散歩の途中

散歩の途中で観察記録、その後少し調べて書くノート

多摩川を歩く その6 沢井から奥多摩氷川(1/2)

『久しぶりに多摩川を歩いてきたので』と”その5”のノートを記してから1年3ヶ月、今度もまたずいぶん間が開いてしまったけれど、前回の続きとしてさらに上流に向かって歩いたので”多摩川を歩く その6”を追加したい。
写真をたくさん撮ってきたので、今回分はたぶん2つに分けて紹介する予定。

前回・多摩川その5

miwa3k.hatenablog.jp

 

多摩川その6・足あと

羽田空港国際線ターミナル近くの河口標識から歩き出した多摩川、ようやく奥多摩町の中心部まで達することができた。

今回のスタートは前回その5の離脱点、青梅市沢井。
JR青梅線沢井駅にて下車

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青梅までは東京駅から直通電車が来るが、それより先の青梅線はのどかなローカル路線。ほとんどの駅が無人駅で、ここもそのひとつ。

駅前から坂道を下って行くとすぐ青梅街道(国道411号)に出る。
そこは澤乃井の銘柄で知られる、東京の地酒をつくる小澤酒造の工場をはじめ、関連の施設もいろいろ充実している。

小澤酒造入口

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門柱には「清酒澤乃井醸造元」の文字も。蔵の見学や唎き酒もでき、非常に心惹かれるけれど、今日の目的はあくまで多摩川と言い聞かせる。というより、朝早くてまだ開いていないからどうしようもない。
でも、駅前から工場の裏の坂道を下りてくるとき、日本酒のとてもよい香りが周囲に漂っていた。これで今日もがんばって歩けそうだ。

澤乃井園」の横を通って多摩川

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吊り橋、楓橋が架かる

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右上にある建物は寒山寺。昭和5年、書家田口米舫氏と小澤太平氏により建立とある。

楓橋から多摩川上流側

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川の水量は多く、やや緑色の濁りもある。ずっと天気が悪く、雨が多かったから。
この日も曇天で、いまにも降って来そうな空。天気がもつか、歩いている途中ずっと心配だった。
この付近、川の両岸に沿って遊歩道がある。写真右側、左岸側の遊歩道で上流に向かって歩くことにした。

遊歩道から楓橋を振り返る

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遊歩道を歩き始めてすぐに距離ポストが現れた。
一級河川 多摩川 海から70㎞

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河口からちょうど70㎞。青梅市沢井二丁目、標高206mって、書いてあることそのままだな。

鵜の瀬橋

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黒い「鵜」を彷彿とさせる橋の容貌とでもいうのかな。これも人道橋、右岸側遊歩道との連絡専用。

鵜の瀬橋近くから上流側

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川べりに「お山の杉の子」の童謡(?)歌碑2つがあり、解説では、昭和19年にこの地の杉木立ちの山々によってつくられた歌とあったが、正直よく知らない。

御岳(みたけ)小橋が見えはじめたあたり

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このあたりは御岳渓谷と呼ばれるところ。

御岳小橋近景

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御岳小橋を過ぎるとすぐ御岳橋が見えてくる。

右端に御岳橋

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御岳渓谷を流れる多摩川

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御岳橋近景

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青梅線御嶽駅から御岳山登山口に向かうバスなども通る、御岳周辺では大きな橋。
橋長は80m、1971年竣工、鉄筋コンクリートのアーチ橋。

ちなみに御岳山(みたけさん)はこの南側にそびえる標高929mの山で、東京では高尾山とともに人気が高い、ってことでいいのかな。

御岳橋のすぐ上流側には、江戸時代、最初は1820(文政3)年に架けられたという”御岳万年橋”の橋台礎石が残っていて、そこに解説板が取り付けられ、「沢井村横尾と御岳村払沢の間に架橋した高橋で、御岳山参詣者には大事な橋でした。」とあった。橋は10年から20年周期で何度も架け替えられ、1917(大正6)年まで同じ場所にあったようだ。

少し上流に進むとまた吊り橋が現れる。
杣の小橋(そまのこばし)から下流方向

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上流側、近くに御岳水力発電所(Googleマップでは東京都多摩川第三発電所)の施設がある。

この橋の下流側から、この日最初に川へ下りてきた沢井あたりまでが、御岳渓谷としていちばんきれいな場所のような気がする。

杣の小橋からすぐ上流側には
神路橋(かみじばし)

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この橋も吊り橋、人道橋。この付近は人口密度に比べると橋の密度がとても高く、少し歩くとすぐに次の橋に着く。
この神路橋は、御岳山登山口へ歩いて行く近道になっているとのこと。でも地図を見ると結局バス通りへ出てしまうようだけど…

大沢川の合流

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神路橋のすぐ上流、対岸の暗い森の中から流れがひとつ合流していた。御岳山中腹を源とし、御岳山ケーブルカー乗り場付近を流れ下って、ここで多摩川へ注いでいる。

