散歩の途中

散歩の途中で観察記録、その後少し調べて書くノート

谷地川を歩く 日野・多摩川から八王子戸吹の上流端へ

八王子市戸吹町、加住丘陵のいくつかの谷あいから小さな流れが集まり谷地川となります。丘陵の間にできた谷間をだいたい東南東の方向に流れ下り、日野市、八王子市境界付近で低地に出るとすぐ多摩川に合流します。
延長は12.9kmとされていますがそれほど長くなかったような、という川です。

いつもの川あるきと同じく下流からさかのぼって歩きます。

最初は多摩川JR中央線多摩川橋梁近くから

多摩川右岸の日野市側から、対岸は立川市
右端の樋門は日野用水の排水用でしょう。この周辺の低地にはかつて多くの水田があり、張り巡らされた用水路がいまも残っています。
背後多摩川上流側に谷地川合流点があります。

 

合流点付近

右側多摩川、左にほんのちょっとだけのぞかせているのが谷地川です。手前に向かって草の谷間があって右側〈見切れてますが〉で合流してます。近くには『多摩川右岸 海から42K』のポストがありました。

少しの間、谷地川は多摩川河川敷を流れてますがしだいに離れていきます。

 

多摩川河川敷の外側、背後に谷地川というところ、小さな崖が続いてます。(日野市栄町5丁目あたり)

この崖は昔の多摩川が削った跡のようです。

 

その近く、新旭橋上から谷地川下流方向

この付近の流れは1980年ごろの河川改修(流路変更)で造られたもの。それまでは少し西側(写真左側)を蛇行して多摩川に合流していました。ここの橋名が『新』旭橋というのも旧流路側にあった旭橋を受け継いだからでしょう。

右側住宅の並ぶ先の低地は1つ前の写真で崖が見えたところ。崖上の住宅、下の農地。ここから見ると谷地川が以前は右カーブして流れていたかのようにも見えます。

 

新旭橋から上流側

川を渡るコンクリートの箱、
寄ってみると

日野用水の水が流れてました。谷地川と立体交差、これは掛樋(かけひ、かけとい)というやつです。最近はパイプで水管橋として通してしまうことが多いですが1980年頃の改修でまだこの方法を採用したのですね。

1つ前の絵で正面に階段などが写ってますが日野台地の一番北端部分です。
谷地川は加住丘陵の間を流れ下って日野台地突端で沖積低地に出てきますが、まさにここが低地への出口です。

ここからは流れの両側を丘陵地で挟まれた細長い谷間をさかのぼります。

 

新旭橋から600mほど先、上流方向

右側が本流、左にもそれより細い流れがありますが改修前の旧河道です。元々の谷地川は丘陵の間を細かい急な蛇行を繰り返しつつ流れていました。1970年代頃より流路を直線化するなどの改修工事が続けられ、現在は上流の一部を残して工事は終わり、旧河道はだいたい埋められてますが、この場所のように別の沢水などがあって古い流路が残されていたり、埋立てた跡を緑道、公園とした「谷地川緑道」が整備されたりしています。

この付近は日野市からぬけ、八王子市石川町あたり。この先は上流端までずっと八王子市内です。

 

JR八高線線路手前

便数少ない電車が通過中。南北の丘陵の間を跨いでいるのでわりと高いところに線路が通ってます。

 

一直線の河道に改修された谷地川(左)と旧河道を整備した谷地川緑道の入口(右)

緑道入っていくと

旧河道を埋めて植樹、緑道整備。道はかつての蛇行していた流路。

 

こちらも旧河道、別の緑道

入っていく人もないようで踏み跡もないですが草刈りなど手入れはされています。〈持て余す空地と化している〉

 

国道16号八王子バイパス青木橋から下流方向

この付近も流れはまっすぐに改修済み、工事からはやや時間が経っていそうです。川床がさらに掘れて〈たぶん〉上総層群の地盤が露出してます。

 

青木橋から5~600m、新権水橋から上流方向(八王子市宇津木町)

左から小さな支流が合流してます。

あと500mくらいで左入橋交差点、八王子市内でも有数の交通量がある場所を通過します。谷地川は旧流路がその交差点下を斜めに横切ってます。

 

現在メインとなる改修後河道は無視して旧流路をたどります。

左入橋交差点付近旧流路(八王子市左入(さにゅう)町)

1990年ごろ新滝山街道建設時に谷地川も新しい河道が掘削され、現在こちら水の流れはわずか〈なのでこんな草むらに〉。前方はすぐ丘陵地。

 

新旧流路分岐点

正面向こうへ流れるのが新流路、先で新滝山街道が横切ってます。ここ以外にも付近は新旧流路が入り乱れています。

 

左入橋からだと1.6kmほど上流、高橋たもとから上流方向(八王子市丹木町)

フェンスがまっすぐのびる新流路、正面から斜めに旧流路が交差してこの背後へぬけてます。

古い河道のほうを上流へ行ってみると途中まで(から)埋められて公園になってました。

ちょうど埋めるのやめたあたり

ちなみに左側は加住丘陵の谷地川をはさんで南側の丘陵地、上に見えるのは創価大学の建物。一方北側の丘陵上、この付近には戦国時代に築かれた滝山城がありました。その城跡は現在国史跡で滝山城址公園として整備されてます〈が自分はまだ未訪問〉。

 

また本流へ戻ってさかのぼり、約1㎞
勝手神社橋の上から上流方向(八王子市加住町)

変わった名前の神社はこの左背後。

この橋前後から河川改修工事中の範囲。でも工事の進行状況はまだら模様、さすがに水の流れは繋がっているようでしたけど。

 

こちらは改修工事前の谷地川風景

流路直線化前の様子。蛇行を繰り返してます。

 

鶴前橋

こちらは古い橋ですが、奥では新しい河道が掘削済みで新しい橋もすでに架かっています。

こんな感じで進む八王子市宮下町付近でした。

 

ほどなく谷地川源流のある隣りの戸吹町に入ります。

さらに上流ですが、
無量寺橋上から

このあたりだけ改修工事完了。

一応これより上流は工事予定有無も不明。

小さな支流が合流、落合橋手前から

もう少しさかのぼると流れは滝山街道(国道411号)沿いに出ます。

 

そのまま1㎞弱で上戸吹西交差点、そこで滝山街道から離れて山間いへ入っていきます。

古い小さな橋の上から

流れは細くなり、もうすぐ上流端標識のある2つの沢の合流点です。

 

下流方向を見てます

 

上流へ少し進むと
谷地川上流端

橋を渡る流れと右手前からの流れが合流するところが谷地川上流端に定められました。
この形の標識は八王子市独自のものですね。〈裏側は漢字で「谷地川」と書かれてます〉

 

上流端の先にも流れはあるので少しだけ辿ってみました。

橋を渡るほうの流れの400mほど先

地図で見ると源流まであと500mくらいですがいろいろ不明瞭のため写真はここまで。

 

もう一方の先は水のよく見えるところがなく、まわりの様子だけ

左の暗いところ、下を水が流れています。
標識から200mくらいですが、先が私有地のようだったので追跡はあきらめました。

 

帰りは滝山街道まで戻り、加住丘陵を北側へ越えて秋川へ出ました。

圏央道あきる野IC付近です

 

秋留人道橋を渡り終えて加住丘陵をふり返り

手前側は秋川の河川敷。

圏央道新滝山街道は加住丘陵の下をトンネルでぬけてきます。ちょうどその上が谷地川の源流域となります。