旅行3日目になります。この日はボルドーワインを堪能するため、ツアーに参加しました。
ボルドー周辺のワイン生産地とシャトーを効率よく巡るには車が欠かせませんが、運転手はワインが楽しめません。ちょっと敷居の高そうなシャトーを訪れるのに、一見さんでもありますし、ツアーに参加して案内してもらうのがよいのかなということで、今日は一日ワインツアーです。
最初はサン=テミリオン(Saint-Émilion)を訪れます。
サン=テミリオンはボルドーから東へ約35㎞、ボルドー右岸と呼ばれる代表的なワイン生産地域であり、ここで生産されるワイン、町の歴史地区や周辺の景観は世界遺産に登録されています。
いきなりサン=テミリオンの丘の下
シャトー・オーゾンヌ(Chateau Ausone)のブドウ畑
上にシャトーの屋根がちょっと見えてます。
この畑からできる”シャトー・オーゾンヌ”はサン=テミリオン地区の最高クラス、第1特別級Aに分類された別格扱いのワインになります。
滅多に行く機会もないとはいえ、それでは記念にご購入ともいかず、畑と、将来すごいワインになるのだろうブドウの房を眺めるばかりではあります。
ちなみに上へと続く道は作業通路です。(そんなことは書かなくてもわかる)
道路沿いにAUSONEの文字が刻まれた、ポストのようなものが立ってました
畑の向こうの崖は石灰岩、畑はその石灰岩の混ざった土で石ころもごろごろしています。麦や野菜をつくる肥沃な土壌とはいえないでしょう。
ブドウの木と地面の様子
木は丈を低くし、実は土や石の熱を受け取りやすくするため地面近くになっています。
まず大御所ブドウ畑を見て、丘の上にあるサン=テミリオンの町の中心部へ立ち寄りました。
町の地図
丘の上に開けた町はこじんまりとしています。個々の建物を描いても1枚におさまってしまうほどです。
中央部にあるモノリス教会上部の展望台からの眺め
町にはまた戻ってくるのですが、まず最初のシャトー見学をします。
案内されたのは東に5,6㎞行った、やはり丘の上にあるシャトー・ド・プレサック(Château de Pressac)。
その手前側から、シャトーなので、城壁ですね
たしか16世紀頃に造られたものと言っていたかと。
こちらが入口
すなおに中に入らず、周囲のブドウ畑を
丘の上側の畑
斜面の畑
斜面下、右端にみえる木立の向こうもこのシャトーの畑だそうです。といっても見渡す限りブドウ畑なのでどこまでだかよくわかりませんね。
中へ入って真正面から
門付近の壁は16世紀ごろと言っていましたが、こちらはそれより後に建て直したものです。
この位置からの絵はファーストワイン(Premier Vin de Château de Pressac)、2010年産までのラベルに描かれています。
こちらではとても気さくでフレンドリーなガイドの方に中を案内していただけました。見学は積極的に受け入れているようで、ネットでもこちらの体験談をいくつか見ることができました。
内部の写真もOKということでしたので
収穫したブドウを最初に発酵させるコンクリートタンクが並ぶ通路
前面に窓がついているそれぞれが個々のタンク、階段上の部屋から各タンクに圧搾したブドウを入れてしばらく寝かせ、沈殿した不純物はタンク下部から流し出すそうです。
コンクリートタンク内部
窓から中を覗いてる、の図です。
タンク内は空ですが、濃厚なワインの香りが漂っていました。
ワイン発酵にコンクリートのタンクを使うことについて、ステンレス容器の出現で一時期は主流でなかったものの、最近再びメリットが見直され、使用するワイナリーが増えてきているそうです。
コンクリートは微かな通気性があってワインが呼吸でき、熱が伝わりにくいので外気温の影響を受けないことがよいそうです。
一定期間コンクリートタンクでアルコール発酵させたワインは、次に木樽に移され、また所定期間熟成されます。
木樽が並ぶ部屋
新樽か使用済みか、どの樽メーカーのものか、熟成期間は、といろいろ細かく条件は分かれているそうです。
またこの部屋は気温、湿度が厳重に管理されていて、温度は15℃くらいに下げられていました。時々エアコンからは霧状の水が噴き出し、加湿もしてました。
瓶詰め工程などは見られませんでしたが、この後は試飲です。
試飲用の部屋へ移って、こちらの製造される3種類の銘柄を味わいます。
ワインをいただきます
左がファーストラベルの"Château de Pressac 2011"、サン=テミリオンの特別級クラス(Grand Cru Classé Saint Emilion)
真ん中はセカンドラベルの"Château Tour de Pressac 2014"
右は少量つくられているロゼ"La Rosée du Château de Pressac 2018"、冷蔵庫からよく冷えたものが取り出されて提供されました。
もちろんおいしいのですが、赤ワインは2011年でもまだ若い感じ。10年以上、20年くらい置いて飲むとよいよとのアドバイスがありましたが、さすがに”飲みたい”という欲望も含めて、そんなに長く保管しておける手段を持ちあわせておりません。
再び正面の庭から
そしてまたサン=テミリオンの町へ戻り、町なかを散策します。
こちらも世界遺産に登録された街並み、どこから見ても絵になる風景です。
歩いた順番は無視してランダムに、ちょっと酔いしれてます。
昔の共同洗濯場の横からモノリス教会の鐘楼を望む
この場から左へ90度向きをかえると
洗濯場です
湧き出した水がためられています。
左上に少し写っているのが”王の塔”。
これも遠くからですが、王の塔
内部のらせん階段を上がって塔の上に出ることができるようです。時間がなくて行けませんでした。
坂道の途中からモノリス教会の鐘楼
すでに何回か出てきた尖塔です。塔の下にはじめに立ち寄った展望台があり、その下にモノリス教会があります。
モノリス教会は町のツアーでないと中に入れないようで、こちらも見る機会はなく、入口前にも行くことを逃してしまいました。
モノリス教会入口近くの広場は昼時になるとこのとおり
なので先ほどの展望台から、教会入口裏側あたりをなんとなく
この真下にあたる地下に8世紀に修行僧であった聖エミリオンが洞窟を掘り、彼の死後弟子たちがさらに石灰岩をくりぬいてつくったモノリス(一枚岩)の教会があります。
石畳の坂道
右端、濃い緑の外装の店はワインショップ、場所柄ワインを売る店はたくさんあります。名前だけは聞いたことのあるワインや、名前しか聞いたことのないワインもたくさんあってめまいがします。
その隣りの真っ赤な店はボルドー界隈あちこちで見かけた、カヌレを売る、チェーン店なのかな?
ワインの製造過程で、澱引きをするときに卵白を大量に使用し、余った卵黄を使ってつくったお菓子がカヌレなんだそうです。
あるお店の前扉に貼られていた地図
ボルドーワイン産地を細かく記載した地図、これ、ほしかったんですけど入手できませんでした。
ちょっと歩くとすぐに町外れ、そしてブドウ畑が広がります。
元々教会だった壁、の内側もいまはブドウ畑
14世紀にあったドミニコ会派の教会が百年戦争時に破壊された跡なのだそうです。
そして最後に聖エミリオン・コレジアール教会(Eglise collégiale et son cloître à Saint-Emilion)を覗いてきました。
内部
モノリス教会にほど近く、間にある鐘楼はどちらの教会のものかわからないくらいです。12世紀の建築、モノリス教会に代って現在通常の礼拝、行事などを執り行っています。
中庭に面した壁の絵
中庭の一部
後方から見たコレジアール教会
左はモノリス教会の鐘楼。
美しい景色とワインの両方に酔ってますが、ツアー参加中でした。
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