散歩の途中

散歩の途中で観察記録、その後少し調べて書くノート

府中用水 その5 新田川、雑田堀

今回は府中用水本流(市川)から分岐する新田川(しんでんがわ)と雑田堀(ぞうだぼり)を取り上げました。

今回も地図には写真を撮った位置をマークしています。マップ中のマークアイコンをクリックすると出てくる番号がノート内の写真番号になります。

府中用水その5

 

新田川

府中用水本流(市川)と府中市日新町1丁目、NEC府中事業場と南武線西府駅の間あたりで分岐し、本流より南側を流れています。多摩川から取水していない農閑期には、各所の湧水から集まった本流の水はすべてこちらの川へ流されています。

前回その4では分岐点から本流(市川、第2都市下水路)を追って府中本町の方へ歩きましたが、今回はもう一方、新田川を歩きます。

私、名称は「にったがわ」だと思い込んでいましたが、府中市のホームページには

ちなみに、「にったがわ」と思っている方もいるかもしれませんが「しんでんがわ」と読みますので、ご注意を。

わざわざ…。分倍河原古戦場など新田義貞ゆかりの地にあるというのにちなんでないのですね。

元へ戻ります。

NEC府中事業場正門付近
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上流方向を向いてます。右側が緑道になっています。新田川は暗渠で、その水の一部を地上に流しているとのことで、ここに見える水は川を流れる全量ではないです。また、暗渠を流れる水は「第4都市下水路」の名称を授かっているそうです。

この後ろ側へ親水緑道風になっています。
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一部分だけ切り取るとこんなところもありますが、単に下草枝葉が伸びすぎているだけです。

府中街道を交差するところで一旦水面が見えなくなります。

その手前で
本宿用水との合流点
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どちらの水路も暗渠でわかりませんが、向こう正面から来る新田川(第4都市下水路)に、止まれ標識の左から本宿用水が合流しています。

本宿用水も府中用水同様、農繁期(5月から9月)だけ多摩川から取水される農業用水です。取水口は国立市泉2丁目、石田大橋のすぐ下流側にあり、府中用水本流のすぐ南側を並行して流れ、付近の田畑に水を供給しています。
今回はここの合流地点付近を少し辿りましたが、すべて蓋をされた暗渠、あちこちに今は使われているのかわからない分水路がありました。詳しく記録はしていません。

府中街道を越えた先の緑道
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中央道高架下で一瞬流れが顔を出します。
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No.120の緑道が中央道に交差する位置とずれたところ(分梅町4丁目交差点付近)なのですが、この付近は元の新田川の流れとその後整備された第4都市下水路の流路が異なるためということです。溝が2つ見えるのは前方建物の手前で堀が分かれるためです。

この2つの流れはしばらく並行し、元の新田川の流路へ戻って流れ下ります。
分梅町4丁目付近の緑道。この付近をNo.121で見えた2つの流れが並行に下っています。

> 122   1本目の流れ(上流方向を向いて)

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ちょうどこの場所、分水口になって左側へも分流がありました。

2本目は右側フェンスに沿って流れています。
> 123   2本目の流れ(下流方向を向いて)

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下流方向へ進みます。

1本目の流れが鎌倉街道都道18号)と交差
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水量もわずか、流れの上は蓋をされていますが立派な橋(大棚橋)が架かっています。こちらの支流はこの先辿っていません。

新田川緑道は2本目の流れに沿っています。そちらは鎌倉街道を渡ってすぐに分梅公園に入ります。
入口近くに分倍河原古戦場跡の石碑があります。そちらは鎌倉街道を歩いたときに記録しました。

鎌倉街道を歩く 上道その4 乞田から国分寺 - 散歩の途中

その碑の後ろ側が自然の川原風になっています。(突然桜が咲きますが気にしないでください)
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公園内のしょうぶ池付近
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公園から少しそれた住宅地で、分水堰の様子
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このように堀はいくつもの支流に分かれていきます。

分梅公園を出ると流れはまた暗渠となり、その上を新田川緑道が続きます。
下河原緑道との交差地点
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国鉄下河原線の線路跡と交差しています。

この後ろ側でサントリービール工場の裏側へ出て来ると、北側から雑田堀の開渠が現れます。
少しの間並行しますが合流はしません。新田川は暗渠ということもありますが、2つの流れが再び離れる場所にこんなものが現れてます。

