散歩の途中

散歩の途中で観察記録、その後少し調べて書くノート

多摩丘陵から日野台地へ渡り、段丘を歩く

多摩センターをスタートして多摩丘陵に上がり、長沼公園から一気に浅川まで下って対岸、日野台地へ、豊富な湧水と崖線からの景色を見ながら歩いた記録、備忘録です。

多摩丘陵・日野台地 足あと

 

スタートは多摩センター駅

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駅出口からパルテノン大通り方面。
本日はこれとは反対側、駅付近はちょっと地味な北側へまわります。

 

多摩モノレールに沿って行くと早速歩道は上り坂。

多摩センター駅方面を振り返って

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モノレール次の駅、松が谷の手前で左(西)に折れて「松が谷遊歩道 さんぽみち」に入ります。

松が谷遊歩道から

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都立松が谷高校付近まで来るといわゆるニュータウン地区からはずれ、遊歩道も終わりです。

遊歩道の終点付近からこの先進む方向を眺めて

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いったん谷へ下り、向こうの緑深い丘のほうを目指して進みます。たぶんあっちの方。

 

丘陵に谷間ができるのは大抵、川が流れているからです。
大栗川を渡る

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渡っている橋は新道橋、渡るとすぐに八王子堀之内交差点でこれを越えます。

大栗川も歩いてます。

大栗川を歩く 多摩川から上流端までと少しだけ絹の道 - 散歩の途中

 

細いけどまっすぐな道、来た方を振り返って

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何か謂れのありそうなまっすぐな道ですが、わかりません。

 

途中で折れて平山通り(都道155号)を渡り、昔からの風景が残る里山といったところを行きます。
桑畑が残っていたり。

そういえば八王子は昔、桑都(そうと)と言って養蚕の盛んな土地でしたが、現在も続けられているのですね。

上に伸びているのも桑の木のようです

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先へ進むと東京薬科大学前交差点に出ます。
この大学に何回か来たことがあります。自然に包まれた中にあるキャンパスで、まむしに注意っていう立て札、まだありますか?

さらに進んで南陽台という住宅地に入り、だんだん高度を上げて行きます。
住宅地のいちばん高い場所まで来てからさらに階段を上がると都立長沼公園に入ります。

長沼公園平山口の階段

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この付近が本日の多摩丘陵歩きでは一番高いところ、標高180m程度です。歩き始めが80m程度なので差し引き100mほど上ってきました。

この正面向こうには同じ都立公園、平山城址公園がありますが「現在、尾根道づたいに平山城址公園へ通りぬけることはできません。ご注意下さい。」の標示が立ってました。

 

長沼公園に入ったところが尾根、「野猿(やえん)の尾根道」に続く歩道が伸びています。

公園内の尾根道を歩く

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展望がひらけました(長沼公園展望園地から)

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正面はこれから行く日野台地、豊田方面です。
手前の方に浅川の流れが見えます。

これから一気に丘陵を下って浅川を渡ります。

 

野猿の尾根道(近くの野猿峠などを通る昔のハイキングコースの名残り)にちょっと出てから霧降の道という谷に下る公園内の道を行きます。

森の中、小さな沢沿いに下ります

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一番下まで下ったところが公園の入口

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公園の外から振り返って

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左側は先ほど下ってきた谷筋の沢水の流れです。

これを背後に行くと北野街道交差、京王線長沼駅、浅川長沼橋と連続しています。のどかなこの景色から3分ほどで駅に着けます。

 

長沼橋から右浅川、左湯殿川合流

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多摩丘陵と日野台地の間を浅川が流れています。

同じく長沼橋から多摩丘陵方面を望む

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多摩丘陵側は段丘面はありませんが、これから向かう日野台地は昔の浅川の流れによって削られて何段かに分かれた面と崖線をつくっています。
崖線に名前はないようですが、階段のステップに相当する各面は名前がついています。
簡単に名称を紹介すると

一番下は、浅川の氾濫低地。

一段上がって豊田(とよだ)面。(その間に「栄町面」が存在する場所もありますが、全体にはっきりしないのでここでは無視します。)

豊田面の上段が多摩平(たまだいら)面。

最上段が日野台面ですが、今回は登場しません。
また日野台面と多摩平面の間ははっきりしないところもあります。それほど段差がないということです。

 

長沼橋を渡ると日野市に入ります。
橋を渡った場所は浅川の氾濫低地ですが、すぐに台地の豊田面に上がります。下の低地と豊田面の間に崖線が続きますが、段差はあまりありません。

豊田面と浅川氾濫低地の境界付近(日野市西平山3丁目付近)から南向きに

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足元の畑が豊田面上、その先で左右に崖線が通って一段低くなり、手前に家の屋根だけが見えます。あちらが川の低地(面)です。

遠く家が密集しているのは浅川の対岸、多摩丘陵です。

 

低地面と豊田面の間の崖線をもう少し先へ行くと、豊田面上で何かの発掘調査中でした。

発掘現場の一部(西平山1丁目)

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平山八幡神社近くの現在は空き地です。黒色表土と赤色のローム層境界付近を掘っているように見えましたが、お昼時で誰もいませんね、ほったらかし。ていうことは大したものはないっていうことか??

