散歩の途中

散歩しながら観察して記録してちょっと調べて書くノート

府中用水 その2 矢川、清水川

今回その2では、国立市内の湧水を源として府中用水に注ぐいくつかの小川をたどって行きます。

府中用水・関連地図

その1でも使用した地図にその2分を加えました。
写真を撮った位置を地図中にマークしています。マップ中のマークアイコンをクリックすると出てくる番号がノート内の写真番号になります。

川やその施設の名称は、くにたち郷土文化館編さんの「府中用水」(2001)に記載されたものを使用しました。

 

国立市の東側に位置する小金井市国分寺市には国分寺崖線という、古く多摩川の流れが削った長い崖の線があり、段差となった崖の下には豊富な湧水があることが知られています。
今回訪ねた国立市のいくつかの湧水は、やはり過去に多摩川が削ってできた立川崖線、青柳崖線の崖下に湧き出すものです。その湧出量は国分寺崖線下のものと比べても遜色ありません。
これらの湧水は小さな川となって近くの田畑を潤し、府中用水へも取り込まれてさらに下流側の田畑へと供給されていきます。
今回は農閑期に訪れたので、用水に多摩川から取り込まれる水は無く、湧水からの水だけが流れていました。水量は春夏と比べて少ないですが、水は透明で清らかです。

その1

miwa3k.hatenablog.jp

 

矢川

自然河川で、府中用水谷保分水に合流する矢川(やがわ)をさかのぼります。
最初に、川の途中にあった解説板です。
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矢川(谷川)
矢川は、立川市錦町の立川段丘崖下を源とし、矢川緑地保全地域一帯から湧き出る水を集め、甲州街道を横断して府中用水の支流に合流する、長さ約一.五キロメートルの小川です。合流するところを「矢川おんだし」(おんだしとは押し出しの意)と呼んでいます。
名称については、古くから矢川と谷川の二つの説があります。寛政十二(一八〇〇)年の『谷保案内(やほあんない)』には「古き池こそ諏訪の淵、三家に久保に橋場こそ、流れも早き矢川とや…」と詠まれ、川の流れが、弓から放たれた矢のように早いと表現されています。一方、明治十三(一八八〇)年の『谷保村誌』の解説には、谷川、谷川橋と記載されています。
矢川の豊かな水に小魚が泳ぎ、トンボや野鳥がたわむれる自然環境を、これからも皆さんで守っていきましょう。
平成二十三年七月 国立市教育委員会

府中用水谷保分水との合流点、矢川おんだし
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向こうから2本の川がこちらへ流れてきて合流しています。右側が矢川です。
左側はママ下湧水から流れてくる清水川で、こちらはのちほど取り上げます。

手前を左から右へ流れるのが府中用水が谷保堰で分けられた谷保分水です。訪ねた時は多摩川の水を取水していない時期だったので、谷保分水にも水は流れていませんでした。左端にも水が見えますが、これは2つの川から流れ込んでくる水量が多くて逆流、というか上流方向にも入っていったため、一見流れてきているように見えていますが、もう少し上流へ行くとただの水たまりになっています。
府中用水本流と谷保分水の様子は「その3」あたりに書く予定です。

矢川、清水川の向こう林になっているところは崖が横にずっと長く延びています。青柳崖線です。
ちなみに崖の上面を青柳段丘面と呼び、下は多摩川の氾濫原(いちばん下の面)です。段差が青柳崖線です。階段を連想すると分かりやすいと思います。

矢川をさかのぼるには、まず青柳面へ上がります。段差は7~8mなので大したことはありませんが、すぐに川は滝乃川学園という障がい者施設の敷地を通過しているので、そこへ入るのは遠慮しました。

学園前の道路に架かる橋から上流側
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茶色く写ってますが、水は澄んでいます。流れも速いです。

甲州街道都道256号)を越えて北側の住宅地から
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川との間に柵はありません。右は歩道のように見えますが車も通ります。
JR南武線矢川駅にも近い場所です。

国立第六小学校前の流れ
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小学校の南側と西側の縁を廻るように川が流れ、親水公園風の「矢川いこいの広場」になっています。

こちらは住宅地の中ですが自然の川のよう。
清流、水量豊富
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少し上流に行くと矢川緑地になります。矢川緑地は矢川を中心に雑木林と湿地帯が広がり、東京都の緑地保全地域に指定されています。緑地の北側が立川崖線の段丘崖になって、崖下からの湧水があちこちに見られ、湿地となり、水は矢川の流れを形成します。ここの湧水は「東京の名湧水57選」に選ばれています。

矢川緑地を流れる矢川
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左側一帯は湧水による湿地になっていて、その水も矢川へ流れ込んでいます。

緑地の西側には「みのわ通り」が横切っています。その通りには緑川の暗渠が通っていて矢川と水の立体交差ができています。そのことは”その1”でも書きました。

みのわ通り下をくぐりぬけてきた矢川
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みのわ通りの上流側、矢川弁財天裏側の矢川(その1の再掲)
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矢川緑地のすぐ西側になります。矢川はすぐ先で暗渠になっていて、これより上流側の流れは見ることができません。
この先西の方、立川崖線沿いに流れがあって、源は都立立川高校付近だということで、みのわ通りからの距離はまだ1キロくらいあるようです。

 

ママ下湧水と清水川

再び「矢川おんだし」まで戻ります。
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右向こうから来る流れ、奥側、玉石護岸の方がママ下湧水からの清水川(しみずがわ)になります。川といっても数百メートルの長さしかありません。

森のところで左に折れ、向こうに見える道路、橋の下をくぐるとその先がすぐにママ下湧水と呼ばれる場所です。

その橋の上から
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下に見える小さな流れが清水川、橋の名前は「ママ下橋」です。

「ママ下」については近くに解説板があります。
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青柳段丘とママ下湧水
このあたり一帯には、高さ八メートル前後の段丘崖が連なっており、北側には青柳段丘が、南側には古来多摩川の氾濫原であった低地が広がっています。
がけのことを地方名で「まま」とも呼ぶことから、ここから湧き出る地下水を、ここでは「ママ下湧水」と呼んでいます。昔からこの一帯は豊富な湧水群で、昭和初期までは、わさび田が見られました。
平成二年三月  国立市教育委員会

解説板の絵、中央がママ下橋が架かる、段丘崖をあがる道だと思います。一帯の崖下がずっと湧水群になっています。

ママ下橋付近、先ほどと反対側
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ここは「ママ下湧水公園」になっています。公園の注意書き項目に「野菜以外は洗わないで下さい」とありました。

ママ下湧水の清流
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この湧水も「東京の名湧水57選」に選ばれています。

竹垣の向こうに湧き出し口があります
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正面から
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水はうす暗い場所から音もなく湧いています。

別の湧き出し口近く
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右奥に湧き出し口があり、こちらへ流れができて合流しています。先ほどの場所よりは水量は少ないようです。

下流、矢川おんだしへ向かう流れ
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このあたりも崖の下には水の湧いている場所がいくつもあります。

 

下の川上流側・城山支流

下の川の記事については「府中用水その4」へ内容を移しました。