この春のさくら百華はこれが最後です。
前回までに48華(品種)を紹介できたので残りの品種を並べていきます。
🌸楊貴妃
咲きはじめの頃
のちに葉が出てきます
散り始め
花は絢爛豪華に咲き誇って見ごたえがありました。
楊貴妃(ヨウキヒ)
花は大輪、八重咲きで淡紅色。開花期は4月中旬。もと、東京の荒川堤で栽培されていた品種。古くから知られる桜で、花色も優れた豊満な八重桜ということから、中国の楊貴妃を連想して名つけられたといわれます。
🌸八重紅大島
八重紅大島(ヤエベニオオシマ)
花は大輪、八重咲きで淡紅色。開花期は4月中旬。大島桜の花が八重咲き、淡紅色に変化した品種という説と、大島桜と里桜が交雑してできた説があります。潮風に強いという性質があります。
🌸苔清水
👇数日経って葉が繁ってきました
苔清水(コケシミズ)
花は中輪、一重咲きで淡紅色。開花期は4月中旬。もと、東京の荒川堤で栽培されていた品種です。1916年に三好学が記載・発表しました。山桜の影響を受けた里桜と考えられます。
🌸御座の間匂
👇並ぶ2本ともに御座の間匂、間の黄色い花はレンギョウ
御座の間匂(ゴザノマニオイ)
花は大輪、半八重咲きで淡紅色。開花期は4月中旬。もと、東京の荒川堤で栽培されていた品種です。花に芳香があるのが特徴で、現存しない「滝匂(タキニオイ)」に非常に近似といわれています。
花弁は淡紅色より白に近いのが多いようにみえました。
🌸糸括
咲き始めでつぼみが多めです。
糸括(イトククリ)
花は大輪、八重咲きで淡紅色。開花期は4月中旬。もと、東京の荒川堤で栽培されていた品種です。江戸時代から知られ、小花柄が長く、花が束になって下垂するのでこの名がつけられたといわれています。
次に訪れたときにはもう葉桜でした。花の期間が短いようです。
🌸手弱女
👇上が手弱女、下は紅枝垂
手弱女(タオヤメ)
花は中輪、八重咲きで淡紅色。開花期は4月中旬。原木は京都市・平野神社の境内にあります。平野神社固有の桜の一つで、京都の桜守 佐野藤右衛門によって広められました。
🌸蘭蘭
咲きはじめ
咲きそろって葉も出て花はピンク色に
蘭蘭(ランラン)
花は大輪、八重咲きで白色。開花期は4月下旬。松前固有品種の白蘭(ハクラン)に雨宿を交配して、浅利政俊によって作出された品種です。上野動物園のパンダ蘭蘭の死を悼み1980年5月5日の子供の日に命名されました。
花は解説では白色とのことですが日が経つとピンクに変化しています。
🌸御衣黄
花も緑色でした
👆これで花もたくさん咲いてます
御衣黄(ギョイコウ)
花は中輪、八重咲きで黄緑色。開花期は4月下旬。もと、東京の荒川堤で栽培されていた品種です。黄緑色の花色が特異なため、古くから栽培されていたものといわれています。
花は葉の色と区別が難しいです。最初見たとき葉桜と思い、通り過ぎてから引き返しました。
🌸駿河台匂
散りはじめ👇
上下あまり変わりないですね
駿河台匂(スルガダイニオイ)
花は大輪、一重咲きで白色。開花期は4月下旬。もと、東京の荒川堤で栽培されていた品種です。江戸駿河台の一庭園にあったため、この名がつけられたといわれます。芳香が非常に強い品種です。
この品種も花色が変化する〈ものがある〉ようで淡紅色の花びらも見えます。
🌸紅華
つぼみ
咲きはじめ
満開
花色が濃くなり豪勢にみえます。
紅華(コウカ)
花は大輪、八重咲きで紅色。開花期は4月下旬。1965年に浅利政俊によって作出された品種で、大山桜と里桜の雑種と推定されています。開花期が長く美しい八重桜です。
🌸花笠
咲きはじめは白い花
色がだんだん濃くなっていきます
散りぎわはドぴんく
花笠(ハナガサ)
花は大輪、八重咲きで紅色。開花期は4月下旬。浅利政俊によって福禄寿の実生苗から育成・選抜された品種です。雌しべが葉化して長く突き出て、形状が花笠によく似ていることからこの名が付けられました。
🌸泰山府君
👇はまだ若い木かもしれません
泰山府君(タイザンフクン)
花は中輪、八重咲きで淡紅色。開花期は4月中旬。もと、東京の荒川堤で栽培されていた品種です。中世に桜町中納言が桜の短命を嘆いて、泰山府君を祭って花の期間が延びたという故事からきたものです。
🌸太白
太白(タイハク)
花は大輪、一重咲きで白色。開花期は4月中旬。英国の桜研究家イングラムの庭園にあった桜で、当時、日本では無くなってしまったと思われていましたが、1932年に香山益彦の所望により接ぎ穂が送られてきました。
🌸兼六園菊桜
花はピンクのグラデーションでした
兼六園菊桜(ケンロクエンキクザクラ)
花は大輪、菊咲きで淡紅色。開花期は4月下旬。原木は兼六園(石川県金沢市)にありましたが枯死し、現在は接木増殖したものが公園内に植えられています。
🌸上匂
咲きはじめの枝
これもまだ3分咲きくらい
葉が繁ってきました
上匂(ジョウニオイ)
花は大輪、一重・八重咲きで白色。開花期は4月中旬。もと東京の荒川堤で栽培されていた品種です。花に強い芳香があるのが特徴で、昆虫類がよく集まってきます。一重の花と7~8枚の花びらを持つ花がみられます。
お疲れ様でした。
この春見ることのできた桜は以上になります。
『さくら百華の道』の桜64華(品種)のうち63華(品種)となりました。
見ることがかなわなかった1華(品種)は「寒桜(カンザクラ)」でした。
花はまだ寒の1月下旬から3月上旬頃とのこと。似た名前の品種も多く単に見逃した可能性が高いです。
もっとも桜の種類はここで見られる64種どころではなく、また同じ品種でも複数の名称をもつものもあります。世の中すべての桜を鑑賞したわけじゃありませんが、自分としてはなんとなく満足できたので良しとします。
2024年春さくら百華の道
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