散歩の途中

散歩の途中で観察記録、その後少し調べて書くノート

荒川を歩く その5 笹目橋から羽根倉橋まで

6月に河口から歩き始めた荒川、東京・埼玉の境界、笹目橋まで来ていました。
8月に笹目橋上流側にある彩湖へ寄り道しましたが、荒川本流のほうを歩かないままで10月になってしまいました。
最近ようやく笹目橋の先を歩いてきましたので忘れないうちに記録残しておきます。

今回は東京都板橋区と埼玉県戸田市境界、笹目橋を起点に、川越市さいたま市西区境界を通る上江橋(かみごうばし)までの区間を歩きました。
そのうち本ノート〈荒川を歩く その5〉は途中羽根倉橋まで、一旦区切って上江橋までを〈その6〉とします。

 

荒川へのアプローチは彩湖一周したときと同じ都営三田線終点、西高島平から。駅近くの三園2丁目交差点を北へ笹目橋へ出ます。

笹目橋へ向かう新大宮バイパス、上は首都高速5号池袋線

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荒川堤防に上がる前、南側を荒川と並行して流れる新河岸川

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荒川右岸堤防から望む笹目橋

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彩湖荒川第一調節池の貯水池)を一周したときは橋を渡って荒川左岸側へ出ましたが、今回はずっと右岸側を歩きます。
ちょうど距離標識があり、〈海から〉28.8kmを示していました。
左が上流方向。

 

河川敷から対岸方向

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河川敷、グラウンドの向こうには彩湖の排水門(本来は彩湖を含めた一帯、第一調節池全体の排水門で名称は第一調節池排水門)、その左右に囲繞堤(いぎょうてい)が延び、左には幸魂大橋(さきたまおおはし)の主塔やケーブルが見えてます。

 

幸魂大橋に近づきます。荒川堤防の外側(左)に新河岸川、右荒川、正面が幸魂大橋。
橋と2つの川をいっしょに収めたつもり(和光市新倉付近)

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荒川の流れと
幸魂大橋手前

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越えてから

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荒川の流れの向こうに彩湖がありますが、その間の囲繞堤(いぎょうてい)と呼ばれる、荒川本流と調節池・彩湖を仕切る堤防で彩湖の様子はこちら側の堤防上から一切見ることはできないのでした。

幸魂大橋は新河岸川、荒川と彩湖を一気に渡っています。橋長は1485.9m、東京外環自動車道国道298号が通ります。

 

上流へほどなく朝霞水門(左)

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右は荒川、向こうが上流。

 

近くから

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日本最大級の水門で、幅は52mあるそうです。

新河岸川はかつてこの付近で荒川に合流していましたが、昭和初期頃の河川改修で流れが分離され、荒川の南側を流れて隅田川へつながるようになりました。
朝霞水門は新河岸川の増水時、水を荒川へ分派して(引き込んで)新河岸川流域の浸水被害を防ぐ目的で1995年に設けられました。
普段水門のゲートは閉まってますが、増水時にゲートが開かれます。

ちなみに上で写っているのは荒川の河川敷側、水門の左外側に新河岸川からの水路があります。ゲートは閉まってます。

 

朝霞水門ゲート付近から、向こうが荒川

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下に写っているのが鋼製の水門ゲート(の上部)、前方が荒川、向こうの幸魂大橋へ下流方向。

 

朝霞水門から上流側は新河岸川も離れて荒川単独の流れとなります。
堤防上から(朝霞市下内間木付近)

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右側広い河川敷はゴルフ場、左は住宅が並んでます。流れの向こうには彩湖がまだあるはずですが、荒川の流れすら見えません。

 

JR武蔵野線荒川橋梁近くから

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右岸から囲繞堤までがトラス橋、その先は左岸まで桁橋として続いています。
橋梁の長さは1292m、鉄道橋梁として日本有数の長さです。

荒川本流の向こう側は引き続き荒川第一調節池で、この橋の下流側から彩湖になり、水が貯まってます。

 

武蔵野線橋梁上流側から

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こちらの水門は支流の鴨川合流地点、囲繞堤に設けられた”さくらそう水門”。周辺にさくらそうの自生地があります。以前彩湖一周したときに水門側を通りました。

 

