散歩の途中

iPhoneもって散歩しながらあれこれ観察したノート

東京の荒川を歩く その1 葛西臨海公園から河口を経て小菅

荒川の源流は埼玉県奥秩父甲武信ヶ岳にあって、秩父山地の多くの支流を集めて流れ下る。秩父市熊谷市などを経て川越市入間川と合流し、戸田市和光市の境界を過ぎると東京都と埼玉県の境界を流れるようになる。そして北区の岩淵水門で隅田川を分流し、江東区江戸川区の境で河口に至る。延長は173kmに達する関東地方の代表的な河川のひとつである。
しかしこの河川、東京都内ではいまから100年前には存在しなかったことを知らない人も多いかもしれない。正確にはまったく存在しなかったのではなく、いまの隅田川を荒川が流れていた。現在その東側を流れている荒川が存在しなかったのである。
ではどうして今、流れているのか。人工的に水路を作ったからである。赤羽の東の方、岩淵に水門を設けて一部は隅田川に分水し、メインの流れは新たな水路に導いた。この水路部分を「荒川放水路」と呼んでいる。荒川放水路を造ったことにより、綾瀬川や中川は荒川と並行して流れるように流路が変更され、特に中川は昔の流路が荒川放水路により分断されていることが今でも地図を見るとわかる。
その1の行程

今回、河口からさかのぼって歩くことにしたのでまず河口を目指すのだが、河口近くはかつての中川の流路に荒川放水路が合わさった形になっている。現在も清砂大橋の下流側で荒川と中川が合流するようになっているが、そこが荒川の河口で、そこからさらに下流の首都高速湾岸線京葉線の橋梁がある付近はどうも中川らしい。(川岸には「中川」の看板標識がある。)なのに橋の名前は「荒川湾岸橋」「荒川河口橋」というのはなぜか?、というのは置いておくとして。
まあそこは前もって調べておかなかったので、葛西臨海公園の西のはずれが荒川の河口だろうと考えてそこへ向かった。
スタートはJR京葉線葛西臨海公園駅

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今日はここに遊びに来たわけではないけど、つい撮ってしまう。
観覧車

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クリスタルビュー

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人工なぎさの近くからは遠くに東京ゲートブリッジもみえる。

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(この橋がゲートブリッジだとは言っていない。)
葛西臨海公園の西端から外に出て、河口(と思っていた場所)へ。
道が90度カーブするのでここが取っ付き、端っこ

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とりあえず河口、海方向

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正面対岸

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荒川湾岸橋、荒川河口橋など

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でもこの場所、後ろには「なかがわ」の標識看板があった。
遡上開始

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この日は風が強かった。ずーっと正面から北風を受け続けて、歩くのが結構しんどい。
新左近川合流点近くから対岸江東区方面を望む

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そしてその先、本当の荒川河口に達する。葛西臨海公園の西はずれからはすでに2km近くさかのぼった場所。
荒川河口を望む地点

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首都高速橋脚ののっている堤防が切れているところが、荒川(放水路)と中川の合流点になり、荒川の河口として定義されている。この先荒川河川敷に距離ポストが置かれているが、ここからの距離を示している。
ちなみに中川と荒川の間にあって2つの河川を隔てている堤防はこの上流側にずっとあって、堀切橋(葛飾区堀切4丁目)付近で綾瀬川が近づいてくる地点まで続いている。(この日歩いた範囲の大部分にあたる。)
仕切りの堤防が間にできて、いま歩いている側が中川になったので、反対側へ渡ることにした。
清砂大橋

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この橋を渡って対岸へ渡る。川幅が広いので歩いて渡ると結構時間がかかるのと、強風で体がもっていかれそうになってちょっと怖い。

清砂大橋(きよすなおおはし) (Wikipediaから抜粋)
荒川および中川にかかる橋で、東京都道・千葉県道10号東京浦安線(清砂支線)を通す。東岸は東京都江戸川区清新町一丁目、西岸は東京都江東区新砂三丁目。それぞれの町名から一文字ずつとって命名された。橋長は1317mの斜張橋で2004年の完成。

