散歩の途中

散歩の途中で観察記録、その後少し調べて書くノート

平塚から渋田川を歩く

渋田川という川を歩いた。きっと有名な川じゃないし、付近に有名な名所旧跡もない、最近まで名前も知らなかった。
先日、花水川から金目川をさかのぼって歩いたときに、花水川(金目川)の支流のひとつとして渋田川があることをぼんやり認識した、というのが本当のところで、正直に言えば名前を知ってもそれ以上のことは分からない。

渋田川の源流は神奈川県伊勢原市にあり、平塚市を流れて鈴川、金目川と合流し、花水川(は金目川下流河口付近での別名)となって相模湾に至る、金目川水系の二級河川。このうち渋田川の名前が使われるのは源から正確には鈴川との合流点までとなる。

前もって地図で観察してみると、金目川がそうだったように、渋田川も相模平野の田園地帯を流れる川。きっと似たような風景があって、ゆったりと歩けるかなという期待で出かけてみた。

ちょっと前に歩いた花水川・金目川・室川

渋田川行程

渋田川の末路は金目川と同じ花水川河口、すでに河口付近は訪問済みなので、今回は金目川(花水川)との合流点付近から川をさかのぼる。

スタートはJR東海道線平塚駅

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前回、花水川河口まではバスを使ったけど今回は花水川の途中まで歩いてみた。意外に遠く感じた。

途中、旧東海道平塚宿付近で

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向こうの市民センター前では七夕飾りの取り外し作業中。平塚の七夕まつりは有名なのだけど、ちょうどお祭りが終わった直後で、メインストリートの商店街には資材がまだ仮置き中な日。

しばらく歩いて花水川の河川敷に出る。
川の土手ごしに大磯の名峰、高麗山(こまやま)

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高麗大橋の少し上流側に出た。花水川左岸、平塚市桜ケ丘というところ。
この日は朝方とても低い雲がかかっていて、平塚駅近くから高麗山をみたときは頂上近くは雲の中だった。ちなみにこの山標高は168m。でも雨を降らすような雲ではなく、しだいに晴れてきたので問題なさそう。

ここから川の遡上を開始。
花水川、遡上開始点近く

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以前金目川から室川へ歩いたときは対岸(右岸側)を歩いていた。

平塚大橋を越えて上流側

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川の左側、繁みの向こうすぐのところに金目川が流れているが、こちら側の流れとの合流点はもっと下流側。つまりもう金目川の合流点よりも上流側にきてしまった。でも2本の川の外側の堤防はこのへんまでは共用なので、もしも大量の水が流れればこのあたりも1本の川になってしまうということかな。ここより上流に向かって金目川とはしだいに分かれていく。
そしてこちら側の流れが渋田川のものなのだが、すでにこの上流で鈴川と合流していて、合流点より下流は鈴川と定義されているためここの流れは鈴川。ややこしいのでここまで「こちら側」とか言ってぼやかしてた。

玉川橋近くから下流を振り返って

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向こうにみえる橋は平塚橋、神奈川県道62号(平塚秦野線)が通っている。その向こうの山は高麗山から湘南平

玉川橋を渡って鈴川右岸に出てからしばらくさかのぼると鈴川と渋田川の合流点が見えてくる。
鈴川、渋田川合流

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左から鈴川、右から渋田川。このまま右岸にいると鈴川の方へ行ってしまうので遠くかすかに見えている橋を渡って渋田川のほうへ移動する。
ここまで花水川や金目川、鈴川だったりとややこしかったけどこの先は正真、渋田川。

新川橋上流から下流側をみる

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左側の住宅地は平塚市東中原2丁目あたり。右側からは川なのか用水路なのかよくわからない流れが合流している。(「川だけ地図」では川とされていないが、名前は「新川」という情報あり)

少しさかのぼると
両堤のうえは桜並木(平塚市豊田打間木付近)

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土安橋(どあんばし)の上から上流側(平塚市大島付近)

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土安橋は東海道新幹線を越えた先の県道44号(藤沢伊勢原線)が通っている橋。この奥(上流)で流れが三方に分かれる。この位置から左へ分かれるのが渋田川、まん中(奥にちょっと流れがみえる)が歌川、右は農業用水路でもある笠張川。

はみ出し話題:笠張川には現在相模川に合流している玉川が、改修による流路変更前(昭和19年頃まで)に流れていた。

3つの川の合流地点は草ぼうぼうではっきり確認できなかった。
合流地点のあたりで平塚市から伊勢原市に入る。

しばらく渋田川をすすんで
十二貫橋(伊勢原市下谷付近)

