埼玉県を流れる入間川(いるまがわ)を歩きました。
入間川の源流域は飯能市西部(2005年まで名栗村だった地域)、秩父市や横瀬町に近い山中にあり、多くの沢を集めて通称名栗川として流れ下ります。飯能市街地近くで平地に出ると入間市、狭山市、川越市(一部川島町)を流れて、現在はさいたま市との境界近くで荒川に合流する延長63.0㎞、荒川支流最長の河川です。
歴史的に見ると中世以前には現在の荒川合流点付近からさらに東進して浦和、川口などを通り、草加から東京足立、葛飾区方向へ流れたり、川口から現在の隅田川へ流れていた頃もありました。
江戸時代になると荒川流路の付け替えが行われて入間川と合流するようになり、その後いくつかの変遷はありますが入間川荒川合流後の現在の流路が定まりました。
余談になりますが、以前古い入間川流路といわれる川跡を歩いて当時の痕跡が水路や普通河川として至る所に残っているのを見ました。たとえば
古い入間川の川跡歩き その6 鴨川から新川へ入り現在の入間川との接点まで - 散歩の途中
今回は〈現在流れている〉入間川を荒川合流点の下流側からたどり、あまり山の奥まで行く勇気はないので、とりあえず飯能市街地近くの飯能河原まで歩いた記録をまとめておくことにします。
最初は荒川と入間川の合流点を見に行くところから。
入間川荒川合流点よりやや下流の荒川右岸
堤防上の道路
前方はJR川越線荒川橋梁
前に荒川を歩いたとき、この堤防上などから遠くわずかに合流点を見ました。
今回はもっと近づいてみるために河川敷に下ります。
川越線の橋をくぐって水辺に近づいたら電車が走ってきました
ここはまだ荒川、下流方向を見てます
そこから上流側に合流点を確認
奥を横切る国道16号上江(かみごう)橋、左から入間川、右から荒川ともに奥からこちらへ流れて合流しています。
もう少し合流点に近づいて。ゴルフ場のクラブハウスとコースを結ぶ渡し船の乗降場付近から
左側の流れが入間川です。
2つの流れの真ん中に島のように見えるところ、先端(合流点)へは道がないようで、上江橋途中から下りる道も現在工事閉鎖中。あちらからいまのところ合流点には到達できません。
《渡船場》から堤防へ上がる道から下流方向
左端、林の向こうに渡船場、奥に見えるのは合流後の荒川、JR川越線橋梁など。
上江橋西詰、入間川右岸側堤防へ向かいます。
下流側から
上江橋は荒川と入間川、合流前の2河川を一気に渡り、橋長は1609.9mと長大です。
この橋の途中からも合流点を望むことはできますが距離はだいぶ離れてます。
上江橋の上流側は河川改修工事中で入間川右岸堤防上は歩行者のみの仮設う回路が設定されてました。
迂回路から上江橋方向(川越市古谷上)
真下を入間川の旧河道になる古川が流れ込んでいますが、そこを含めて大規模な工事が行われてます。車両、自転車含めて当分(2024年頃まで)通行できません。上江橋の影で暗くなっている河川敷の橋も仮橋。
上江橋から500mくらい
入間川堤防管理道、定常状態にもどりました
こちらは1200mくらい進んで入間川河川敷方向
堤防上管理道路より。手前から水面は入間川、対岸はゴルフコース、その向こうに荒川が並流していますが間に背割堤防が長く壁をつくって荒川の流れは見えません。
荒川と入間川は次の入間大橋付近まで並んで流れています。〈上空から見ないとわかりませんが〉
少しさかのぼって下流方向を見返して
上江橋から3㎞ちょっとで次の入間大橋です。
その数百メートル手前から。緑の濃い橋が入間大橋、その右薄い色が荒川にかかる開平橋(の一部)
入間大橋の上流側から(川越市中老袋)
見えているのは長さ314mの入間大橋、道路はその先すぐ長さ816m、荒川にかかる開平橋を渡ります。
