散歩の途中

散歩の途中で観察記録、その後少し調べて書くノート

1日で4つの県を巡り歩いた記録

スタート地点までは公共交通機関を利用しましたが、そこからすべて徒歩で4つの県を1日で巡ってきました。

何でそんなことやろうと思いついたんですかね...ま、たまにやるネタものです
いずれにせよ歩いてきましたので、記録を残しておくことにします。

どこを歩いたかについては最後まで読むとわかるようにしたかったのですが、タイトル下のカテゴリー部分を見れば分かってしまいますね。とりあえず順を追って見ていきます。

1県め スタートは茨城県

茨城県古河(こが)市、古河駅

ここまでは電車で来ました。

古河は中世、古河公方(関東足利氏)の本拠地、古河城があり江戸時代は古河藩の城下町、日光街道の宿場町があったところ。古い町です。
その町なか、通りすがりにいくつかの古い建物を目にしました。

「古河の町歩き」で1話まとめられそうですが今回分に含めてしまいます。話のついでに見ていってくだされ

大谷石で造られた蔵

産地に近づいたせいでしょうか、大谷石の建物をいくつか目にしました。

「茶」の文字、古河近郊はお茶の産地でもあります。

 

上洲屋履物店

白い足袋がたくさん見えました。それとはんてん、提灯などお祭り用品も扱ってる店のようです。

 

篆刻美術館

現在は改修されて美術館ですがかつては商家、右の3階建て石蔵は大正9年建築、国の登録有形文化財
奥にも石蔵が続いてあります。

篆刻〈てんこく〉:落款などに用いる印章を彫ること。刻む文字に篆書が使われる...と辞書からのばっすい

 

手前レンガ造り建物は『古河街角美術館』、右の黒塀に続くのは利根川油店

こちら美術館は最近建てられたもの、右は古そうです。

利根川油店、別角度から

右にも蔵があり、間をつなぐのは古くはありませんがどこかで目にしたことのある..と思ったら、ガソリンスタンドの名残りじゃないでしょうか 油店ですからね。

 

こちらは「作家 永井路子旧宅」

永井路子氏が幼少の頃住んでいた当時の状態に復元した店蔵、現在は古河文学館別館になっているようです。建物は江戸時代末期の建造とか。

 

こちらは一般住宅のようですが建物に古い店舗の面影があります

 

町の西方へはずれまで行くと渡良瀬川に出合います。三国(みくに)橋を渡ります。
ここは昔『古河の渡し』があったところ。橋は下総(茨城)、下野(栃木)、武蔵(埼玉)三国を跨ぐとあり、三国橋と命名されました。

渡良瀬川・三国橋東詰

 

橋の渡り始めで振り返ると
道の反対側に「茨城県古河市」標識

 

橋上から下流方向

渡良瀬川は少し先で利根川に合流します。

 

橋の中央部に県境

埼玉県へ

 

2県め 埼玉県

三国橋西詰

埼玉県加須(かぞ)市の標識もあります

T字路を右折し、渡良瀬川堤防上を北の方角へしばらく歩き渡良瀬貯水池、またの名は谷中湖へ向かいます。

ややこしいので整理しておきますが、渡良瀬貯水池=谷中湖、渡良瀬貯水池を含みさらに広域に広がるのが渡良瀬遊水地

 

左端奥・渡良瀬貯水地排水門、右から渡良瀬川

排水門は谷中湖を含む遊水地の水を渡良瀬川へ排水するためのものです

 

その先へ回り込むと谷中湖が見えてきます

左方に写る谷田川橋を渡る手前、堤防を下りると

県境のサイン

埼玉県加須市・栃木県栃木市。〈よく見ると市名にテープ、以前は埼玉県北川辺町、栃木県藤岡町でした〉
草刈作業範囲は栃木県?

