散歩の途中

散歩の途中で観察記録、その後少し調べて書くノート

よこやまの道を通り尾根緑道を歩く

出発点を京王相模原線若葉台駅とし、よこやまの道を端から端まで歩き、長池公園をかすめて尾根緑道にはいり、小山内裏公園を通って鑓水小山緑地を歩き、途中で離脱して橋本駅までというやや長めの散歩をした。出発点は東京都稲城市、そこから多摩市、町田市、八王子市、さいごの橋本駅は神奈川県相模原市緑区である。

(紫色部分はGPSを起動し忘れていた区間をあとから補間したところ。とほほ)

この経路の特徴は、全区間多摩丘陵の尾根筋ということである。標高は100mから150m程度とさほど高くはないが律義に歩いてみると意外にアップダウンが多かった。天気にも恵まれた真夏、33℃の散歩。Let's go crazy!

◆よこやまの道へ

まずよこやまの道を歩く。

よこやまの道は多摩市と川崎市麻生区、町田市の市境の尾根に沿って続く、およそ11kmの緑道、歩道、一般道、公園入り混じったプロムナード。

多摩市のホームページに詳細なガイドマップと解説がPDFで掲載されていたので出発前iPhoneに取り込んでおく。道筋の案内標も充実しているので、これだけ準備すればまず迷うということはない。まあ迷ったとしても命にかかわることはないでしょうけど。

多摩市のホームページをリンク。こちらにガイドマップなどがある。 よこやまの道|多摩市

 

よこやまの道、東側出発点の丘の上公園広場を目指す。アプローチは京王線若葉台駅

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よこやまの道を目指すなら小田急はるひ野駅からのほうが近そうなのだが、経路検索したらこっちのほうが電車賃が安かったもので。
最近できた新しい街というかんじの駅前から、だらだらと上り坂を上がり、稲城台病院交差点を渡って丘の上公園広場に出る。ここがよこやまの道スタート地点。
丘の上公園広場にて

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左側にみえる案内標によこやまの道、西順路の文字。この案内標に従って西端を目指す。
多摩東公園からの歩道が合流する地点にあった案内板。

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いまは右のはしっこ。(写真はクリックすると多少大きくなります。)

東側の丘の上公園広場から歩き出すとしばらくは木立の中の緑道がつづく。

最初はこんなかんじ

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よこやまの道にほぼ並行して、すぐ北側には南多摩尾根幹線道路という片側2車線の道路が最初から最後まで離れない。交通量はそれなりに多く、ところによっては道路を通る車の走行音が聞こえてくるし、場所によってはこの道路の本当にすぐ脇を歩くことになる。
三角点 144m・諏訪ケ岳

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国土地理院三角点があった。諏訪ケ岳144mの立て札もたてられている。とりあえず無事に諏訪ケ岳の登頂に成功した。出発点の若葉台駅からは6,70mは上ってきたはずだ。
三角点の先にあった案内・瓜生黒川往還

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黒川も瓜生もそれほど遠くない場所の地名、江戸時代の道ということでこれから出てくる鎌倉街道や奥州古道などに比べれば新しい古道。おそらく現在のよこやまの道を横切って通っていたと思われる。案内板の解説には多摩市のホームページにあったパンフレットに少し詳細な内容が付け加えられている。道のあちこちにこのような案内板が立てられている。ゆっくりと読みながら進むのも悪くないがこの季節、立ち止まっていると必ず蚊の襲撃を受ける。
小田急はるひ野駅からアプローチした場合はこの付近でよこやまの道に合流することも可能。
防人見返りの峠から西方向を望む

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おなじく北西方向を望む

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手前は永山団地。多摩センター方面(だと思う)、向こうは奥多摩秩父の山々。団地といまいる場所の間に南多摩尾根幹線道路が通っている。

防人見返りの峠から丹沢方向を望む

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防人見返りの峠とは、古代、防人の役に命じられた人が赴任するにあたって、ここで見納めとなる故郷の風景を見返り、目に焼き付けた場所、といった解説があった。ほんとうかなと思わないでもないが、眺望のよい場所であることは間違いない。

防人見返りの峠の先から防人見返りの峠を見返る

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中央の小高い場所が防人見返りの峠。

分倍河原合戦と県境の尾根」の案内板付近にて

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多摩市のパンフレットを引用すると「鎌倉幕府滅亡の戦で知られる分倍河原の合戦前夜、幕府軍北条泰家軍二十万騎の大軍勢はこのよこやまの道の尾根で息を潜めて一夜を明かしたと伝えられています。」

尾根の南側・町田市側の風景

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これまで尾根の南側は川崎市麻生区だったが、このあたりから町田市となる。そしてこのあたり「古道五差路」の案内がある。古代鎌倉街道の脇道や周辺の村々に通じる道が分岐していたらしい。そしてこの先現代の鎌倉街道都道18号府中町田線にぶちあたる。

鎌倉街道交差手前、中央卸売市場付近

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現代の鎌倉街道に近づくと林の中の緑道は途切れ、一般道を歩くことになる。案内標に従って坂を下ってきたらダンプカーもとおる往来へと導かれてしまった。

