多摩川ではなく、玉川上水でもない、神奈川県を流れる相模川水系の玉川を歩きました。
この川、昔は現在とだいぶ流路が違い、相模川に合流していませんでした。そちら旧流路跡はその2以降で、今回は現在の流路を上流に向かってたどって行きます。
玉川・新旧流路地図
今回歩いたのは現流路(青色系)に沿ってです。
少し言い訳を。玉川を歩いた記録ですが、タイトルで”七沢川”は上流部の玉川の別称です。”山の神沢”は七沢川を源流までさかのぼる道が進入禁止になっていたため、別の沢を登ったからですが、道を間違えたという噂もあるようです。
それでは下流側から。
玉川が相模川に合流するのは、新東名高速道路の新相模川橋橋梁すぐ南側、圏央道との海老名南JCT付近です。
歩いて確認するには新東名の南側を通る神奈川県道22号(横浜伊勢原線)、神川橋からが適当でしょうか。
県道22号・神川橋から(海老名市・厚木市境界)
下は相模川、右隣りの橋が新東名。
この日は雪をかぶった富士山が見えました。(前の鉄塔がずっと富士山にかかって邪魔)
台風19号のあとですが、この付近の相模川はそれほど荒れていませんでした。
玉川合流地点
相模川の水が、台風以来まだ濁っているのか、新たな雨でまた濁ったのか。
玉川側は濁りはありません。
新東名新相模川橋付近から
台風時は河川敷手前の道路より上までは水があがったようです。
相模川から離れてさかのぼっていきます。
玉川最下流にかかる酒井橋から
いちばん下流はこんなかんじ。向こうにはまだ新東名が。
こちら玉川は台風による影響はあまり見られませんでした。それほど増水することもなかったようです。
左側に写っている大きな建物は神奈川食肉センター。近づくと生きた豚を積んだトラックが横付けされています。中のブタくんと目が合ってしまい、その時は何とも言えない気分になりましたが、今後ともお世話になるものですので。
食肉センター付近が支流の恩曽川(おんぞがわ)合流地点です
右から流れ込んでくるのが恩曽川。両河川とも厚木市内に源流があります。それと、相模川合流点からここまでは元々恩曽川単独の流路でした。氾濫、水害の多かった玉川は昭和20年頃、流路が付け替えられ、ここで恩曽川と合流することになりました。
合流するようになったら、この下流も”玉川”に、名前も奪っちゃってますね。
2つの川をまたいでいる青いアーチ橋は神奈川県広域水道企業団玉川水管橋です。
玉川のほうをさかのぼると、小田急線、続いて国道246号と東名高速道路の下をくぐります。
向こう側は白いチューブのような東名高速道路防音壁。
東名高速を越えたところから上流方向
ここから上流側は前方の大山に向かって直線化された流路がしばらく続きます。周囲も田畑が増え、のどかになっていきます。
柳橋から上流方向
右の小さな流れは相模川右岸用水の末流
玉川本流は白いガードレールの向こう。ここの用水の流れ(相模原市内で取水された農業用水、この近くの堰で一部分けられた流れで、不要になった分)はこの背後で玉川に落とされています。
古い橋も健在、川久保橋
古いといっても、新流路に付け替えられた後にできた橋。親柱に昭和31年竣功と記されていました。
籠堰橋(かごせきばし)付近
古い玉川の流路はちょうどこの付近で現流路を斜めに横切っていました。
旧流路部分は現在も水路として水が流れており、その取り入れ口が堰の下、向こう護岸の下にあります。堰で取水されています。暗くてわかりづらいですが、向こう側護岸下にあいている口は余水吐きかと。
旧流路跡はのちほど改めて歩いたものを出します。
改修後の流路をさらにさかのぼります。
宮前橋下流側から
橋を渡って左方向へ行くと小野神社があるので宮前橋。渡っている道は八王子通り大山道、八王子方面から大山へ向かう古い道です。
こちらにも出てきます。↓
八王子通り大山道を歩く その3 愛川・中津から伊勢原・柏尾通り合流まで - 散歩の途中
小野橋下流側から
県道など交通量の多い道路が橋をはさんで交差しているのでここは車が多いです。
また、小野橋の上流側で森の里方面から流れてくる支流の細田川が合流しています。
小野橋から500mほど上流(厚木市小野)
向こうの川の中に段差があるあたりから下流、昭和20年頃、改修で流路が付け替えられました。それ以前は写真右側へ蛇行していたようです。川とともに周辺の水田の区画なども改修されていて、現在、古い川の痕跡はこのあたり確認できません。
厚木市七沢地域に入って
正面の建物は玉川小学校校舎。この付近から急に山が間近にせまってきます。
玉川小学校前まで来て
日向川、七沢川合流
左が日向川(ひなたがわ)、右が七沢川、正式には玉川ですが、これより上流の橋など「七沢川」と表記されています。
右前方の橋へ移動して
下流側を振り返る
この左側に小学校があります。2つの橋とも通学路になっていると思われます。
川沿いの道がなくなって、県道をちょっと歩きます。
東丹沢七沢温泉郷のゲート
厚木市のこの周辺、規模は小さいながらいくつか温泉があります。
川の周辺も傾斜地になってきます
向こうに見える大山も手前の山が近づいてしだいに見えなくなってきます。
”サカリマス蔵元”の文字を向こうに
黄金井酒造、盛升を醸す酒造所です。残念ながらまだ飲んだことがありません。
手前を横切っているのが七沢川(玉川)。
広沢寺(こうたくじ)温泉へ向かう道路から
川は広沢寺温泉方面へ向かいます。道路左側の稲田の向こう、森との境に流れがあります。
正面の山は鐘ヶ嶽(かねがたけ)だと思いますが、間違ってたらごめんなさい。
広沢寺温泉入口
橋の下を川が流れます。右側の平らな道を行くと1軒宿の温泉旅館と広沢寺です。
橋を渡って先へ。
つりぼり、川魚料理の看板があり、そこへ入ったところ
川は渓流のようになってました。
釣り堀などはこの左側にあります。(休業日だったようで)
もう少し奥へ入ります。
道を間違えたところ
七沢川(玉川)源流へ行くには閉まっているゲートの先へ行くのが正解でしたが、事前調査の詰めがあまく、右の道路へ行ってしまいました。
閉まっているゲートは動物除けなのでカギはかかってなく、開け閉めして通ればオッケーですが、この時は(たぶん台風による)土砂崩れで車両通行止めになっていました。そもそもこの時は源流方面へは行かれなかったかもしれないです。
右の道へ行っても沢があり、林道も続いています。
そちらの沢は
山の神沢
途中、ダムとも堰とも、檻?
しだいに標高をあげ、森の中へ入っていきます。
二の足林道に入ります
林道の橋
だいぶ流れも細くなってきました
雨が多かったので水量は豊富です
車両通行止めのゲート
林道はまだ先に続き、歩いてなら先へ行かれますが、流れを追うのはここまでにしました。
沢の流れも地図上ではこの近くに源があるようです。ただし正確には七沢川(玉川)の源流側ではないですが、Googleマップでは「七沢川」と記されていました。
来た道を引き返しつつ秋景色(575)
最後に広沢寺に寄って帰りました。
その2は旧流路を歩きます。