散歩の途中

散歩の途中で観察記録、その後少し調べて書くノート

立会川を遡り、いくつかの池を見ながら内川沿いに海まで下る (その1)

立会川(たちあいがわ)も内川(うちかわ)も地元の人以外はあまり知らないのでは、ということで最初から余計な解説を。どちらも都心の南側、品川区、大田区といったあたりで東京湾へ注ぐ中小河川である。現在は、河口近くでは普通の河川として存在するが、ちょっとさかのぼると暗渠となって、流れはまったく見えない。とはいえ昔は普通の川として流れていたわけで、かつての流路は普通の一般道や歩道、緑道として残っている。
改めて2つの川について。

立会川
源流は目黒区にある碑文谷池、清水池および碑文谷八幡宮付近など。目黒区から品川区へと流れ下り、品川区東大井で東京湾勝島運河へと注ぎ込む。全長7.4kmの二級河川

内川
かつては大田区北馬込付近の湧水を水源とした天然の河川であったが、現在源流部に流れはなく、上流部は下水道幹線になっている。JR東海道線線路交差地点から下流が河川として管理され、大森東で東京湾京浜運河に注ぎ込む。現在の全長は1.5kmの二級河川

北馬込からだったら川の長さは5~6kmにはなっていた。

今回は、道路となってしまった過去の川の様子を観察しながらの散歩である。そして今回歩いてみた2つの川と関係するものも、しないものもあるけれど、途中にあるいくつかの池にも寄ってみた。
いろいろ長くなりそうなので内容を分けた。その1では立会川を遡る。

立会川・内川行程

スタート地点はそのものずばり、
京急線立会川駅

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この日は七夕過ぎてもう何日も経っていたのに、七夕飾りがまだ出してあった。(私のまとめが遅くなったわけじゃないですよ、という言い訳にもなっております。)

駅前がすぐに川なのだけれどまず河口へ向かう。駅からは歩いて5分くらい。そういえば駅すぐ近くの公園に坂本龍馬の像があったのはどういう縁なのでしょうか?

勝島運河を望む

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正確にはこの風景はすでに立会川河口を過ぎて海。明治時代くらいまでは向こうの埋立地はまだ存在しておらず、このあたりが海岸線だった。

そのすぐ近く

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左側は運河の一部、右側から立会川が流れ込んでいる、ここが河口かな。運河は何やら大規模工事中。

河口付近の立会川

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向こうに見える古い橋は旧東海道の濱川橋。

立会川駅前を再び通り、第一京浜を渡って
桜橋のうえから

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第一京浜東海道線の間あたりの流れ。そのすぐ先で

暗渠の出口

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以前に妙正寺川でも見かけたけど、暗渠の出入口に”カーテン”をかけることがあるのね。

出口の上から下流

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暗渠の上は一般道、歩道に関わらず立会道路という呼び名に統一されている。
歩道のはじまり

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暗渠の上はすぐに歩道がはじまる、または、暗渠の出口ぎりぎりまで歩道になっている。

東芝病院横の歩道(品川区東大井6丁目付近)

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その先で川はJR大井町駅の下をくぐる。
JR大井町駅ホームと手前自転車置き場

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人は駅構内通路を通って、反対側の駅前広場へ出てから続きを追いかける。
大井町駅中央口前から

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前方奥の方から手前左に向かって川が流れていたはず。

大井町駅近くの立会道路

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残念ながら軽自動車がかぶってしまったが、その向こうの並木の方、奥へ立会道路が伸びている。地図でみると、この道路がきれいにカーブを描き、周辺の区画整理とは関係なく街を通り抜けていて、元は川だったんだということがよくわかって興味深い。

立会道路をさかのぼる

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大井町駅前からの立会道路は第二京浜国道1号)との交差点までずっと一方通行、水色の自転車レーンと歩道がこんなかんじでずっと続く。

先日、品川用水の水路跡を下って用水の末端が立会川に接しているところへ出たときもこの色の道路だった。そのときは立会道路を品川区二葉4丁目からJR西大井駅近くまで川を下る方向で歩いた。

miwa3k.hatenablog.jp

この日は大井町駅から西大井駅を通り、二葉4丁目を過ぎて第二京浜交差点に出る。

第二京浜の先は暗渠上がほぼ全面的に歩道になる。
交差点を渡った先で

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500mほどすすむと歩道は右にカーブして東急大井町線荏原町駅下を通過する。
こちらは駅前の商店街の間をぬって踏切を渡り、反対側へ出る。

荏原町駅北側の歩道

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この立会道路の歩道もすぐに東急池上線線路で分断され、その先もまたすぐに中原街道にぶつかって歩行者専用道は終わりになる。

中原街道交差付近

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右側が中原街道、立会道路は右から左へ斜めに交差。中原街道の北側へ出ると立会道路の暗渠はまた車も通る一方通行の一般道に変わる。

品川区旗の台1丁目付近

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しばらく歩くと東急目黒線西小山駅前を通過し、品川区から目黒区に入る。それにしてもこの川はいろいろ駅前を通過している、単に偶然なのかな?

目黒区の立会川解説板

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目黒区内の立会川歩道(立会川緑道)

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まん中が一段高くなった歩道で両脇は一般道になっている。ほかの道路との交差部は歩道が途切れる。

この歩道は碑文谷八幡近くまでほぼ一直線に続くが、途中で一旦折れて流路のひとつをさかのぼる。
目黒区看板の写真解説に出ていた円融寺の門

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暗渠感ある細道

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目黒通り、東急東横線などを通過すると池が有名な碑文谷公園に到着する。
公園南側入口付近

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碑文谷公園にあった「記」

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碑文谷池

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園の半を占むる池に碑文谷池又は三谷池と稱へ立會川の源をなし……さようでござるか。
途中はほとんど暗渠だけれど、立会川の源のひとつへ到達。

後から思うとコース設定がいまいちだったなと思うのが、立会川のもうひとつの源流になる清水池へ足を伸ばしていないこと。残念ながらそちらの風景はここにはない。

このとき碑文谷池からは、支流のひとつが流れ出していたといわれる碑文谷八幡のほうへ向かった。池から神社までは普通の道路を歩いて10分ちょっとの距離。

碑文谷八幡宮

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目黒区が立会川緑道と呼んでいる、一段高くなった歩道をずっと歩いてくるとこの八幡宮の正面に着く。

解説

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社殿を背にして

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鳥居の向こうがいわゆる参道で、立会川緑道の終点となる。

川の流れ、あるいは痕跡といったものは神社の境内、その外側を含めて確認することはできなかった。神社の後ろ側がやや高くなった傾斜地だったのでそのあたりから水が湧き出す可能性はありそうだけれど、いずれにしても未確認。

ここから立会川緑道をさきほど碑文谷公園へ向かうときに折れた交差点まで下り、今度はそこから洗足池を目指す。
続きは新しいノート(その2)へ。
とりあえずその1はここまで。