少し行くと秋ヶ瀬橋
右岸堤防付近

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向こうへ続く

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埼玉県内では荒川の河川敷幅が非常に広く、そこを渡る橋はみんな長大です。
秋ヶ瀬橋も全長1045m、荒川、荒川第一調節池、鴨川放水路を跨いでいます。上の写真では調節地手前の囲繞堤あたりまでしか橋が写ってませんが、その先にも続いています。

通っているのは埼玉県道79号、40号(志木街道)。荒川河口からは34.4㎞地点、左岸はさいたま市桜区、右岸は志木市となります。

 

秋ヶ瀬橋を越えると河川敷には稲刈りの終わった田んぼ

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向こう右には秋ヶ瀬取水堰、その管理橋が横に長くのびています。

 

秋ヶ瀬取水堰

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位置を変えて

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取水堰というくらいなので水を取ってます。東京都と埼玉県の水道用水、工業用水になり、その他彩湖の貯水、近隣河川の浄化などにも使用されてます。
水道水、工業用水用には東京都側は朝霞浄水場、埼玉県側は大久保浄水場へ送られます。

この日は川の水量も多く、濁ってますね。それでもゲートは左端を除いてすべて閉じているように見えます。(可動堰なのでゲートを調節して水位を変えることなどが可能です。)

 

堰の上流側から

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手前に橋が延びてます。

その先は堤防まで続いてます。

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堰の管理のため職員が利用する橋ですが、河川敷が洪水になっても支障ないように設けられているのだそうです。堤防まで距離があるので長い橋です。

 

実際に水を取り込むのは堰のちょっと上流側にあるこちらの水門からです

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堰との位置関係はこれでわかるでしょうか

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こちらは東京都側、朝霞浄水場へ送られる水の取水口になります。

埼玉県側の取水口は対岸にあるとのことで、1つ前の絵、向こう岸の小さなあれ(樋門?)がそれでしょうか?

 

秋ヶ瀬取水堰から上流へ、また進みます。

500mほどでしょうか、横堤(よこてい)というものを見つけました。
横堤、下流側から

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やや分かりにくいかもしれませんが、左向こうから右手前へ堤防が延びてきて切れてます。左の先は右岸の本堤防までのびています。

同じものを上流側から

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横堤(よこてい)は、本堤防から直角(T字型)に突き出した堤防、手前側に見えているのはその先端部ということになります。

荒川河川事務所の説明を引用しちゃうと

連続堤防から河川敷に直角方向に堤防がつき出しています。これが横堤と言われる荒川の特徴的な堤防であり、荒川の中流域に25箇所(左岸13箇所、右岸12箇所)現存しています。
横堤は、上流からの洪水流が及ぼす下流への被害を最小限に防ぐための調節・遊水機能を果たすほか、流速を軽減させて高水敷や耕作地を保護する役割を担っています。

洪水時、横提内に水が入り込んで溜まるよう設計しているのですね。その代わり広大な河川敷が必要ではあります。大正から昭和初期の河川改修時に設けられたものです。

名前が付けられていて、上の堤は”宗岡第二横堤”。

 

横提と横提の間、洪水時に水がたまるところ

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普段は公園や農地になっていますが、ひとたび洪水となればこの広い範囲に水がたまり、下流側の氾濫防止に効果があります。

 

そのまま河川敷の道路を歩き、秋ヶ瀬スポーツ公園などを通過すると羽根倉橋が見えてきます。

河川敷道路、前方は羽根倉橋

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橋左方、道路取付け部分の土台も横堤(南畑横堤)を利用したものです。

近づいて横提の突端あたり

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いったん休憩、橋の先へは次回〈その6〉で。

 

荒川・笹目橋から上江橋、歩いた地図
途中の黄色○が羽根倉橋

 

荒川歩いた分(2020年)へのリンクを
河口から3㎞地点(小松川)まで

荒川を河口から歩く その1 河口から3㎞地点まで - 散歩の途中

小松川から千住

荒川を河口から歩く その2 小松川から千住まで - 散歩の途中

千住から新荒川大橋

荒川を河口から歩く その3 千住から左岸を新荒川大橋まで - 散歩の途中

新荒川大橋から笹目橋

荒川を河口から歩く その4 新荒川大橋から笹目橋 - 散歩の途中

〈はみだし編〉彩湖一周

荒川を歩く 〈はみだし編〉 彩湖一周 - 散歩の途中

 

続き

荒川を歩く その6 羽根倉橋から上江橋まで - 散歩の途中