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暗渠の下ってこんなふうになっているんですかね。なんで地上に現れちゃったんでしょうか。
向こうの建物はサントリー武蔵野ビール工場、その手前は雑田堀が開渠で流れ、工場の敷地内へ入っていってます。そちらはのちほど。

この背後へ再び”ちゃんとした”暗渠となって府中市郷土の森公園の敷地へと入っていきます。新田川緑道も公園の敷地へ入ります。
郷土の森正門前付近
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ちょうど歩道の下あたりに暗渠の水路が通っているようです。この付近で水路は分岐し、一方は是政排水樋管から多摩川へ放流され、もう一方は東方向へ流れて、さらに東へ流れて行く二ヶ村用水に接続されています。後者がオリジナルの流れです。

最近できた方の水路をたどって行きます。と言っても水面が見えないので、正確にはどこを流れているか分かりませんが、水路はいつの間にか多摩川の堤防の下をくぐって河原へと出て、郷土の森公園テニスコートサッカー場の間にある樋門で姿を現します。

是政排水樋管
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多摩川への放水路
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あちこちで分水していたわりに多摩川へ還る水量が多いように見えたのですが、もはやどうなっているか詳細はわかりません。

二ヶ村用水へ流れて行った分はまた別に追うことにして、新田川(第4都市下水路)はここまでです。

 

雑田堀

府中用水本流である市川から、府中市分梅町2丁目、分量橋跡で分岐している支流になります。
現役の用水路ですが、農閑期は本流に水が流れないので雑田堀も空堀です。また、分岐点で本流は暗渠ですが、こちらは流れを見ることができます。(水が流れている期間だけですけど)

「府中用水その4」でも分岐点(No.109)の写真を載せましたが
堀に近づいてもう1度
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まずは南方向へ流れ出し、100mほどですぐに南東へ方向を変えます。その途中で早くも別の小さな堀に複数回分水しています。最初の分水口は10mほど先、堀の左側が欠けている部分です。
堀に沿ってはしばらく歩道があります。

流れが南東へ方向を変えたあたりです。
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右向こうの車道と歩道の間にあるのが雑田堀ですが、左の家と家の間にも小さな堀(跡?)があってこの真下あたりで合流しているらしきことに気づきました。

雑田堀はこの背後、50mほど先で京王線の線路と交差します。踏切などはなく、歩道も分断されています。

迂回して線路の反対側へ出ます。迂回している途中でもいくつかの小さな堀を見ました。この付近、以前は一面に田んぼだったのではないでしょうか。
京王線の東側へ出てきて
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向こうから来る流れは背後で府中第三中学校校庭南側を通ります。そこも歩道になっています。

雑田堀緑道、府中第三中学横
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堀は隠れてしまってますが、少し先で学校フェンスと歩道の間で顔を出します。途中にはポンプ小屋があって、水の需要の多い時期には雑田堀へ補水しているそうです。水、分けすぎて足りなくなるみたいです。

そこを通過すると中央道側道とかえで通りの本町西交差点近くへ出てきます。
かえで通り下でも2つに分岐する雑田堀
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右側草に隠れて分かりにくい方が雑田堀です。この先はしばらく暗渠となり、中央道の下を交差して進みます。左側は付近の田畑へ導かれているようです。

暗渠区間の雑田堀(府中市南町1丁目)
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鉄板がかぶせられています。

そしてサントリーのビール工場後ろ側へ出てくると流れが現れます。
雑田堀親水公園
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フェンスの向こう側は大量のビールサーバー用タンクですね。

この写真を撮った時も今回訪ねたときも堀に水は供給されていない時期だったのに、ここでは水があります。詳しいことは不明ですが、親水公園になっているためどこか近くで地下水をポンプアップしているのかもしれません。

この先で暗渠の新田川(第4都市下水路)が接近して並行し、雑田堀は開渠のままサントリー工場敷地内へ入っていきます。
工場敷地へ入っていく雑田堀
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時期的にまた春になってますがお構いなく。

この先は入って行けません。地図などで確認すると工場敷地内で暗渠となり、そのまま外へ出て工場東側道路の雨水管へ落とされているそうです。妙観堀(矢崎都市下水路)へ流れて行く水路もあるそうですが現在は使われていないとか。

そこで雑田堀は終わりになります。

 

その5はここまでです。