散歩の途中

散歩の途中で観察記録、その後少し調べて書くノート

仙川を歩く 野川合流点からさかのぼって上流端まで(その1)

東京都を流れる一級河川多摩川水系野川の支流である。「せんがわ」と称されることが多いが正式名称は「せんかわ」。

Wikipediaから一部抜粋するとこう書かれているが

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上の世田谷区標識は「せんがわ」と濁り、下、東京都は「せんかわ」になってる。
個人的には濁ると思っていた。調布市京王線仙川駅やその周囲の地名も「せんがわ」で、一般的にみても川の呼び名は、〇〇川と書いて「がわ」と言っていることが大多数だ。それに下流では川は濁るものである。
東京都が濁らないというなら仕方ないが、このノートでは世田谷区など下流域では濁る「仙川」、上流域はうぃきぺが正式名称という「仙川」を使用することにする。あ~つまり、かなでは書かない。

しょうもない前置きはこの程度にして、スタート。その1では三鷹市の野川宿橋まで進む。

仙川・足あと

仙川は世田谷区鎌田で野川に合流している。野川もその少し下流の世田谷区玉川(二子玉川)で多摩川に合流する。
東急線二子玉川駅から玉電砧線跡の歩道などを通って、仙川が野川に合流する地点へ2キロ弱。

合流点(2017/06撮影)

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手前が野川、向こう側から仙川が流れ込む。

仙川を渡っているのは多摩堤道路、架かる鎌田橋周囲はここ何年もずっと工事中。

miwa3k.hatenablog.jp

合流地点付近は河川改修工事中

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古い鎌田橋がまだ残っていて、工事車両の駐車スペースになっていた。この橋はこれからどうなるのだろう。

合流点から数えて4つめの橋
水神橋

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野川合流点から遡ること500m程度。かつての仙川はここで六郷用水に合流していた。

現在もその名残りで、六郷用水(現在は整備され、用水下流部分が「丸子川(まるこがわ)」と名を変えている)が橋のたもとで仙川から離れて東南の方向へ流れていくのが見られる。

仙川から離れて流れていく丸子川、水神橋脇から

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同じ場所から仙川上流方向を見る

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左側柵の向こうが仙川、右側が現在の丸子川上流側。丸子川は正面少し先で暗渠から顔を出すが、それより上流は仙川の護岸に沿って暗渠が続いている。
オリジナルの六郷用水の流れは現在、水神橋付近には存在しない。(埋め立てられている。)

東名高速道路付近

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水神橋から400mほどさかのぼった場所、ここも左仙川、足元は丸子川の暗渠。

記録を残し忘れたが、この付近に仙川の取水口があって、流れの一部は近くを流れる谷戸川、矢沢川の各上流へポンプアップで供給されている。
矢沢川は等々力渓谷を流れる川だが、実はここから「増し水」されているともいえる。(本来の目的は水質浄化)

大蔵運動公園西側崖下の親水施設(下流側を向いて)

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丸子川の源流になるものがこの付近、国分寺崖線の崖下湧水として見られ、その水を利用している。
右側住宅の手前が仙川。

大蔵住宅団地付近の仙川(世田谷区大蔵3丁目付近)

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この先成城付近からこのあたりにかけて、武蔵野台地から多摩川の流れる低地へ仙川が駆け下ってくるために意外に勾配が大きく、川の中にたくさん段差が見られる。

世田谷区砧7丁目、東宝スタジオ横を流れる仙川

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映画、TV撮影所の敷地が川の両側に長く伸びる。立派な桜並木が続く。

しばらく行き、小田急線高架下をくぐると成城学園の敷地の間を通り抜ける。
成城大学キャンパス内の池

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仙川の遊歩道から垣間見る。池のある場所はかつて仙川が蛇行していた名残りかなとか想像したら、「グラウンド造成の際に盛り土のため土を掘り、その窪みを利用して造られた人工池」と出てきた。

支流の合流(世田谷区祖師谷(そしがや)4丁目)

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右側車止めの向こうから、暗渠で支流が左側仙川本流へ合流している地点。その支流は祖師谷5丁目つりがね池公園からの流れに違いない。

大石橋から上流方向

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ここからほどなく祖師谷公園に至る。

祖師谷公園を流れる仙川

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広々した都立公園。川べりに下りられる施設もあった。

公園を北側へぬけ、駒澤大学グラウンド横を過ぎると
祖師谷中橋

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普通の人道橋、微妙な装飾は何かと調べたけれどもヒットしなかった。

宮前橋

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烏山小学校と給田(きゅうでん)公園の間にある橋。

京王線橋梁と仙川

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左側方向最寄りの駅が仙川駅。

京王線のすぐ向こうは旧甲州街道甲州街道が横切る。
甲州街道仙川橋

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甲州街道が世田谷区と調布市の境界。

白百合女子大裏あたりの仙川

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このすぐ上流に三鷹市の東部下水処理場がある。
そこから処理水が川へ大量に流れ出ていた

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問題ないのだろうけど、処理水の緑色がなにか毒々しくうつる。

調布市には仙川駅や仙川町という地名もあるが、市内を流れる仙川の距離は長くなく、すぐに三鷹市へと入る。

中央高速道の下をくぐり、天神山城址下(三鷹市新川4丁目)

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ちょうどこの左側に小さな公園がある。そこは樋口取水場といい、河床から湧き出る湧水をくみあげていて、その水を1.6km上流の仙川野川宿橋へと送っている。(取水場は特に大きな構造物は見当たらない。各種メーターのついた機器が1台置かれているだけ。)

後で出てくるが、野川宿橋脇にはここで取った水の出口があって、現在は実質その水が仙川を流れる最初の水となっている。
つまり現在はこの取水場が仙川の源である。

樋口取水場から7~800mさかのぼると新川丸池公園がある。ここに丸池という池があって、かつては豊富な湧水があったという。そしてその頃は丸池と周辺の湧水が仙川の実質的な源流であったということだ。
(記録を忘れてしまった。)
かつての丸池は昭和40年代に埋め立てられ、現在の池は平成に入ってから人工的に復活させたもので、水も地下からくみ上げたものを使用している。

丸池公園、池より上流側にて

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これより手前に現在の丸池と、あと勝淵神社がある。

東八道路新川大橋から上流側を望む

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3つ先の橋が野川宿橋となる。

前方の橋(半分は壁)が野川宿橋

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川幅がここから大きく変わっている。広くなった右側下部から水が噴き出している。

噴き出し口

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樋口取水場でくみ上げられた水がここから放流されている。

野川宿橋上から上流側

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現在はこの橋の下流側のたもとが仙川の実質源流。
”実質”といっているのは、一応これより上流にも川(というか空堀だが)が設定されているから。

その2では上流端まで追いかけて行く。