源流付近は横須賀市になりますが大部分葉山町を流れる下山川(しもやまがわ)、河口の一色海岸、葉山御用邸からさかのぼって源流まで歩いてきました。
一色海岸、メインは砂浜のほうかもしれませんが、
小磯と呼ばれる岩場から相模湾
小磯のすぐ隣りにある河口
向こうに黒々としているのは長者ヶ崎。
対岸から振り返って『臨御橋』
「臨御(りんぎょ)」とは、天皇がその場においでになることといった意味があるそうで、橋の向こう一帯、壁に囲まれてますが、葉山御用邸の敷地です。下山川はその間を通り抜けて海に注いでいます。
この橋自体は見た目くすんでしまってます。架けられてからすでに50年ほど経って、架け替えが計画されています。橋の上はすでに三角コーンだらけ。
御用邸内にも2本の橋が架かっているのが見えましたが、それらを一般の人が渡る機会はほぼなさそうです。
邸内に架かる橋のひとつ
御用邸前を通る国道134号下山橋から海岸方向を向いて撮影。
同じ橋上から下山川上流側
100mほど先で支流(前田川)と合流しています。右から流れ込むのが下山川本流です。
合流点からふり返り
正面に架かるのが先ほどいた下山橋、その向こうが御用邸です。
支流、前田川を少し上流側に辿って1枚
葉山の街中を主に流れる前田川です。
数キロ南に下った横須賀市内にも同名の前田川が存在してまぎらわしいです。
合流点から300mほど上流へ
白石橋上から下流方向(葉山町下山口)
まだ葉山の住宅地内を流れています。
白石橋の上流側で川が蛇行し方向が変わります。
河口から1㎞も進まないうちに丘陵の谷間に入って住宅の密度も小さくなっていきます。護岸沿いに辿れる道もしばらくなく、流れの見える場所を探しつつ歩きます。
すぐ近くまで崖が迫ってきます
景色を広角で見れば住宅の立ち並ぶ場所もありますが、あっという間に山の中へ入ってしまった感じになります。
もう少し上流へ
古い橋を渡る道
「神奈川県」と刻まれた石標が立ってます。側面には「延長二・〇〇粁」とあり、まだ河口から2㎞しか遡っていない事が分かりました。
慌てていたのか橋名を失念、親柱?に刻まれた文字は橋の完成年月(昭和32年?月と推測)でした。
この背後には『茅山荘』という、古くは荏原製作所創業者の別荘敷地が広がっていて、茅葺きの門が立っています。
下山川の公式(行政的)な川の延長は2.0㎞。でもこれは県*1が管理するのがここまでと決めた長さであって、これより上流は管理の管轄が市町村になるということです。なので2㎞地点のここに神奈川県の石標があるのですね。
上流端、源流までの長さは信頼できる資料が見当たらないのですが、およそ7~8㎞ではないかと思います。
一瞬、水田などもある明るい場所へ出ましたが、また少しの間、川は草木深くうす暗いところを通ります。追いかけては行くもののこれといった場所もなく、少し寄り道。
こちらは『水源地』と呼ばれるところ
御用邸水源地ともいわれ、葉山御用邸で使用された水の井戸(水源)がこのフェンス内にあります。1913(大正2)年に宮内庁がここを買い上げ、戦後まで使用されていたということです。
現在こちらの水源は飲用不適格となり利用されていませんが、水は引き続き湧き出していて手前にパイプなど設備があり、実際に水の流れる音がしていました。
近くには下山川の水源地橋があります。
橋上から下流方向
現在の水源地橋はごく普通の道路橋です。川はまた明るい所へ出てきたようです。
この橋の少し先で下山川は神奈川県道27号横須賀葉山線沿いに出ていき、しばらく県道に沿って近くを流れます。
横須賀葉山線湘南国際村入口交差点近く
道路交差点近くを流れる下山川。山の上にある湘南国際村方面に向かう道路が上に見えます。
上の写真に写る橋(黄金坂橋)の上から
奥の左側から支流、新沢川が合流。橋の周辺、淀んでいるためか水は濁って見えます。(実際、水の透明度は下流の方が高い気がしました。)
その上を通る道路は県道横須賀葉山線。
少しさかのぼると下山川がその県道の下をくぐり、北側へ出てきます。そこから少しの区間はまた周囲に田畑がありのどかな風景になります。
周囲の風景も交えて1枚(葉山町上山口)
流れの下流方向を見ています。中央やや左寄りに小さな橋が架かってます。
このあたり南側と北側に丘陵地帯が続き、小さな支流の川や沢が多く合流してきます。
北側丘陵の裾と
再び県道の下をくぐり
三度くぐり(葉山町木古庭)
3回目くぐる橋は不動橋。ここで横須賀葉山線からは離れ、そろそろ上流域です。
逆(上流)方向
横切る高架橋は横浜横須賀道路、左の建物は葉山町立木古庭会館児童館。
不動橋から300mくらいさかのぼって
正直、下流とあまり変化は感じられないですね。
さらにさかのぼると葉山町木古庭から横須賀市山中町に入り、横浜横須賀道路の横須賀IC近くに出ます。
横須賀ICを背にして(正面が下流方向)
付近、道路のある地上面はこんなところ
横須賀インター前交差点
川は交差点下をくぐって写真左が上流方向。
左方へ移って正面の高架橋あたりを俯瞰
左の土地が低くなっている部分に流れがあり、手前側が上流方向。もうすぐに源流になります。
左の谷間を300m弱さかのぼると、林の中に分け入って
もうほんのちょっとで源。
ここが流れの最初
源での水流としては左下にあるパイプから流れ出す水、量はある程度あります。湧水か井戸などを汲み上げているのかは不明です。
右側に空いた四角い穴、奥は真っ暗で詳細はわかりませんが、想像するにこの上にはまだ小さな沢があってそこの水を誘導しているのかなと。ただ、この時の水量はほとんどありませんでした。
しかしこの下山川、一番最初からコンクリートで固められているのだということ確認しました。〈特に文句はありませんです〉
本流の追跡は以上ですが、横須賀ICの下で本流に合流する別の沢があるのでそちらも追いかけてみました。
本町山中有料道路に沿って流れていました。
こいつだ(本流合流点から150mほどさかのぼったところ)
この先で道路下をくぐって反対側に出ます。
次は道路を左に見てトンネル手前
流れは見えず、ハイキングコースの標識。
道は坂となって少し上がったところ
もう少し先で、土にたくさん穴が開いて水が滴っているのが見えました。まさに最初の一滴。
最初の一滴から少し坂をのぼると三浦半島の分水嶺を越え、東京湾側へ出ます。ここからおまけ分。
そこから下っていく道の途中に湧水をひいて溜めた「天水桶」「井戸」?〈名称失念〉がありました。
余水が側溝に流されてます。
横須賀市西逸見町3丁目あたりになります。
流路地図・下側が下山川