この足元となる入間川右岸側は入間大橋から川越狭山自転車道がはじまります。県道でもある自転車道全長は22.6㎞あります。
また、入間大橋から上流に向かって川は西向きに方向を変えていき、荒川とはぐっと離れることになります。
しばらく入間川右岸の堤防上を歩きます。
堤防上は付近でいちばん高い位置になりますが入間川の流れは残念ながらほとんど見ることができません。
右側が河川敷(川越市上老袋)
河川敷は一面に低木の混じる草むら、さらに一段低い位置を流れる水面は確認できません。
こんな景色がずっと続きます。
入間川右岸5.6㎞(荒川合流点からの距離と同じ)ポストがあるあたりの河川敷方向
道がのびてます
一般道で、先に冠水橋の出丸橋が架かってます。
見てきます。
出丸橋(川島町曲師)
普通乗用車1台がやっと渡れる幅しかない、川の増水時には冠水する橋です。
でも1つ手前の入間大橋から2㎞以上離れて、通る車はわりと多いです。
橋の上から入間川上流方向
ようやく見られた水面
ですが狭い橋の上でうろうろしているのはドライバーからしたら迷惑でしかないでしょうね。
車同士譲りあって通る橋なのに
橋手前には幅員2.0mの道路標識たってました。
下流方向
周囲からなかなか見えにくい水面ですが、入間川は埼玉県入間、比企地方多くの河川をまとめて流れる川であり、このあたり水量はいつも豊富なようです。
堤防上の管理道路へもどります。
荒川合流点から6㎞地点
河川敷方向、相変わらずの風景。
ちなみに堤防外側はこの一帯川越工業団地となって工場倉庫など大きな建物が建て込んでます。
7㎞地点を過ぎると左岸側から入間川最大の支流越辺川(おっぺがわ)が合流します。
合流点付近からその下流にかけて左岸側河川敷一帯大規模な工事が行われていました。
草木ひとつ無くなった対岸の工事現場を望む〈が遠い〉
何の工事か調べてみると、2019年の台風水害をきっかけとした「入間川流域緊急治水対策」工事
入間川左岸ここから望める一帯は河道掘削、樹木伐採により水をスムーズに下流に流すための工事とのことでした。
もう少し上流から
こちらは入間川の農業用取水堰(菅間堰)のあるところ。対岸が工事区間内です。
ここも水辺に近づける貴重な場所だったので寄ってみました。
堰に近づき
下流方向と上流方向
越辺川合流点があと少し上流なのですが確認できずでした。
堤防上へ戻って8.0km地点
右が河川敷、左一段低いところを通るのが川越狭山自転車道(堤防てっぺんは管理道路の位置づけですがこちらも自転車走行は可能)。
正面を横切るのは釘無橋(県道12号川越栗橋線)、入間川と越辺川を一気に跨いでいます。
釘無橋上から流れの様子を確認しようと思ってましたが堤防からの連絡が悪くてあきらめ、次に架かる落合橋から見ることにしました。
釘無橋の上流側から
橋は入間川渡河部分だけが見えてます。その先越辺川を渡る手前、並流する2つの川の間に築かれた背割堤が見えます。
落合橋の手前、9.2kmポスト付近
河川敷はグラウンド〈に畑まじり〉、堤防外側を通っていた自転車道が河川敷へ導かれてます。〈ヘアピンカーブ〉
グラウンドの向こう土手の色が変わっているところが背割堤、その左に落合橋が通ってます。
背割堤の向こう側〈見えませんが〉この付近で越辺川に小畔川(こあぜがわ)が合流します。
落合橋の下を潜ってから橋の上へ
通る道路は国道254号(このあたり通称は川越街道)、ここ落合橋では入間川、小畔川、越辺川を一気に越えて橋長は562mあります。
橋上から入間川上流方向
このあとさらに残る2つの川を見てきますが、ここでいったん休憩します。
続き
入間川流路地図(荒川合流~飯能河原)