 

3県め 栃木県

ハートの形に似た渡良瀬貯水地(谷中湖)まで来ました。
別位置(谷中湖中央エントランス)から撮影した解説図をのせます

青いところが水面、当初その外周を一周してハート型の足あとを残そうと企んだのですが、右心室(⁇)の一部分に立入禁止区域があって通行できません。

それはともかく水面にも及ぶくねくねとした細い線は県境、登場するのはここも栃木、埼玉、茨城、群馬です。谷中湖の周囲をうまくまわると4県制覇可能ですが、今回は念をいれて栃木・埼玉・群馬3県境の境界標がある地点も訪問しました。そちらを先に出します。

 

栃木県に入ったばかりですが、3県境へ

遠目から

人が立っているあたりに境界標があります。数年前まで3県境周囲360度水田だったそうですが今は観光地化を目指し、手前側の水田はなくなって駐車スペース、アプローチ歩道も整備されてます。

 

近づくと

ちょうど田んぼの用水路が合流しているところ、コンクリートの杭が立ちプレートがはめ込まれてます。

北緯36度12分27秒 東経139度39分50秒、現在は栃木県栃木市藤岡町下宮、埼玉県加須市小野袋、群馬県板倉町海老瀬が接する境界です。キャッチフレーズは「歩いて3歩で回れる三県境」とか〈それでは片足しか着地しない県がありますな..〉

かつてこの地点は渡良瀬川の河道だったそうですが流路が変更され、陸上に現れることになりました。陸上かつ平地に存在する3県境はここだけと言われます。
(この近くにある茨城、栃木、埼玉の3県境は渡良瀬川の上)

ついでにこの3県境に行くには、車では〈目の前に駐車スペースありますが〉県道9号『道の駅かぞわたらせ』から南へ約400m、電車は東武日光線柳生駅から東へ約400mとなってます。谷中湖中央エントランスからも同じくらいの距離です。

各県の立札後ろには自治体の立てた境界杭もあります

向こう埼玉県側は「加須市」と記され分かりやすいですが、群馬県側は「板巾」(境界標、基準点などに巾の文字を使用するのは群馬独自の表記方法らしい 群馬県→群巾、高崎市→高巾など、ここは板倉町で板巾)

〈おまけで〉栃木市はこんなのでした

 

また谷中湖へ戻ります。

こちらが中央エントランス

ハートのいちばん下位置から左側を上がってここまで来て3県境を見てまたここ、栃木県栃木市になります。

 

貯水池中央にのびる堤を伝いつつ

 

東谷中橋を渡って谷中湖の外側へ出てみました

遠くに見えるのが渡良瀬遊水地の堤防、その先を渡良瀬川が流れています。手前の方はすべて草はら〈ヨシ原というのかな〉です。

 

川沿いまで足をのばしました
渡良瀬川・野渡橋上から

合流点が見えました。左・渡良瀬川、右・思川

橋を渡ったところでUターン、谷中湖まで戻りハートの上の部分を歩きます。

 

谷中湖と反対側、渡良瀬遊水地側は見渡す限りのヨシ、ススキの原っぱ。〈関係ありませんが、古代から中世ころの東京低地(江東江戸川区や市川市南西部など)ってこんな風景だったんじゃないかと妄想〉

 

展望施設の途中から

 

谷中湖の外周道路にて

 

4県め 群馬県

先ほど3県境でも群馬県にちょこっと入りましたが再び。

谷中湖沿いの栃木群馬県境線は複雑で外周道路を歩いていると栃木になったり群馬になったり。その都度標識が置いてあるのが律義です。

1つ上の写真、展望施設?の途中に紺色右向き三角形のプレートが見えますが、2019年台風時にあそこまで遊水池の水位が上がったそうです。

標識いくつかとボート競技やっていた事は省略して
また谷中湖

 

中央エントランス近くまで戻ってきます

このあたりは栃木県。〈群馬県の内容はあまりなかったですね〉

橋を渡って堤防をこえ、再び3県境の近くを通過して

 

先に見えてるのは東武日光線柳生駅
帰り道はいなかの長閑な駅から

このへんはまた埼玉県。この日は単純に何回県境をまたいだことになるのか自分でもわからなくなりましたが、4つの県にそれぞれ足跡を残すことはできました。目標達成

 

実は当初これに千葉県を加えて5県/日ていうのも計画していたのですが距離が延びて余裕がなくなりそうなので考え直し、穏当?に4県としたところです。