 

豊田面と下の低地境界の崖線はまだ先へ伸びていますが、いったん切り上げてその上面、多摩平(たまだいら)面との間にある崖線へ向かいます。

豊田面上にあるJR東日本豊田車両センター

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フェンスの隙間から覗き込んでます。

この左(北)側を中央線線路が通り、その向こう側に豊田面と多摩平面の間にある崖線が通ります。

 

多摩平面の先端から下位の豊田面にある車両基地を見る

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両面の比高は約10mとのこと。車止めの先は階段になっています。

この崖線に沿って北東方向へ行くと豊田駅に出ます。

 

豊田駅は北口が階段を上がって多摩平面、南口が階段を下りて豊田面にあります。
最後にまた駅に戻ってくるとして、駅前から崖線の下側を歩きます。

5分くらいの場所に池があります。
清水谷公園の池、手前から

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フェンスのところに親子の鴨がいました。向こうは湧水が溜まった池です。

湧水地点は確認できませんでしたが、池から流れ出す水の量は多く、豊富に水が湧き出していることがわかります。流れ出す水は川(黒川)となります。

この付近からずっと崖下には多くの湧水があり、一帯は公園になっています。

 

清水谷公園からすぐお隣り、
山王下公園手前

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湧水がつくった川が道路の下を流れ、湧水ポイントで水量を増しながら流れて行きます。

 

黒川清流公園にはいります。この周辺の緑地帯は東豊田緑地保全地域に指定され、自然が保護されています。
こちらも湧水による池

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崖下の湧水が合流しています

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いたるところに湧き水があります。

 

公園入口付近の様子

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清流を集めて

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地上、歩道に沿った人工水路ではまかないきれない量の水になり、大部分が地下暗渠を通る水路のほうへ落とされているようです。

 

保護区域(立ち入れない)

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黒川清流公園は中央線線路手前で終わりとなります。

公園末端部分

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ここへ流れてきた水は、手前で地下へ落とされたものとあわせて線路を越え、黒川用水として周辺の田畑で使用されているようです。

 

日野台地多摩平面と豊田面の境にいましたが、少し回って豊田面と浅川低地との境界へ行ってみます。

豊田面から浅川低地を望む

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東豊田4丁目付近の崖線沿いです。西平山、東平山付近で見た崖線の続きですが、段差はこちらの方が大きくなっています。

 

今度はここから一気に多摩平面を上がります。
坂道を上がり、国道20号日野バイパスを横切って北側へ出ます。

多摩平面から東側の低地、高幡、万願寺方向

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向こうに広がるのは浅川、多摩川の沖積地(氾濫低地)。川の低地から2段上がった場所、比高が大きくなり、だいぶ眺望が良くなりました。

 

近くに階段がありました。

一気に一番低いところまで下りられます

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高さ、20m以上ありそうです。

 

台地の縁を北側の中央自動車道の横まで行き、南の豊田方面へ戻ります。
日野市役所前から国道20号沿いに中央線線路を越え、多摩平面の上をそのまま今度は黒川清流公園の崖線の上側に沿って歩きます。

中央線と国道20号交差部から

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線路は手前で切通しになって、その上が多摩平面です。向こう側では線路は土手の上を通っていますが、その下が豊田面、その境界に崖線が通っていることになります。崖線直下を清流公園から流れ出た水が通り、ちょうど前を走る電車の最後尾の下あたりを横切っているはずです。

ここから線路を越えて右前の方、黒川清流公園の崖の上に沿って歩きます。

崖の上部も緑地が続いています

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時々崖下と上を結ぶ歩道があり、崖線の上側に沿っても歩道が伸びています。

斜面(崖線)上側の歩道

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上側は斜面に接して林、公園となってますが、斜面と反対側は普通に住宅地になっています。

 

崖下の湧水地帯へ下りる歩道

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こちらは東豊田緑地保全地域に入るため、歩道を逸れないよう柵が設けられています。

 

黒川緑地公園の領域から豊田駅側に近づいて

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豊田駅北口

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ちょうど段丘の境界に駅があるので、先ほども書きましたが、北口からホームへは階段を下り、南口からは階段を上がります。