散歩の途中

散歩の途中で観察記録、その後少し調べて書くノート

『さくら百華の道(4)』遅咲き桜も咲き出してさくら図鑑完成まで〈32/64華〉

横浜のお花見ノートがだいぶ長くなりましたが、その間64種の🌸が咲くという座間『さくら百華の道』にも通っていました。
多くの遅咲き桜も花をつけ、結果を先に言ってしまうと全部で63種の🌸を見ることができました。
百華の「さくら図鑑」今回はそのうち15種(前回までで17種、計32品種)です。

残りはあと2回くらいでまとめていく予定です。

 

桜の木には名称と簡単な解説が書かれたプレートが付けられています。品種ごとにプレートを文字起こしして掲載しました。

 

🌸松月


一番手前が松月


咲き始め頃の枝


葉が出て散りはじめ

松月(ショウゲツ)
花は大輪、八重咲きで淡紅色。開花期は4月中旬。もと、東京の荒川堤で栽培されていた品種です。外側の花弁ほど淡紅色が濃くなるグラデーションが美しく、桜愛好者の中でも人気がある品種です。

 

 

🌸八重紅彼岸

八重紅彼岸(ヤエベニヒガン)
花は中輪、八重咲きで淡紅色。開花期は3月中旬~3月下旬。江戸彼岸と豆桜の雑種と推定され、小彼岸系であまり大きくならず、枝も横に張らず、花着きが良い愛らしい桜です。

光線の加減で上下別の品種のようにも見えます。

 

 

🌸染井吉野

染井吉野(ソメイヨシノ)
花は中輪、一重咲きで淡紅色。開花期は4月上旬。江戸彼岸と大島桜の雑種と推定され、江戸時代末期に染井村(現、東京都豊島区)の植木屋が売り出したといわれています。

さくら百華の道には1本しかない染井吉野の木、建物に挟まれてやや窮屈そうではあります。

 

 

🌸高砂

高砂(タカサゴ)
花は大輪、八重咲きで淡紅色。開花期は4月上旬。丁子桜と里桜の雑種と推定され、八重咲きの里桜のなかでも早く咲きます。別名、南殿、武者桜、早生都と呼ばれることもあり、鉢物でも流通しています。

大輪で見ごたえのある花です。

 

 

🌸アーコレード

前回も取り上げたアーコレード、花数が増えてにぎやかになりました。

アーコレード
花は大輪、八重咲きで淡紅色。開花期は4月上旬と秋咲き。英国で育成された品種で、日本では二季咲きとなります。花は十月桜よりやや紅色が濃く、大輪となります。

 

 

🌸大島桜

👆さくら餅の葉がこれです。

大島桜(オオシマザクラ)
花は大輪、一重咲きで白色、香りもあります。開花期は3月下旬。伊豆七島や房総半島に自生する、潮風に強い桜です。桜餅には、この桜の葉が使われています。

 

 

🌸紅枝垂

紅枝垂(ベニシダレ)
花は小輪、一重咲きで濃紅色。開花期は3月中旬。枝垂桜は江戸彼岸の変種で、枝が下垂するものです。本種はその中でも花色の紅色が特に濃いものです。

 

 

🌸鬱金

咲き始め


日が経つと花の色が変わりました


散った花びらも紅色、プレートは『鬱金』なので間違いないです

鬱金(ウコン)
花は大輪、八重咲きで黄緑色。開花期は4月下旬。もと、東京の荒川堤で栽培されていた品種。花色が黄緑色と珍しい桜で、ウコンの根茎を使って染めた色に似ていることから、この名が付けられたといわれています。その花色から欧米でもよく栽培されています。

後で調べてみたら、鬱金桜は咲いてから日が経つにつれ花びらの色が黄色からピンクに変わっていくそうです。たしかにその通りですね

 

🌸雨情枝垂

前回はつぼみばかりでしたが見事にひらきました

👇花の蜜を吸いに来るのは鳥や虫に限らない..⁇

雨情枝垂(ウジョウシダレ)
花は中輪、八重咲きで淡紅色。開花期は4月中旬。童謡詩人として有名な野口雨情邸(栃木県宇都宮市鶴田町)内に八重紅枝垂に混じって植えられていたもので、雨情を記念して名づけられました。

 

 

🌸思川
👇咲き始め

 

思川(オモイガワ)
花は中輪、半八重咲きで淡紅色。開花期は4月中旬。小山修道院(栃木県小山市東島田)に栽培されていた十月桜の実生から生まれた品種で、近くを流れる思川に因んで命名されました。

 

 

🌸枝垂山桜

前回はほとんど蕾でしたが次に訪ねると葉桜に近くなってました。花の期間が短いのかもしれません

枝垂山桜(シダレヤマザクラ)
花は中輪、一重咲きで白色。開花期は4月中旬。山桜系の枝垂れ品種で、別名:仙台枝垂とも呼ばれています。各地で栽培されており古くからある品種といわれています。

 

 

🌸仙台屋

仙台屋(センダイヤ)
花は中輪、一重咲きで紅色。開花期は4月中旬。山桜の品種と考えられ、原木は高知市内の仙台屋という店の庭にありました。牧野富太郎によって命名されました。

花が咲くと葉もすぐに開くようで、花びらが目立たなくなってしまいました。惜しい

 

🌸白妙

前回はつぼみだけでしたが咲きました。

白妙(シロタエ)
花は大輪、八重咲きで白色。開花期は4月中旬。もと、東京の荒川堤で栽培されていた品種。大輪白花で八重咲きの数少ない里桜の中でも、花柄や小花柄はあまり長くないのが特徴です。

真っ白い八重咲き、緑の若葉とのバランス良くとても綺麗に見えました。

 

 

🌸御車返し

御車返し(ミクルマガエシ)
花は大輪、一重・八重咲きで淡紅色。開花期は4月中旬。もと、東京の荒川堤で栽培されていた品種。昔、一重か八重かで争いになり車を返して確認した、あまりの美しさに後水尾天皇が御車を返してご覧になったことに因むともいわれています。

前回は蕾が色づいてきたところでしたがきれいに咲きそろい、葉も出てきました。枝が上へ伸びる様はあとで出てくる『天の川』と似ています。

 

🌸有明

花は白色と解説にありますが、下はややピンク色にも見えます。

有明(アリアケ)
花は大輪、一重・八重咲きで白色。開花期は4月中旬。もと、東京の荒川堤で栽培されていた品種です。花には極めて強い芳香があり千里香に似ています。

 

解説文によく出てくる「もと、東京の荒川堤で栽培されていた品種です」という一文、どういうことかAIにきいてみました。〈ちょっと手は入れてます〉

荒川堤の桜は、明治時代から近代東京を代表する名所として親しまれました。
明治18年7月の暴風雨と高潮による被害をきっかけに、清水謙吾が荒川堤の補修工事と堤上に桜を植えることを願い出たのが始まりです。
駒込の桜専門業高木孫右衛門が栽培した苗木、78品種3000本余が明治19年荒川堤上約6kmに植えられ、白や黄色、淡紅や濃紅色に彩られ五色の雲のようにたなびく姿から「五色桜」と呼ばれるようになりました。
しかし、荒川放水路の開削や公害、戦争等により、昭和22年頃に桜は姿を消しました。

 

前回と重複している品種もありますが今回は以上15種

とりあえずここまでで1回区切ります。