リヨンの街歩き(3) 3つのフレスコ画とクロワ・ルースの丘など 2025年フランス旅行記 その4

フランス・リヨンの街を歩いています。

お昼の食事にゆったり時間をかけ、午後は旧市街からソーヌ川沿いに出てきました。

正面奥に見える2つの塔とファサードはサン・ニジエ教会(Église Saint-Nizier)

対岸に渡ったところからもこちらは前を通っただけで中には入ってません。
お昼にワインなどいただきましたし、こういう神聖な場所は「不許葷酒」かな..とか⁇

 

ソーヌ川沿いの公園からクロワ・ルースの丘方向先に見えるフイエ橋まで行く途中、川沿いの通りの建物に大きなフレスコ画が描かれています。
フレスコ画(fresque)というより、日本語では「だまし絵」と表現されていますが

 

Fresque La bibliothèque de la cité「街の図書館のだまし絵」と言ったところでしょうか

 

👆は1階部分が中心ですが、建物の壁面全体が図書館、本のだまし絵になってます


建物角から


そこからソーヌ川沿いに3~400mさかのぼったところ、もうひとつのフレスコがあります。

ごく近くから


壁面全体


通りに面した下の階を中心に


側面

こちらは"Fresque des Lyonnais"、そのまま「リヨンのだまし絵」です。

リヨンに所縁のある30人の著名人が描かれています。(そうじゃない人も描かれているので30人以上の人物がいます)

特に有名と思われるのは

(下の方の階を写したものから)通りに面した店の前にコック帽で姿を現すポール・ボキューズ、2階の右に映画を発明した「映画の父」と言われるリュミエール兄弟
その上3階右から2番目にサン・テグジュペリと星の王子さま、そのひとつ左の窓にギニョール人形劇の生みの親ローラン・ムルゲ、そのまた左にアンペールの法則を発見した物理学者アンドレ=マリ・アンペール

(建物側面の絵では)3階で織物を広げている、絹織物のデザイナーでジャカード織機を開発したJoseph Marie Jacquard(ヨセフ・マリ・ジャカール)、2階の左隅〈ちょっとサイズ大きめの人〉は映画監督のBertrand Tavernier(ベルトラン・タヴェルニエ)です。

建物の上のほうの階に描かれているのははるか昔の人のようです。

説明板あったので見えないかもしれませんが出しておきます〈よくみると26は欠番ですね何があったのでしょうか..〉

 

これはおまけの1枚側面のいちばん下部分です。

もうひとつのフレスコはクロワ・ルースの丘を上がったところにあります。
少し距離があるので往きはメトロを使いました。

駅への途中通ったところ

Place des Terreaux(テロー広場)
左に噴水、右正面はリヨン市庁舎(うしろ側)この広場にはのちほどまた戻ってきます。

 

リヨン市庁舎正面にまわったところ


市庁舎に相対する形でリヨン・オペラ座のファサード

2つの建物の間にメトロの駅入口がありました。

 

クロワ・ルースの丘へあがり
フレスコ画"Le mur des canuts"(絹織物職人の壁)の前へ

クロワ・ルース地区は古くから多くの絹織物の工房があり、職人(canuts:カニュ)がたくさん働いていました。
現在は工房もほとんどなくなってしまいましたが、絹織物製品は今もリヨンの名物
というわけでフレスコには絹織物職人の壁なんていう名前がついているのでしょう。

 

このフレスコも建物の垂直な壁の一面に描かれているのですが、奥行きがとても豊かに感じられます。


建物の並びや店舗内部の奥行きなども緻密です

👇の中央は絹織物工房の一部を描いたもののようです。入口あたりのデザインは今風にアレンジしてあるようですが、中には古いジャカード織機がみえます。

このフレスコが描かれたのは1987年、その後絵はあちこち書き換えられているとのことです。
訪れたほかの2カ所のフレスコも描かれたのは1990年代、それほど古くはないのですね。

 

フレスコを見た後はカニュ通りを南へ。周辺は台地の上でそれほど傾斜はありません。
わりと新しい建物も多く、リヨン中心部などで働く人のベッドタウンになっているのかもしれません。

クロワ・ルースの丘の南端、傾斜がはじまるあたりからは"Montée de la Grande Côte"(モンテ・ドゥラ・グランド・コート)という名前の長い坂道の歩道がテロー広場まで続いています。
現在は上部が公園などに整備されたいわゆる遊歩道ですが、中世のころにはすでに存在した道です。18世紀以降絹織物の工房がこの道沿いにたくさん進出して周辺は都市化、クロワ・ルースとリヨンの市街を結ぶ、人や物資が往来した重要な道路だったようです。

現在もこの道から横に伸びる形でかつての絹織物工房だった建物やその間を密かに結ぶトラブールが残っていてそちらも含めてユネスコの世界遺産ゾーン、観光名所となっています。

ちょうど丘の上にいるので坂道は下り、おりてみることにしました。

坂道上のほうから曇りがち、視界も少し遮られてますがリヨンの市街地、その周辺がみえます。

上のほうは公園として整備され緑が豊かです


途中からは古い建物の間を通っていきますこのあたり、交差する道路に入ればかつての絹織物工房だった建物を見ることができるはずです。

 

最後の階段の上階段下りたところは超せまい道でした。さらにまっすぐ行けば先ほども通ったテロー広場までもどります。

 

もどってきました


広場の噴水(バルトルディ噴水)を間近から噴水の作者は自由の女神像を制作したオーギュスト・バルトルディ

 

噴水の反対側はリヨン美術館です


次に広場から東へ歩いてローヌ川方向へ

とある道路のまん中現在は広い歩道ですが上を見ると架線があります。ここにはつい最近までトロリーバスが走っていたようです。

 

ほどなくローヌ川右岸に

前方に歩道橋、パセレル・デュ・コレージュ(Passerelle du Collège)を望む


渡って対岸の公園あたり公園に下りるのはその気になれば時間かからなそうです。
川の向こう側建物が密集するのはクロワ・ルース地区

 

ローヌも渡った東(左岸)側、しばらく行くと

またお会いしましたポール・ボキューズさん


道路反対側はポール・ボキューズ市場(LES HALLES DE LYON PAUL BOCUSE)正面入口です

この日はもう夕方近く。市場はすでに営業終了状態なので翌日午前中に改めて出直してくることにします。

 

そしてこのあとは「ハッピーアワー」、夕食と続くのですがたくさん歩いて疲れました。
またいったん休憩をはさみます。