蓼川と書いて「たてかわ」と読みます。引地川水系の支流のひとつで神奈川県中部、主に綾瀬市内を流れ、藤沢市に入ってすぐ引地川に合流します。以前は「綾瀬川」と呼ばれていたこともあったようです。
今回は引地川との合流地点から上流にさかのぼって蓼川を歩いたふうに仕立てます。実は素直に歩いたわけじゃないのですが、編集都合上そういうことにしておいてください。
後半、源流部の記述、写真を追加、変更しました。(19/5/12)
地図には蓼川流路と丸囲み数字で写真の撮影位置を示しました。数字はノート内のカッコつき番号と合わせてます。
<蓼川>
蓼川が合流する引地川、2年ほど前に歩いたときのノートへのリンクを置いておきます。
引地川を歩く 相模原台地から流れ下る川その1 - 散歩の途中
今回のアプローチは小田急江ノ島線長後(ちょうご)から (1)
駅から西へ1㎞ほど行くと引地川が見えてきます。
藤沢市下土棚、引地川の氾濫原 (2)
何もないですね。
別に放置されているわけではなく、この周辺一帯はずっと河川改修工事中、水害対策で大規模な遊水池(調整池)の整備を行っています。
向こうに黒くビニールで覆われた土のうが積まれ、その向こうを川が流れています。
右方向が上流、そちらへ進み六会橋を渡ります。
橋を渡って上流方向へ (3)
引地川と蓼川の合流地点になります。このあたりも遊水池整備関連工事中です。
左、橋の架かっている方が蓼川になります。そちらへ工事現場を迂回しながら進みます、というより写っている橋が工事期間中の仮橋として迂回用に架けられています。
蓼川に入って合流地点方向を振り返り (4)
蓼川に入ってもこの付近は工事の影響を被っています。
ちょうどこの付近が藤沢市・綾瀬市境界です。これより上流の蓼川はずっと綾瀬市を流れます。
やぶね公園付近 (5)
同じく下流方向を見て (6)
そこからさらに上流側へ進んで (7)
ごく最近に整備されて、ごく普通の都市河川となった感じです。
正面向こう、学校の校舎手前には支流の比留川(ひるかわ)が合流しています。
蓼川・比留川合流 (8)
右が蓼川です。
合流点すぐ上流側から (9)
合流点には松山橋が架かっています。
この上流側で川は綾南公園に入ります。
綾南公園内から蓼川上流方向 (10)
同じく下流方向 (11)
公園をぬけて上流側へ進みます。
中川橋と東海道新幹線高架など(綾瀬市落合南9丁目付近)(12)
中川橋上から上流 (13)
向こう新幹線の橋梁、川沿いを歩けるのはそのあたりまでです。
これより上流側ではいろいろハザードがあって川の姿がなかなかとらえられませんでした。
一気に1㎞くらい上流に飛びます。
小田急藤沢ゴルフクラブコース内を川が流れています。
近くの一般道から (14)
左上はゴルフ場内のコース間をつないでいる橋です。
ここより上流側は川自身が削ってできた谷底を行きます。深い谷ではありませんが木が茂りうす暗いところもあります。蛇足ですがこの付近の地名は「深谷」ですけど。
開発されず、古くからの野の川と見えるところもありますが (15)
その反対側を向くと (16)
川沿いは市街化調整区域なのでしょうか。重機の置き場だったり、解体業や廃棄物処理、資源リサイクルといった業者の事業場になっているところが多い印象です。川と道路の間にそのような業者の敷地があるのでなかなか川へ近づくことができません。
時々川を渡る橋があってそこから様子を伺います。
脇に導水管の通る古い橋 (17)
ここも向こうのフェンス内は廃タイヤやプレスして固めた金属塊が置かれてます。
橋の上から下流側 (18)
ここで橋を渡って上流へ行くと道が途切れてしまうので、引き返し一般道に出て綾瀬大橋を渡る道路へ向かいます。
綾瀬大橋上から (19)
蓼川が台地を削った谷の上をひとまたぎしている、1990年頃できた橋です。
橋の上から流れを確認 (20)