橋長は1317mは両端の進入路なども含めての長さのようだが、実際歩くと長さを感じる。
橋の途中で

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自転車で渡って行く人も多い。すぐ上流側には地下鉄東西線の橋も通っている。
川を仕切る堤防と荒川

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橋を渡った右岸は江東区。橋から階段で地上に降り、清砂大橋東西線橋梁の下をくぐって荒川の堤防上に出る。上流に向かうとすぐに葛西橋が現れる。
河川敷から葛西橋

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こちらの橋は年代を感じさせるが、1963(昭和38)年の完成。 補剛ゲルバー桁という形式で、長さは727mとのこと。通っているのは葛西橋通り。この橋ができる前は300mほど上流に旧葛西橋が木橋で存在していた。旧葛西橋は、荒川放水路の掘削に合わせて1928(昭和3)年に開通、当時荒川で一番下流にあった橋で、都内最長の橋だったそうだ。(検索すると旧葛西橋の写真も出てくる。)
古い地図では、500mほど下流の、清砂大橋東西線橋梁のあたりが海岸線だった。
河口から2k

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場所はポストに書いてある。多摩川にも類似のポストがあるが、あちらは「海から何K」で地名は書いていない。こちらは「河口から」で地名表記あり。キロが多摩川は大文字K、荒川は小文字kを使用などなど。
荒川ロックゲート(向こう側)と小名木川排水機場の水の出口

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旧中川の合流点にあたる閘門(ロックゲート)である。旧中川とそれにつながる江東区の運河(小名木川、北十間側など)との水運を確保するために設けられている。旧中川と荒川との間には水位差があるため、船が通過する際にゲートの中で水を出し入れして水面の高さを調節している。
荒川放水路を開削したときに、ここから下流は元々の中川の流路を使用したのでここに合流点がある。小名木川排水機場は文字通り、旧中川と近くにある小名木川の水を荒川へ排出したり水門を閉鎖したりして水位を調節する設備。水の上でぶつぶつ見えるのは水鳥(鴨)。
荒川ロックゲートのなか

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正面の門とこの写真の後ろ側の(先ほどの写真に写っていた)門の間をプールのようにして水面の高さを調節、船が出ていく側の水面の高さに合わせて通行可能なようにしている。
例によって解説板を貼っておく

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ロックゲートの上流側は都営地下鉄新宿線荒川中川橋梁

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この写真の左手前側に東大島駅があるが、この駅は旧中川を跨いだ形で造られている。
その上流はすぐに船堀橋
船堀橋

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新大橋通りが通る。長さ524mのゲルバー式吊補鋼桁・活荷重合成単純鋼箱桁形式の橋。(よくわからん。仔細に見ると手前側と向こう側で桁の形が異なるのでそのことか?)
荒川大橋

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荒川に架かる荒川大橋というのは複数存在するようだが、これは首都高速小松川線の橋。ほかの斜張橋よりもシンプルにみえるのはワイヤーケーブルではなく、鋼管を使って張っているためである。
小松川橋、小松川

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それぞれ新小松川大橋、小松川大橋とも呼ばれる。首都高の上流側すぐのところにある京葉道路国道14号)が通る、2本の橋。上下線で別の名前になっている。写真で手前に写っているのが新小松川橋。
5キロポストと川の様子

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このあたりは荒川右岸側も江戸川区。河川敷はどこもグラウンドが多い。向こうに荒川が流れ、荒川、中川の間の堤防の上を首都高速中央環状線が通る。荒川下流域のデフォルト風景。
JR総武線橋梁

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大きな川をあるいていると、遠くに橋などが見えてきてもなかなか近づいてこない、風景の変化が超スロー、という現象につける名前は知らないけれど、このあたりで少し変化がほしくなるのである。
平井大

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小松川橋とそっくりだな、と思いつつ。こちらは蔵前橋通りが通る。
変化をつけるためこの橋を渡り、途中の荒川と中川の間にある堤防に出ることにする。
平井大橋西詰から堤防の外側

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橋のうえから荒川上流側

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橋の途中、首都高速入口の隣りに、間の堤防に下りる通路がある。
そこを下りると

