その1に続いて横浜水道みちを上大島から南町田まで歩いた。
その1はこちら。
26あるトロッコの歴史看板の(1)と(2)をその1で見届けたので今回は(3)から。
まず最初にトロッコの歴史看板(3)を見つけに行く。たぶん(3)がいちばん見つけにくそうだ。
スタートは前回の離脱点、神奈中バスの上大島バス停。
バス停から大嶋坂を目指す。大嶋坂は相模川自然の村に向かう途中にある。
大嶋坂の坂のうえから
車道の右側に歩道があるのでそこを下る。
下り始めてすぐ、向こう側の景色がみえてくるこのあたりに看板があることになっているがこの歩道上には見当たらない。
踏み分け道が歩道の脇にある。注意していないと見逃しそう。
ここをのぼって数十メートル先にこんな感じで看板があった。
「トロッコ」の歴史看板(3)大島(2)
三井用水取入所からここまで7km、現在地:大島となっている。看板(2)からここまではハイキング道とのことで、このあたりは歩けそうだが、看板(2)の近くの道は消滅していた。この先どこまで行けるかは不明。
それと、看板(2)からこの看板(3)の間は相模川の流れに近い崖の途中にあり、かつて送水管の通っていた場所となる。現在の送水管は崖の上、丘陵の上を通っており、ここの下は通っていない。
「ハイキング道」から先ほどの歩道に戻り、大嶋坂の坂のうえに戻る。坂のうえからはそのまま一般道を直進していくとほどなく渓松園という現在は老人福祉施設になっている建物がみえてくる。
渓松園のまるい建物
この建物はかつて大嶋送水井という水道関連の施設で昭和9年(1934)完成、この建物の向こう側、がけ下を流れている相模川の水をポンプでくみ上げて送水管に補給していたとのこと。昭和29年(1954)頃まで使われていたがその後廃止され、その建物がそのまま老人福祉施設に転用している。
渓松園の駐車場入口脇に「トロッコ」の歴史看板(4)大島送水井がある。
三井用水取入所からここまで7.5km 旧大島送水井 となっている。
このあたりまでは現在は廃止されている、創設時の送水管が通っていた道に沿って「トロッコ」の歴史看板が立てられていたが、この先は現在も横浜水道として使用されている送水管上の道を歩くことになる。次の(5)の看板までは少し距離がある。
渓松園前の一般道をそのまま道なりにずっと進む。地形的には相模川の段丘崖の上側の際を歩いていることになるが、がけ下が直接みえる場所は少ないので実感はない。
ちなみにこの近くでがけ上から相模川の河原まではこれくらいの高低差がある。
途中県道48号の交差地点
この先は車両の入れない専用の歩道となる。
歩道になってしばらく行ったところ。住所では相模原市中央区田名
畑とまっすぐな歩道と夏の雲。のどかで気分もゆったりしてくる。車道を渡った向こう側、杭のところ左側に写真ではわかりにくいが看板がある。
「トロッコ」の歴史看板(5)田名
三井用水取入所からここまで11km 現在地:田名
畑と住宅地が混在している丘陵上の歩道をずっと行き、国道129号の上溝南高校前交差点を渡ってさらに行き、県道46号とJR相模線の線路が近づくあたり、歩道の植え込みに次の看板が見えてくる。
「トロッコ」の歴史看板(6)上溝
三井用水取入所からここまで16km 現在地:上溝、である。看板(5)から(6)の間も5kmと距離があった。
県道46号と相模線線路をこえて
JR相模線
線路下の歩道がなんか心許ないが、これをくぐるとまた整備された歩道を歩ける。
水道みち緑道
水道送水管上の道路の例にならい、この前後、道はずーっと直線である。
上の写真の前方に塔のようにみえるものの近くにいくと次の看板があった。あざみがや交差点のすぐ近くである。
ここにも写っている塔のようなもののある場所は神奈川県内広域水道企業団相模原調圧水槽(ながい!)と書かれていた。何でも下を通っている送水管の水圧を調整するための施設で、水の圧力が高くなったときにこの塔(筒)のなかに水が上がってくることで調整をするのだそう。
「トロッコ」の歴史看板(7)当麻
三井用水取入所からここまで17km 現在地:当麻。傷ついて痛々しい。
ここを過ぎると水道みちは3本の川を渡る。
最初の橋を渡るために下りていく階段
橋のうえから
最初の川は鳩川である。この日歩きはじめた大島の近くから流れ出し、相模原台地上をずっとここへ流れてくる。
次の川を渡る手前で
橋の右側に何かある。
水道管が外を通っていた。
これが現役の横浜水道の送水管である。下を流れるのが姥川。さきほどの鳩川とここからほどなくして合流する。
3本目の川は相模原公園に上がっていく崖の下を流れている道保川。
うっそうとした木立ちの中を流れていて写真が撮りづらかった。この川もこの下流で鳩川に合流し、さらに鳩川は相模川に合流する。ちょうど道保川を渡るところに看板があった。
