散歩の途中

散歩の途中で観察記録、その後少し調べて書くノート

寄を歩く その1 《神奈川県松田町》

「寄」と書いて読みは『やどりき』
神奈川県松田町の北部にあってまわりは山に囲まれています。

地図で示すと

1955年3月までは「寄村」が存在しましたが翌月に松田町と合併しました。〈地図で示された範囲はかつての寄村と一致してます〉

最近、単独の村がかつて存在していたところをいくつか訪ね歩いていて、今回もそのひとつです。
ただ寄にはすでに1度訪れたことがあり、ノートにもしたためていました。

前回も冬の訪問、このときはとなりの秦野市から山の尾根を越えて往復して歩いてます。
今回も還りは秦野(渋沢)へ尾根をこえて歩きましたが、往きは寄の集落までバスを使いました。その分、案外広い寄のなかを歩きまわれました。〈あまり人里離れたところまでは行ってませんが〉

 

新松田駅前から乗った寄行きバスは国道の寄入口交差点を折れると途端に山道モード、右へ左への急カーブを走りぬけ、それでも20分ほどで田代向というバス停に着きました。
田代向バス停

 

バス停付近で突き当たる道を西へ歩き出すとすぐ橋があります。

中津川・田代橋上から南の下流方向を見て

あちら側からバスでやってきました。

 

橋を渡って「シダンゴ山・宮地山ハイキングコース」に入ります。
ハイキングも登山もしません、少し通るだけです。

坂道を上がりつつバスから降りたあたりを

 

少し行くと
ハイキングコースとの分岐点

『宮地集落』から登ってきてハイキングコースは右後方へ、自分は前方へ下ります。

 

聖心丹沢学舎の入口前を通過しました

聖心は東京広尾にある聖心女子学院、ここは校外学習や研修合宿などに利用される施設でした。
2020年に閉館されてしまったそうですが奥に建物が残っているのが見えます。

 

聖心丹沢学舎近くの茶畑

この一帯は足柄茶の産地です。

さっき登った分を急坂で下っていきます


下りきると川(虫沢川)、虫沢という小さな集落に出ていきます。
虫沢橋のたもと

奥にみえる山は高松山(801m)かな。

 

虫沢集落の奥まで川沿いを1往復

小さな沢との合流点

右に見えてきた山はタケ山(710m)らしい。
このあたりのそんなに高くない山はみんなハイキングコースに組み込まれているようです。

 

集落の家が尽きるところまで行ってふり返り

この背後は林道?、うす暗い森の中に入っていくのでここで引き返します。

途中の長寿橋近くまで戻ると
木彫りのうさぎがお出迎え

どこかで見たことあるようなポーズ。よくできてますね。

下に案内が出ている変わった名前の道、読んでみます。

ようこそ「はなじょろ道」へ

はなじょろ道の由来
はなじょろ道は、ヒネゴ沢より共和の八丁に通ずる道路であったが近年では、国道246号線等が整備拡充されたこともあって、時に鉄砲道と言って狩りをする人が、たまに通る道で荒れ放題であった。
昔は、共和村等との婚姻関係もあり、花嫁さんがここを通って寄方面に来たのでこの名がつけられた。
平成21年「虫沢古道を守る会」が往時と先人の労苦を偲んで虫沢から八丁の皆瀬川に至る総延長約5kmの道を間伐材等を利用して整備したものです。
平成22年4月吉日  虫沢古道を守る会
《以下略》

 

もう少しだけ虫沢集落内を徘徊して
虫沢橋にもどってきました


さらに虫沢川沿いの道を下って中津川との合流点まで行きます。

見ているのは上流方向


合流点近くで勢いよく流れ込んできた水量豊富な沢


次は寄の中央部を北から南に流れる中津川をしばらくさかのぼって歩きます。

右の枯れ草の間を流れるのが中津川

前方の赤い橋はここに到着後すぐ渡った田代橋。再び渡って川左岸側をさかのぼります。

 

虫沢川との合流点から1㎞ほどさかのぼったところ


水辺に近づいて

この中津川は鍋割山〈前方いちばん奥に少しだけ頭を出してる山かも〉中腹を源とするいくつかの沢が集まり流れくだってきます。
水は見てのとおり澄んで清らかですが、川底や河原の石はほんの少しだけ緑色をしているように見えました。〈写真ではわかりにくいと思いますが〉
この一帯の岩石はグリーンタフ(緑色凝灰岩)を多く含んで、岩が細かく崩れて川に流れ出すと文字通り緑色に染まるようです。

 

さらにさかのぼると前方に橋が現れます。
大寺橋の下流側から


橋のたもとから道路交差点方向

前方赤く帯を巻いたような建物は「寄自然休養村管理センター」、その前の小さな広場が寄バス停(新松田から来るバスの終点)です。右側見切れてますが駐車場やグラウンドなどがあって観光や登山、魚釣りなどの拠点になっているところです。

また、右端奥のほう山の斜面はロウバイ園が広がってます。花の見頃は1月から2月くらい、前回訪れた時はちょうど見頃でたくさん観光客がいました。
今回きちんと確認してませんが、花はまだのようでした。

 

こちらも大寺橋近く、川の上流方向

右の道路を前方へ進みます。

これより先は人家などもしだいに減って、山あいへ入っていきます。


中津川を横切る方向(西向きに)

 

しだいに傾斜がきつくなっていきます。
川の落差工も段差が大きくなって滝のよう


その上流側

右側はキャンプ場、河原は重機が入ったのでしょうか、砂利などが端に寄せられてます。

河原に細長く続くキャンプサイト、なんかいますよ

鹿?...木でできてました

 

道幅は狭くなって杉林や森の中を通ります

下側、カーブミラーがあって林道(三廻部(みくるべ)林道)の分岐点です。

林道分岐点からほどなく
川の上流に赤い橋が見えてきます


寄大橋


橋近くから

下に河原、杉の森、左側がおそらくシダンゴ山〈その向こうは名称不明〉
しだんごやま、変わった名前です。ハイキングコースが通っていて手軽に登れるようです。山頂からの展望が良いとか

寄大橋上から中津川下流方向


こちらは上流方向

広い河原です。中津川はこれより上流「寄沢」と名前を変え、2~3km先が源流のようです。ここまで中津川を4㎞以上さかのぼりました。

渡り終えてふり返る

正面の山が鍋割山(1272.4m)でしょう。

橋の先には林道のゲート

この先は秦野峠林道となります。

林道のゲートは普通閉まっていることがほとんどですが、この道は数年前の大雨で路肩崩落があって以来通行止が続いてます。
「通行止」「通りぬけ出来ません」の文字に加え「銃器による鳥獣捕獲実施中」の幟、柵の向こうへ行くと二度と戻ってこれない雰囲気。

この先行ってはならぬ道?


寄大橋を渡って引き返します

久々にスマホ電波圏外になったこのあたりでひとまず休憩します。

 

続きはたぶん年明けです。よいお年を