武蔵野台地を多摩川の流れが削ってできた崖、国分寺崖線、そこに通された坂道を巡って歩いています。
世田谷区の7回目、前回に続き成城を訪ねます。
今回はどんぐり坂、丸坂、お茶屋坂、ヘビ坂、病院坂の5坂です。
◆どんぐり坂〈どんぐりざか〉
成城3丁目の階段坂、路面は未舗装です。
崖上の道路から脇に入った先にありますが、入口がわかりにくいです。
坂の手前から
坂までのアプローチも未舗装です。
坂上から
右側フェンスに「どんぐり坂」と書かれた手製の標識?が掛けられています。
下りはじめるとすぐ右にカーブします。
下りはじめてから上を
道の片側には頑丈なフェンスが続きます。かつては個人の大邸宅、現在は{超豪華}老人ホーム敷地です。
なかほどから
さらに坂はゆるくカーブしていきます。
この坂道には「水道坂」の別名があります。坂の途中あちこちにマンホールがあるのと関係してそうです。
下まで残り3分の1くらいから
坂下から
坂を下りきると一般道に出ます。左は一般住宅、そのまた左には、なかんだの坂の上り口となる道が分岐しています。
どんぐり坂、傾斜は全般やや急で、登山道の階段のようです。長さは110mとのことです。
◆丸坂〈まるざか〉
成城3丁目の坂道。なかんだの坂とどんぐり坂の出会う坂下から、直線で100mほど南東側にあります。
急坂、坂の途中でクランク状に道が曲がってます。
坂下から
見えているのは道が折れるところまで、その先にも坂が続きます。
道が折れる手前から坂下方向
クランク部分上に向かって
同じく上から下を
クランクを越えた先、坂の残り部分
ほぼ坂上から振り返り
丸坂、全般とても急坂です。坂名標識などはありません。クランク坂という別名もあるそうです。
長さは130mとのこと。
坂探索中に2トントラックが果敢に突っ込んできましたが、クランクがスムーズに通過できずに難儀してました。
◆お茶屋坂(お茶坂)〈おちゃやざか〉
成城3丁目の坂道。丸坂から南東に100mほどの場所にあります。
世田谷区作成の資料で「お茶屋坂」「お茶坂」の2種類呼称があります。坂学会は「お茶屋坂」としており、それに倣います。
坂名は、この地の当主喜多見勝忠(江戸勝重)の茶室があったことに因んで、だそうです。
崖線を直滑降する急坂、まっすぐ直線ですが途中で道幅が変化し、車両の通行は下側のみ可能です。
坂下から
よく見たら道幅は2回変化していました。上へ行くほど細くなります。
道幅少し細くなるところから
ここからステージⅡ、まだ車の通行可能です。この地点で左へ分岐する道があります。
ステージⅢは車輌通行不可です
ここでも車輛は左折可能ですが、その先行き止まりです。そちらもかなりの急坂。
歩道入口から下を
坂上付近で
同じく坂上付近から下方向
道の左側は成城三丁目緑地です。この緑地内にヘビ坂、緑地反対端に病院坂があります。
お茶屋坂に坂名標識等はありません。この坂道自体は古く、明治時代の地図にも記載があります。
◆ヘビ坂〈へびざか〉
成城三丁目緑地内の道、というより通路です。
公園、緑地内の遊歩道などは対象外にするつもりでしたが、訪れてしまいました。
坂下の出入口がユニークだったのでレポートの価値はあると思います。
成城三丁目緑地、崖上からの風景
坂上から
下りていくと緑地の反対側からくる通路と合流します。
さらに下って
上方向も
緑地内のはずですが、下りていくと建物にぶつかります。
さらに階段を下りて建物の間を通りぬけます。
建物の間をぬけて前の道路から
ここがヘビ坂坂下、ということになります。
成城三丁目緑地入口でもあるわけですが…、これでは下から来たら気が付きませんね。
なぜこんな格好になったのでしょうか?
こちらに坂名標識はありませんが、緑地の案内図に「ヘビ坂」の名前が記されています。
◆病院坂〈びょういんざか〉
成城3丁目と1丁目境界の坂道。
坂名は明治から大正にかけて医療施設があったことに因みます。たしかに大正6年測図の地図を見ると、坂の近くに病院の地図記号が記されていました。
道は病院より前から存在しています。
逆光の坂上から
通りの名前は「成城通り」、道の右側から成城三丁目緑地です。
道は切通しとなって下りていきます。
途中から上方向
中ほどから下方向
坂の下方から上方向
道は下に向かって、はじめ右、次に左にゆるくカーブしています。長さは250mとのこと。
この付近の崖は傾斜が大きく高低差もありますが、切通しの坂にして道路の勾配をゆるくしています。それでもそれなりにきつい坂道ではあります。
坂を下りると世田谷通りとの交差点に出ます。
坂下から、正面左へ上がっていくのが病院坂
正面、階段が見えますが、上にある砧中学校へつながっています。
交差点背後へは多摩堤通りが延びていますが、そちらはすぐに野川を渡り、道は平坦です。
今回はここまでです。
最後に坂道マップ、今回分は25~29です。
世田谷区内、国分寺崖線のラインが地図に大体浮き出ました。