「トロッコ」の歴史看板(8)堂山橋
三井用水取入所からここまで17.5km 電気溶接水管橋跡(日本初)とあった。
この看板のさきで県立相模原公園に入り、坂道を上がっていく。
坂をあがって台地の上に出てしばらく行くと女子美術大学の校舎とグラウンドの間に次の看板がある。
看板の脇に建設当時の石標があった。十八粁横浜市水道局と読める。
「トロッコ」の歴史看板(9)下溝
三井用水取入所からここまで18km 現在地:麻溝台。
ここから一本道を渡ると県立相模原公園。
水道みちの緑道もそのまま公園のなかを通り抜けている。向こうに見えるのはグリーンタワー相模原、高さは55mだそうだ。
タワーや花壇などを見ていると公園の反対側に出る。その先もまた水道みちにまっすぐな緑道が整備されている。県道507号の麻溝台交差点を越え、さらに市道の消防麻溝台分署入口の交差点の先に次の看板があった。
水道みちの緑道沿いにあった看板(10)
「トロッコ」の歴史看板(10)磯部村
三井用水取入所からここまで20km 現在地:双葉。ここまで書いていてやっと気づいたのだが、歴史看板の番号の次の地名と看板に書かれている現在地の名称が異なるものがある。歴史看板番号の次のは建設当時の周辺の地名、呼び名で現在地のほうは現在の地名などということだった。
看板(10)を過ぎると双葉という交差点に出るが、その先をまっすぐ進んでしまうと大きなフェンスに突き当たって、水道みち(の痕跡)はそのフェンスの中に入っていく。でも人は、というより許可を得ない日本人は入って行けない。このフェンスの先は相模原米軍住宅だ。勝手に通り抜けたりすると悠長な散歩で済みそうにないので迂回する。それでもついでだから中ものぞいてみるかと、フェンスぎりぎりの道を選んでみる。
ある意味国境地帯。左側が米軍住宅、右側は日本の小学校。
なかは思ったより質素な建物が並んでいた。それでもきっと日本の予算で建設したんじゃないだろうか。フェンスの外側の住宅に比べたら建物の密度もずっと低いし、広い庭も完備。反対側にまわるといちばん大きな入口があった。
米軍住宅のゲート
日本の米軍施設って灯篭とか飾るところ多い。
さらにまわって水道みちの延長線上の場所に復帰する。
向こうの車止めの奥は米軍住宅の敷地内。何もなければ向こうからこちらに歩いてくることになる。
水道みちに復帰してさらにすすむと小田急小田原線の踏切にぶつかる。相模原市南区南台3丁目
踏切の先もずっと緑道になっていて、しばらくするとまた線路にぶつかる。小田急江ノ島線だ。この線路わきの公園内につぎの看板があった。
「トロッコ」の歴史看板(11)上鶴間
三井用水取入所からここまで23km 現在地:東林間。
東林間駅を発車した電車。
駅先の踏切をわたり、再び水道みちに復帰。この付近、駅の両側とも水道みちを駅前駐輪場に利用していた。
相模原市南区と大和市の境界近く
このあたりの緑道はとてもよく整備されている。
しばらく行くと大和市にはいり、林の手前に看板があった。
「トロッコ」の歴史看板(12)下鶴間
三井用水取入所からここまで24km 現在地:下鶴間。この看板の近くに以前使用されていたものだろう、36インチ仕切弁(導水管内の水をとめるための弁)が置かれていた。
大和市内の緑道をすすみ、住所でいうとつきみ野7丁目付近の緑道わきに導水管が地上に出ているのを見つけた。
この下に小さな川があるのでその上を通る管が外に現れているのだろう。この先はすぐにまた地中に戻っていった。
大和市の緑道解説板
緑道をさらに進むと旧国道16号のつきみ野交差点をわたって、その先は下り坂になり、下り切ったところで東急田園都市線の高架橋と境川が交差している場所にでる。
境川が神奈川県大和市と東京都町田市の境になっている。そして田園都市線高架橋のすぐそば、川をまたいでアーチ型の水管橋が4本通っているのをみることができる。
真下からみたもの
4本の内訳はアーチの基盤部をみるとわかった。右の1本だけのものは神奈川県内広域水道企業団、左の3本のうち右と真ん中は横浜水道の相模湖系、左端が横浜水道の道志川系のものだった。管理的には1本が神奈川県、3本が横浜市っていうことだ。だから土台部分も2つに分かれているのね、とてもお役所らしい。ところでつきみ野で見た導水管は1本だけだったのだが、あとの3本はどうなっていたのでしょうか?
境川をわたって町田市側にはいり、鶴間公園入口手前で振り返って
さきほどの水管橋からこちら側の家と家の間をとおってこの写真の反対側、鶴間公園の下へと導水管が伸びているはず。
鶴間公園側の様子
この先ほどなく次のトロッコの看板があるのだが、今回はここまで。ここで離脱すれば東急田園都市線の南町田駅が近い。
19.5km歩いた。ここまでで「トロッコ」の歴史看板(1)から(12)までを確認。
その3はこちらからも。