散歩の途中

散歩の途中で観察記録、その後少し調べて書くノート

多摩川左岸を歩く その2 調布取水堰から多摩川原橋まで

多摩川左岸、前回は東急東横線の多摩川橋梁上手にある、調布取水堰のあるところまで歩いてきた。「その2」となる今回は、ここから歩きはじめて、調布の多摩川原橋を目指す。
その2の行程

東急線多摩川駅で下車

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調布取水堰の少し上流側にある、田園調布4丁目交差点から河原に下りる。
河原に出たところから下流方向

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調布取水堰、東急線橋梁、丸子橋などが見える。
同じところから上流側

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ここの堤防内側は、かつてプロ野球巨人軍の多摩川グラウンドがあったところ。今は公園にある普通の野球場になっている。
川をさかのぼって歩いていくと、大田区から世田谷区に入る。左岸側は丸子橋の上流あたりから世田谷区、狛江市にかけて、サイクリングコースとして見るとあまり良い整備状況とは言えない区間が続く。
第三京浜新多摩川大橋を望む

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1965年(昭和40年)竣工、長さ382m、形式はボックス型プレートガーター橋。
河原の歩道は未舗装、歩く分にはあまり支障はないが、雨のあとなど水たまりができたり、結構なぬかるみになる。ちなみに土手の上は一般道の多摩堤通りで、自転車道、歩道はない。
それでも二子玉川に近づくと、周辺の再開発と併せた整備が進行中である。

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土手の上に新しく公園を設けたり
河原の歩道を、舗装しないけれど、細かい砂利で歩きやすくしたり

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東急田園都市線多摩川橋梁と橋の上にもホームがある二子玉川駅

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長さ440m、形式は第三京浜と同じ、ボックス型プレートガーター橋。
二子玉川駅ホームの下をくぐると続いてすぐに道路橋の二子橋

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長さは440mで田園都市線の橋と同じ、竣工は古く、1925年(大正14年)。1966年(昭和41年)までは、電車と歩行者、自動車等が併用する鉄道道路併用橋であった。
この2つの橋の下付近で多摩川左岸に野川が合流している。かつてはこの付近に大山街道の二子の渡しがあったが、昔は川の堤防が貧弱で、洪水がおこると流路がたびたび変わったため、渡しの位置も変わったとのこと。
現在、橋の下には歩道があるので、そのまま二子橋の上流側に出ることが可能。上流側に出て、野川にかかる歩行者用の橋を渡れば兵庫島公園

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正面に写っている橋を渡ると兵庫島公園に入る。この公園は1925年(大正14年)に造られたとのこと。二子橋の竣工と同年ということは、橋とともに整備されたのでしょう。
橋のうえから、流れは野川、向こうは新二子橋

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公園内の池のほとりから

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同じ場所から上流側を見ると新二子橋

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国道246号が通る、長さ577mの道路橋。野川もいっしょに跨ぐため、玉川高島屋の裏あたりから橋になっているからか、他の橋に比べて長い。構造形式は単純鋼鈑桁橋。
しかし、二子付近にある橋は、形の美しさという点ではどれもぱっとしない。
新二子橋の下をくぐると河原は広々とした多摩川二子橋公園で、野球場、テニスコートなどの運動施設がたくさん。野川が離れていくあたりから、多摩川の堤のうえに歩道が復活する。
土手の上をしばらくすすむと、海から20Kポスト

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20キロポストのすぐ先で、河原にあるのは交通安全教育センター、向こう側の橋は東名高速多摩川橋

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下に見えるのは自動車教習所ではなく、警視庁の施設。白バイ訓練所と呼ばれているようだが、通ったときは路線バスのドライバーによる、運転操作訓練(?)のようなのをやっていて、バスがたくさん。
東名高速の下をくぐると、しばらくして世田谷区から狛江市にはいる。狛江市に入ると歩道の整備は、はっきり言っていまいちのところが多い。土手の道は一時的に一般道に吸収されるところもあり、河原にも一応、通路はあるものの、歩道は土手の上下とも基本、未舗装。でこぼこの多いところもある。
河原の橋と歩道?

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二ヶ領宿河原堰堤(にかりょうしゅくがわらえんてい)付近の土手と歩道

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このあたりは土手の上、歩道には小砂利が敷かれているので歩く分には支障ない。
宿河原堰堤

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二ヶ領用水の取水を行うための堰とその設備がある。二ヶ領用水は慶長2年(1597年)から約15年の月日をかけて開削された灌漑用水で、多摩川右岸側の、現在の川崎市一帯(当時の川崎領、稲毛領の二ヶ領)の水田に灌漑用水を供給していた。現在も工業用水として用いられているようである。ここの先代の堰は、1974年(昭和49年)に、この付近の堤防を破壊させて民家19戸を押し流すという狛江水害を引き起こしている。
この堰の上流はすぐに小田急線多摩川橋梁

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現在の橋は2008年竣工、長さ429m、形式は鋼床版連続箱桁。小田急線の複々線化により架け替えられた橋である。
その上流側すぐのところに、世田谷通り(東京都道・神奈川県道3号世田谷町田線)が通る多摩水道橋

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川崎市内の浄水場から都内へ向けて流れる水の導水管がこの橋を通っているため、この名前がある。長さは358m。
多摩水道橋の上流側も土手の上を歩くことができる。
水道橋の先、狛江市元和泉3丁目付近の河原

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もう少し先へすすむと、狛江市から調布市に入る。昔の多摩川の流れがつくった立川崖線の終点がこのあたりと言われている(というのは自分の趣味の世界の話)。
調布市にはいってさらに先へすすむと、二ヶ領上河原堰堤が見えてくる。
二ヶ領上河原堰堤、下流側から

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堰の上流側は流れが緩くなって湖のようになっている。

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宿河原にもあった、同じ二ヶ領用水の2つある取水堰のひとつである。昔は堰はなく、多摩川の水の流れを自然に用水側に導く取水をしていたとのことだが、多摩川の水量の多少に関わらず、確実に取水できるように、1945年(昭和20年)から1949年(昭和24年)にかけて、現在のような固定堰が造られた。ちなみに取水口はいずれの堰でも右岸、川崎市側にあるので、左岸側から見えるのは堰堤だけである。
堰のために湖のようになった場所を過ぎたあたりは、広い河原になっている。向こうは京王相模原線

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京王相模原線多摩川橋梁

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344mの鋼トラス橋。
広い河原をそのまま進むと、ほどなく多摩川原橋

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通っているのは鶴川街道(東京都道・神奈川県道19号町田調布線)。上下2車線ずつの今の形になったのは2006年(平成18年)。
個人的にだが、この橋の名前は漠然と「たまがわげんきょう」だとずっと思っていた。「たまがわらばし」と知ったのは、実はここを歩いて通ったこの日。
向こう側にアーチの頭の部分が見えているのは多摩川原橋の隣にある多摩川原水道橋。水道専用の橋。
本日の予定はここまで。多摩川原橋を渡るために河原をあがる。

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橋の途中で調布市から稲城市にはいる。この橋から上流の橋は、奥多摩湖まですべて両岸とも東京都。
JR南武線矢野口駅

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本日の歩行距離は16.4km

 

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