現代の鎌倉街道都道18号を立体交差の歩道橋で渡り、反対側へ出ていくと案内標があって再び緑道へと導かれるが、鎌倉街道手前で坂を下りてきた分だけまた上り返す。

鎌倉街道の歩道橋先にあった解説図。(写真をクリックし拡大して見てくださいませ。)

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坂を上り返したと思ったらすぐに下りになり、お寺の霊園のまわりをまわってまた一般道に出る。出たところが鎌倉古道との案内がある。

鎌倉古道の案内があるあたり

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鎌倉古道かといえば、一般道。鎌倉街道上の道本道という解説があったが道はすでに存在しない。左奥は恵泉女学院大学の入り口。この道路に沿ってしばらくすすむ。

一本杉公園入口

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女学院前の道路をすすむとその隣が一本杉公園。ここをすすめとの案内標で素直にはいる。

一本杉公園入口付近の風景

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一本杉公園その2

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入ってきた東側の入口の近くには古民家が移築されて開放されていた。最近東京都の公園には古民家を移築して内部を開放している場所がたくさんあるがここもそのひとつ。

この公園内も起伏がある。しばらく行った先でスロープと階段を上がると一般道にもどるが、その先野球場などがあり、人がたくさんいた。

一本杉公園を過ぎると一般道のすぐ脇がせまい緑道になっている。一般道との間には数メートルの崖があって柵で仕切られている。緑道の途中からは奥州古道の跡ということだったが当時の道が残っているわけではない。古道と歴史の雰囲気を察しながら歩け、ということだろう。なるべく雰囲気を感じとろうと集中していたが、はたしてラグビーキヤノンイーグルスのグラウンドなどがちらりと見えた。これは邪念だろうか?

都道156号町田日野線を渡る中坂公園あたりでよこやまの道はわかりにくくなる。くるくるとあちこちの角を曲がり工事現場の裏手みたいな場所に出てくる。そこからしばらく一般道を歩くと前方がゴルフ場となる。

クラブハウス近くのY字の歩道橋

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尾根幹線道路とゴルフ場の間のせまい場所を通るとクラブハウス近くにY字橋があった。橋が写真の正面の先で二手に分かれている。手前側はゴルフ場のクラブハウスだし、あまり通行量は多くなさそうだが。その先多摩鶴牧6丁目の交差点まで尾根幹線道路のすぐ脇を歩く。なんでもこのあたり、ゴルフ場が最初にあってその後多摩ニュータウンが開発され、最後によこやまの道が設定されたのでスペースがないのは仕方がないようである。

多摩鶴牧6丁目交差点から多摩市立温水プールの裏手を通るのだが

多摩市立温水プールアクアブルー多摩

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とても景気のよい頃につくられたものではないかと推測してみましたが、どうなんでしょうか?リゾート地のホテルみたい。

町田市小山田緑地への分岐付近から町田市方面

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振り返って多摩市側

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町田市側がこの風景なのはわけがあるのだけれど(後で書きます)、なんだか100年くらいタイムスリップしちゃったような感覚に。

煙突とガスタンクの先は小田急線の車庫

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向こう側からみると唐木田駅の奥、になる。

手前右側、大妻多摩中学、高校(たぶん)、奥はKDDI

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その脇を歩道が通っている。左側の町田市は林だったり畑だったり。このあたりも左と右で風景が極端に違う場所。

正しいよこやまの道を示す写真

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KDDIの先で幅の広い一般道が右に折れて坂を下っていくが、これはよこやまの道ではない。正しい道はこの先幅せまし、すれ違いできませんなんて書いてあるほうへ進む。突き当たった行き止まりのような、この写真の場所を右に折れると車両進入禁止の柵のある未舗装のせまい道がある。

余計だが、ここを左折すると幅2mしかない都道がずっと続く。しかも一方通行じゃない。標識の下に「通り抜けできません」宣言されている。でもぽつぽつと出入りする車を見かける。

CGのような建物

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CGだったりして。妙な浮遊感におそわれる。

CGの先は自動車学校を下に見ながら林のなかをしばらくすすむ。そして正面に現れるのが

唐木田配水所の配水塔

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多摩市のパンフレットではここがよこやまの道西端となっている。

よこやまの道西端部の尾根幹線道路へ下りる道(右)

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左側には歩道が続き、鶴見川源流、南多摩斎場方面に行くことが可能。かつて鶴見川を遡上したときは源流をみて、左奥のみちをこちら側に出てきた記憶がある。

ここまで何枚かの写真で示したが、多摩市側がニュータウンとして大規模に造成され住宅地となっているのに町田市側の風景が昔ながらのものだったわけは、鶴見川の源流にある。水源とその周辺一帯の環境保護のため、開発を抑制しているのである。しかも相当な広範囲にわたって保護対象地域になっている。なので両市の間の差がこれだけおおきかったのである。鶴見川水源保護のため開発の抑制が決まる過程には川崎市水道なども絡んでいて興味深い話もあるのだが、それはまた別の機会に。