ここからもう少しさかのぼると、対岸が奥多摩フィッシングセンターになる。
御岳美術館付近から下流奥多摩フィッシングセンター方面

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フィッシングセンターは管理釣り場で、仕切りを造ったりするので重機も入っている。少し前の台風の影響も大きかったようだけど、”工事現場”だな。

これも御岳美術館付近から上流側

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このあたりで川沿いの遊歩道はおしまい。そして青梅市をぬけて奥多摩町へと入っていく。

ここからは青梅街道(国道411号)をおもに歩いて行くことになり、水に近い場所へはなかなか近づけない。

国道411号、小さな沢に架かる古い橋(奥多摩町川井)

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橋名、建設年月など完全にすり減って読めなかった。欄干もパイプで補強してあるようだけど、大丈夫なのかな。

川井という地区に入っていく。多摩川の流れをなるべく近くから見ようと、国道を離れ、梅沢橋へ向かった。

梅沢橋閉鎖

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この橋も歩行者専用の吊り橋で、上に支柱がちょっと見えている。橋の一方の基礎部分が崩れたということで、2011年から閉鎖されているようだ。

青梅街道から川井キャンプ場経由吉野街道へぬけて、奥多摩大橋を渡ろうと考えていたができなくなった。
再び青梅街道へ戻り、反対側から奥多摩大橋を目指すことにした。

青梅街道からJR青梅線の橋梁など

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川井駅の近く。電車が通ると絵になりそうだけど、そう頻繁に通らない。

青梅街道から見た奥多摩大橋

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奥多摩大橋は橋長265mの斜張橋、1993年竣工。奥多摩地域では最大級の橋である。
小さな写真だとわからないかもしれないけど、川の向こうに通行止めの梅沢橋も見える。

橋の途中から、大丹波川の合流、川井の集落(?)

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同じく橋の途中から、多摩川下流方向

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こちらの方が梅沢橋がわかりやすい。

多摩川上流方向

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いったん奥多摩大橋を渡ったら、戻ってきてまた青梅街道へ。

人んちの駐車用テラスから失礼して

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なのでどこだかは言わない。下はれっきとした多摩川

深い谷に架かる万世橋

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吉野街道(都道45号)が青梅街道に合流する古里交差点から伸びる大きな橋。吉野街道は奥多摩青梅線とも呼ばれ、青梅街道と多摩川をはさんで反対側を通る都道。なぜか知らないが、ダンプの通行が多いので今回歩くのは遠慮させてもらった道。

万世橋の上から多摩川下流方向

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なんかケーブルが邪魔ですが。
向こうをちょうど青梅線の電車が通っていく。古里(こり)駅が近い。その下は青梅街道が通っている。

万世橋の反対側から上流側

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古里駅に寄ってみた

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無人駅だけど、木造のきちんとした駅舎。
ちょうどトイレ清掃中でした、利用希望状態ではなかったけど。

また青梅街道へ出てから途中で坂の下へ、寸庭橋を見に行く。
寸庭橋(すにわばし)

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下部は真っ赤に塗られたアーチになっているらしいが、橋の上からは全然見えない。

寸庭橋から上流側

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寸庭橋を渡ったところで上流側へ入っていく細い道がある。大多摩ウォーキングトレイルという道で、川沿いを通ることができるけど、山道細道。今回はここでそちらの道に入っては行かなかった。

橋を戻って坂道をのぼり、また青梅街道へ。

将門(まさかど)交差点まで行く。平将門を祀る将門神社が近くにある。
ここで分かれて行く道に入る。
将門交差点近くから多摩川下流

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遠くに寸庭橋も写っていた。

この交差点で分岐する道は多摩川南岸道路奥多摩地区の国道411号のバイパスで、この地区は2015年に開通した新しい道路である。
この道に沿って坂道を下りていくと、2つの橋が並行して架かる場所へ出る。

こちら鳩の巣大橋と左は将門大橋

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見てわかるとおり、鳩の巣大橋は古くからの橋で1957年竣工、将門大橋は多摩川南岸道路開通時にできたので2015年。

なぜこんな山の中に並んで2つ橋がある? 南岸道路、将門大橋の先には長さ1908mの城山トンネルがあり、その出口と直結している。トンネルの出口をずらせなかったか、鳩の巣大橋老朽化のためか、たぶんそんなところかな。

将門大橋側、下をのぞきこんで

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正面に家のような建物がひとつ。どうやって建てたのかなどいろいろ気になる。

鳩の巣大橋から多摩川上流側

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川の向こうの斜面に見えるのは鳩の巣の集落。

これから先は鳩の巣渓谷、白丸ダムなど、また水辺へ近づいて行くけれど、いったんここで休憩。

 

    *     *     *

 

今回奥多摩町に入ったことで、東京都、神奈川県の全市区町村(伊豆小笠原諸島は除く)に足あとを残し、それを最低1回はこのノートに記録するという目標を達成しました。でもまだ「散歩の途中」です。