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よく写っていないが、右側には養魚場があって池がいくつもあった。魚の種類はわからなかったけど。

十二貫橋の先には川沿いに(たぶん)古い集落が続き、川を渡る古い橋がいくつもあった。
古そうな木橋

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こちらは古い石橋

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石橋の上から下流側を見る

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別の石橋

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「なかのはし」、昭和九年竣成と刻まれていた。

芝桜の土手

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伊勢原市上谷付近。このあたり川の土手はずっと芝桜の名所になっている。1970年頃に植えられたものが広がっていったとのこと。現在はいろいろな団体が場所を分けて芝桜を育てていて、それぞれの場所に名前の書かれた札が立っている。残念ながら花の時期ではなかったけれど少しだけ花が咲いているものも。ところでどうして両側の土手に植えないのだろう、とか部外者は勝手なことを言わない。(言い終えてるが)

渋田川の分流地点

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ここで渋田川の水が分流している。手前側の水は先ほど通ってきたところを流れ下るが、堰の向こう側の放水路に出た水は200mくらい先を流れる歌川へ流し込まれる。歌川は平塚市大島の土安橋近くで渋田川と合流していた川だ。つまりここで渋田川バイパスができているということになる。

分流点のすぐ上流側で小田原厚木道路の下をくぐる。

その先も周囲は田んぼや畑

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平塚市内の住宅地をぬけるあたりから基本的にはずっとこんな風景なのだけど、この付近から先は新東名高速の工事区間と渋田川の流路が重なるところが出てくる。このへんも写真の反対側は新東名の高架橋脚の建設中。

小田急線を越える

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ここは建設中の高架道路に高圧線の鉄塔などが絡んでなんだかすごい景色。

線路を越えて少し行けばまた草ぼうぼうの川と畑なのに

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そしてまた木の橋

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シンプルな木造の橋がこの川には多いな。
この近くに大慈寺というお寺があり、そこに太田道灌の墓があった。以前伊勢原市内の別の場所でも太田道灌の墓を見た記憶があるのだが…墓は2ヶ所存在するそうだ。

そこからさらにさかのぼると大きな東海大学付属病院の「門前」を文字通り横切り、その先はしだいに山のふもと、といった場所へ入っていく。
市民の森手前

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しばらく行くと渋田川は東名高速道路に交差するが、そこはまた新東名とのジャンクション(?)建設地点でもあってあえなく通行止め、あまり通りたくなかった県道へ早めに出ることになった。

県道(神奈川県道63号)をしばらく歩き、西富岡交差点を折れて別の県道(603号)へはいる。そちらも新東名の大規模工事中。
橋脚建設工事中

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渋田川は橋脚の向こう側を流れているようだけど、同時に河川改修工事も行われていて工事にじゃまなところは流れも変えられているようだ。

擔桶(たんご)橋から下流方向

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向こうには真新しい護岸がつくられている。それにしても「擔桶」=たんごって読めないよ。

ここから少し川に沿って歩けた。
上流方向も護岸工事がすすんでいた

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このあたりはすでに工事完成しているが、この時はさらに上流の高部屋小学校付近が工事中で近くの橋が通行止めだった。

小学校付近から県道603号に戻りしばらく川の流れの見えないところを歩く。地名でいうと上粕屋と日向の境界付近で、道路の縁に流れる川が少しだけ顔を出す。
道路の縁を流れる渋田川

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向こうへむかって水は流れている。

ここからもう少し道路を上がっていくと「洗水(あろうず)」のバス停があり、そこで県道から脇道へ入る。
脇道にはいったところ

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源流までもう少し。渋田川は左側竹やぶのある下あたりを流れているはず。支流の沢が右の森と田んぼの境目あたりから左方向へ流れていた。
見えている道路を先へ進んでいく。

先ほどのところから奥へ300mくらい行ったところ

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か細い流れ。実は水の流れを目視で確認できたのはここまでだった。Googleマップでも川の水色線はこのあたりまで、でも地理院地図ではもう少し先まで線が引かれる。

先へ行くと伊勢原霊園に突き当たる。地理院地図ではこの奥の盛徳寺の境内(?)と霊園南側の谷間が源となっている。
霊園南側の谷をのぞきこむ

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荒れた竹やぶが見えるだけでわからない。

寺院奥へは入っていく方法がわからず(入れるのかどうかも)、結局未確認とはなってしまった。
来た道を引き返して県道まで出る。ま、源流のほど近くまではたどれたので良しだ。

洗水バス停

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バスは伊勢原駅行きのみ。
渋田川おしまい。