よこやまの道西端の案内板

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いまは案内板の左隅が現在地。よこやまの道がここでおしまいになるのは、多摩市の尾根筋がここまででこの先は八王子市になるため。尾根筋も町田市と八王子市の市境に変化するが、そこに歩道は引き続きある。

それで町田市にはいって緑道の名前も変わるってわけ。ただここで直接尾根緑道へは行かずちょっと変化をつけて長池公園方面へ。なぞの陸橋がある。

陸橋のうえから尾根幹線道路南西向き

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陸橋の上から尾根幹線道路北東向き

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よこやまの道西端から尾根幹線道路を隔てて反対側はすぐ長池公園なのだが、そこへ渡る道も公園の入口もその近くにはない。600mほど戻るか900mほど進んで交差点を渡らないと反対側へ行かれない。ただ地図をみるとなぞの陸橋が存在することがわかる。この陸橋、道路の廻し方が意味不明なうえ、行ってみたら車両が入れないよう柵が設けてあった。陸橋に入り込むと完全廃道状態で道路一面つる草が繁り放題である。しかし路面はしっかりしていて2車線あり中央線も残っている。設備も速度制限の標識などもあるが、全体に金属部分は錆止めが効かなくなって錆が目立っている。そしてどこもかしこも草が繁り放題だ。

この陸橋部分は、尾根幹線道路ができる前の旧道の名残り。古くからこの陸橋を通る部分に道があったのだが、尾根幹線道路を整備するときに古い道がつぶされてしまった。ただこの陸橋部分は一時期多摩市側から工事をすすめてきた尾根幹線道路の終端となっていて、古い道路と接続しなければならなかった。尾根幹線道路はその先へ工事をすすめるため、古い道路のこの部分に陸橋を設けてその下を整備していまに至るということ。いまは新しい道路があればよいので陸橋が残されてしまったのである。地理院地図の古い(といっても多摩ニュータウンが開発されていく頃の)地図から現在までの地図で変遷を見ると一目瞭然。

草ぼうぼうの廃道を通ってしばらくすすむと長池公園の入口があった。

長池公園入口

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入口といっても裏口のひとつ。正面入口は公園の反対側の住宅地のほうにある。この入口にはよこやまの道へのアプローチガイドがつけられていた。例の陸橋を渡るところにも点線がひかれているので通行禁止というわけではないようだ。

長池公園のはしっこ

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この公園は端のほうを通らせてもらっただけで池などがあるメイン部分へは行っていない。ところで、この公園のなかでiPhoneの操作をしているときにGPSのログ取得を誤って停止してしまった。尾根緑道にはいってしばらくするまでそのことに気づかず、その間のログが取られていない。しかたないので地図上はあとで補間しておいた。(ログの再開し忘れ、しばしばやる。)

◆尾根緑道へ

長池公園を出て一般道をすすみ、団地のなかを通って尾根緑道へのアプローチへ

尾根緑道へのアプローチ

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(別にここへ回って来ず、起点から歩けば良かったかなとあとで思った。)

尾根緑道についての由来は下の写真のとおり。

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戦車のテストコースがこんなところにあったとは知らなかった。道理で公園の歩道にしては道幅が広い。十分現在の一般道路として使える幅がある。しかしなんでこんな丘の尾根の上にそんなものを作ったのだろう?

尾根緑道の一部(道幅の広さが実感できない写真となってしまった)

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小山内裏公園入口の案内板

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尾根緑道をすすむと小山内裏公園にはいる。公園内の歩道も元戦車道路。それが今回訪問したときはPokémon GOの聖地と化していた。この公園だけすごい人の数、自転車にスマホくくりつけて走り回るのは危ないのでやめてほしかった。

小山内裏公園の西側入口

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小山内裏公園の西側から西方向を望む

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左は鑓水小山給水所の給水塔。尾根筋は木々に覆われていないところはどこも景色がよい。

この尾根、町田市と八王子市の市境になっているが、ここまではおもに町田市が管理してきたふうの歩道や公園だったが、ここから先は八王子市が管理しているようである。歩道の名称も鑓水小山緑道となる。

案内板の管理者が八王子市になっている。

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途中で道を間違えて「絹の道」と呼ばれている歩道にはいってしまったが、引き返して鑓水小山緑道へ。上の案内板にも絹の道の表示がないし、せめて分岐点に案内がほしいところ。

谷戸橋にかかる歩道橋から

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正面にあるのは多摩美術大学の建物群。歩道はこの先国道16号線にぶつかるところまで続いているのだが、そこからは交通量の多い一般道を歩くことになり、迂回の脇道も乏しいようなので、この付近で離脱することにした。

町田市八王子市境

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ここで写真を撮ったらiPhoneはどちらの市と判断するか試してみたもの。八王子市鑓水と表示された。

入口

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八王子市からまた町田市にはいって公園の入口。大きな調整池を公園にした場所のようだ。

橋本駅

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このあたり町田市の幅はせまく、すぐに相模原市緑区となる。橋本駅相模原市にある。

本日はここでおしまい。18.7km歩いたことになっていたが、途中記録忘れ区間あり。