゲンハイム美術館近景

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こちら側は正面入口の反対側、川に面したほう。
正面に回るとエントランスの脇、通りに面した方を向いて巨大な犬(puppy)がいるのだが

犬植毛(花の植え替え)工事中

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やはり定期的に花の植え替えが必要なようで、ちょうど端境期に来てしまった。残念

再び美術館後ろ側へまわって、外側から3枚

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スビスリ橋

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スビスリ橋上から向こうのツインタワーはイソザキ・アテア(イソザキゲート)

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日本人建築家の磯崎新とスペイン人建築家のイニャキ・アウレコエチェアによる設計のビル。アテアはバスク語で門を意味するそうだ。

スビスリ橋からグッゲンハイム美術館方面

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さてそろそろグッゲンハイム美術館のビストロを予約していた時間となった。
ここのビストロはスペインの3つ星シェフがプロデュース、というふれこみ。最初は話半分とか思っていたけれど、いやいや本当においしかった。コースはフランスで「ムニュ」といわれる、スターター、メイン、デザートをアラカルトで選んでいくものにした。それにワインがボトルで1本ついてくる。
何を食べたかなど、私以外の人にはどうでもよい情報かと思うのだけれど、自分の備忘録ということで許してくだされ。
スターター"White tuna tartar with avocado cream"
メイン"Pork cheeks lacquered with roasted quinoa"
デザート"Caramelized sheep-milk curd with Reineta apple juice"
それにコーヒーと焼き菓子、ワインは白ワインを、と、これだけ食べてもそれほど高くないのもとてもうれしい。

料理の写真など

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おなかいっぱいになったところで美術館のなかへ。そうしたらなんとこの日は入場料が無料、なぜ? 理由を聞き忘れた。

入場券

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外に飾られた作品は撮影可

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急に天気も良くなっている。
展示物の多くは現代美術というカテゴリーで、正直理解不能なものが多かったけれど、楽しめた。結構長い時間を館内で過ごしていた。

グッゲンハイム美術館正面入口から

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美術館から離れ、ビルバオ新市街へ歩いて行く。街歩きだ。

新市街の中央広場、Plaza de Don Federico Moyua

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プラザのロータリーから外側を

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中央広場からはなれて

変わった形の建物

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ビスカイアプラザと隣の建物

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広場は子供でいっぱい。時刻はもうすぐ19時だけれどまだまだ日が高く、遊べる時間がたっぷりある。いいなあ

バスク風の出窓が印象的な建物

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こちらは伝統的な建物だ。
またネルビオン川に出る。

Udaletxeko橋

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橋を渡って対岸へ

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川べりがずっと広い歩道と公園になっている。川ではボートの練習中。

アリアガ劇場(Teatro Arriaga)前

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劇場前の広場でなにかデモンストレーション中、でもなんのデモだかわからない。
そろそろ旧市街、ホテルのある場所の近くに戻ってきた。ふーん、こういうのがビルバオの通常の夕方の風景なのか。日も暮れかけてきたし、バルへ繰り出す時間。このあとは自主規制、ということにしておくけれど、実は本場のバルははじめてだったので何かと要領が分からず、言葉もこちらはスペイン語ができないので細かく説明されても理解できない。最初は酔うというより緊張気味で、おとなしい観光客になってました。でもそのうち酔って少し気が大きくなったりするんですけどね。