上流方向です。下流側は木や草が繁って水面を確認できません。
これより上流側は林などに阻まれ、さらに先では米軍厚木基地の敷地内に入っていくため追いかけることができません。
上流側で川が見える場所まで移動します。
基地のフェンス沿いに (21)
米海軍厚木航空施設、海上自衛隊厚木航空基地。
正門前です (22)
厚木飛行場を持つこの基地は大和市と綾瀬市にまたがっていますが厚木市にはかかっていません。
北側へまわってしばらく行くと、基地のゴルフコース内を流れている蓼川が現れます。長い迂回だったぜ…
フェンス越しに (23)
向こうが下流方向になります。
もう少し近くから (24)
歩道のない道路ごしに立っている金属フェンスの間にカメラを押し付けて撮影、場所が場所だけに十分怪しいやつ判定されそうです。ここはさっさと引き揚げます。
でも残念なのは、基地の上流側で川は暗渠になってしまい、流れの痕跡も見られなくなってしまいます。
車止めのある歩道下が流路らしい (25)
道は奥にある中学校につながってますが、歩道の下におそらくパイプが埋められて、それが厚木基地のゴルフコースの水の出口まで伸びていると考えられます。
先へ回り込んでその中学校のグラウンド越しに (26)
高いフェンスの向こう側が谷間になって、その向こうは東名高速道路です。その谷間に流れがあるようですが到達方法がわからずでした。
近くで東名高速をまたぐ陸橋を渡ります。名前が「蓼川橋」でした。
蓼川橋 (27)
橋から下をのぞき込むと東名高速の北側(写真では橋の手前側)に道路と並行に川の流れが確認できました。
川はコンクリートで固められ、上部に梁を渡した”はしご式”開渠になっていました。((24)の写真にあるのと同じ構造です。)
周囲は鬱蒼としてとても近づける雰囲気ではなく、暗くて写真にも残せませんでした。
ここで一旦、近くに源のある支流を訪ねてみます。
東名高速の道路下で合流しているらしい支流の源頭、水の流れが谷を刻み出す場所を確認できました。
すりばち状に窪んだ底に湧き水があり、正面向こうへ流れができています。(見えませんが)
水が流れ出す先、その谷底へ回ってみると (29)
向こうが源頭部、そこからフェンスの向こう側、通路の下を水が通っているようです。この背後からはU字溝になっていました。
最初に訪れたときに見失っていた本流側をもう少し上流へ追いかけました。
蓼川橋で東名の北側に確認できた流れは、北へ向かって小学校敷地の東側を通り、東急リネンサプライ工場の脇へ出てきます。
工場の西側で (30)
向こうが下流(南)方向。水は流れるというより溜まっている感じです。
この工場脇部分までが開渠で、その上流側は暗渠となって道路と一体化します。
暗渠から開渠に変わる手前から (31)
下流方向を見ています。手前道路左端の下が流路、先を横切る道路の向こう、緑の柵から開渠になって白い柵沿いに流れて行きます。実際には水は流れていませんでしたが。
上流方向を見る (32)
コンクリート蓋がまっすぐ向こうへ続いています。
一番向こうに茶色っぽい建物がありますが、そこまで続いています。
そこまで近づいて (33)
建物手前を左右(東西)に県道(厚木街道)が通っていて、こちら側からは上り坂になっています。
右側が流れということになりますが、すでに雨水を回収しているだけの雰囲気です。
この付近が源かと思われます。
県道に出て東側から西向きに (34)
北から南へ流れる蓼川源流部の削った窪地によって道が凹んでいます。
跳ねるまぐろの後方が先の写真に写っている建物で、ちょうどその付近が谷底になっています。
県道北側は百メートル弱で相鉄線線路が横切っていますが、ちょうど線路まで傾斜、その先は平坦な台地でした。
これは土地起伏図でも確認でき、この付近が蓼川本流の源になります。
ということで蓼川でした。
源流部分文章、写真少し追加しました。