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真上に首都高がかぶさる。右側に見えるのは中川。首都高の真下をずっと歩いて行くと右側
中川に上平井水門

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大雨、高潮などで下流側の河川水位が上昇したときに、この水門を閉鎖して上流の水害を抑えるために造られた。このあたりいわゆるゼロメートル地帯で地盤が低く、水害対策。またこの水門のすぐ上流では中川と綾瀬川が合流しているので、2つの河川の流域を守ることができる。
左上に見えるのは首都高の橋で、綾瀬川を跨いでいる。合流前の中川はここから荒川と離れ、東方向にくねくねと蛇行を繰り返す、昔の中川の流路となる。
綾瀬川と中川の合流点

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綾瀬川、右中川。中川に架かる橋が上平井橋。上は首都高速環状線で、この真上あたりが先ほどの斜張橋になっているはず。高速は大渋滞でトラック、トレーラーが数珠つなぎ、歩く速度と同じくらいなのでいつも同じトラックが隣に見えてた。
荒川と綾瀬川の間を歩く

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平井大橋を渡って真ん中の堤防に移ったが、その先橋がなくてずっと真ん中を歩いていた(一休さんの問答みたいだな)。木根川橋を渡って荒川右岸へ移動。
木根川橋

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木根川橋のうえから、隣の京成押上線荒川橋梁

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京成線橋梁の先は新四ツ木橋と四ツ木
四ツ木

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四ツ木

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2つの橋はいずれも国道6号が通るが、上下線を分離して通しているわけではない。新四ツ木橋は四ツ木橋のバイパス的な扱い。(自分は実際に車で通ることはほとんどないので、実状は不明。)
河口から9kポストと四ツ木

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その先、今度は2階建ての橋が現れた。
新荒川橋

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向こう側首都高の堀切ジャンクションで分岐する首都高速6号向島線の道路が進行方向によって上下に分かれて渡っている。
隅田水門の解説板

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新荒川橋のすぐ近くに隅田水門がある。解説板にも書かれているが、この場所は荒川放水路ができる前は綾瀬川が隅田川に合流する場所だった。現在は荒川と隅田川の水位調整のため、水門が設けられている。(水門周辺が工事中でうまく写真が撮影できず)
水門の先には堀切橋と京成本線荒川橋梁

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手前が堀切橋。ここを渡るのだが迷った。橋を渡るためのアプローチ道路には、まったく歩道がなかったのだが、これを進むのが正解。歩く人はどこか別に通路があると思ったが、ここにはそんな甘い考えはなかった。いまどきいけてない道路構造である。橋自体は両側に歩道はあるので渡るには支障はない。
堀切橋のうえから、隣は京成本線

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さらに対岸(荒川と綾瀬川の間の堤防)に渡って河川敷に下りるのにもアプローチが悪い。いつの間にか踏み分け道になっている土手を下りて橋の下をくぐることになった。(後からGoogle Earthなど見ながら考えると、川の両岸とも以前は京成線に踏切が存在したのではないかと想像。それが廃止されて現在の状態?)
やっとたどり着いた堤防のうえ

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左は荒川、右は綾瀬川綾瀬川は写真でも分かるが、この地点から荒川と離れてゆく。間に立っているのが国土交通省綾瀬排水機場の建物。ここで綾瀬川と荒川の間の水量が調整され、状況に応じて綾瀬川の水を荒川に流したり、あるいは水門を閉鎖して水の流れを止めたりすることができる、水害防止のための施設。
荒川に沿って歩いていく。
綾瀬川の放流口と水門

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東武線、つくばエクスプレス、JR常磐線と地下鉄千代田線の橋梁(群)

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鉄道の橋梁がたくさん見える。本日の終了予定地点である小菅だ。
東武スカイツリーライン小菅駅

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川を通る結構強い風に正面から半日あおられて、眼をやられる。ドライアイのひどい状態。(次回は風の弱い日を選ぶはずが、また風に吹かれて、荒川は風の強いところというイメージが自分の中に完成した。)
この日は18.9kmの歩行距離となった。