真冬に多摩川右岸を遡って歩いていたとき、府中四谷橋の少し上流側で合流する2つの川に出会った。ひとつは程久保川(ほどくぼがわ)、もうひとつが浅川(あさかわ)だ。春の新緑の季節になったら浅川を陣馬山のふもとまで歩いてみようと、なんとなく決めてみたら思いがけなく春がやってきた。行かねば。
で、まず簡単に解説など。浅川は多摩川に流れ込む支流のうちで2番目に大きな川と言われ(一番は秋川らしい)、延長は約30km、源流は陣馬山(じんばさん)、堂所山(どうどころやま)付近にある。上流部では北浅川とも呼ばれる。そしてそれと対になったというか、小仏峠の近くに源流があり八王子市役所付近で北浅川と合流する南浅川という川もある。
2回に分けて歩いた浅川、その1では多摩川合流点から(北)浅川、南浅川合流点を経て、南浅川を陵南公園まで遡る。その2は「浅川上流端」の標識がある北浅川を遡って、源流のひとつを源頭付近まで辿る。
浅川行程
浅川は日野市の東部、府中市との境界付近で多摩川に合流する。最寄りの駅は京王線百草園、ここから合流点へ向かうことにする。
駅前から北へ向かって歩くと程久保川にまず出会い、橋を渡って下流方向に折れる。小さな川ながら程久保川の両岸にも歩道があり、八重桜の花が見ごろだった。
程久保川沿いの八重桜
合流点に近づくと、正面に府中四谷橋
程久保川沿いの歩道の突端から
右は程久保川、左側から水量の多い川が浅川、多摩川は河川敷の木立の向こう側を流れていてよく見えない。はっきり確認するには府中四谷橋の上がよいようだ。
ここから左側へぐるりと回り、浅川沿いの歩道へ入る。でも回ったすぐ先にあったのは
多摩川右岸海から37Kのポスト
えっまだここ多摩川なの? でもこのポストの右側を流れているのは浅川で、多摩川の流れはここからは見えない。
でもそこからわずか2~30m先には浅川の0キロポストが立っている。
浅川右岸多摩川から0K
多摩川では0.5Kおきに立っていた同じ形のポストが、浅川ではなぜかこの先0.4Kおきにあった、ということはともかく、遡上開始。
新井橋が見えてくる
多摩モノレールも通る新井橋は、浅川の一番下流に架かる橋で、多摩川合流点からは1kmくらい遡ったところにある。多摩川右岸を歩いていると浅川にぶつかり、そこから再び多摩川に出るにはこの橋まで迂回しないといけないので結構遠回りを強いられる。自分も多摩川右岸歩きをしていて浅川との合流点までは来たものの、まだその先へ進んでいないのだった、というか浅川に乗り換えている。
新井橋の先には万願寺歩道橋(ふれあい橋)
歩行者専用の橋で、渡っている人の数も多い。左岸側の人の生活路。
ふれあい橋全景
ふれあい橋から上流側を望む
左岸へ渡って遠くなってしまった。
高幡橋
右側は堤防と同じ高さだけれど、向こう側は堤防を跨いでいて、傾斜のある橋。
用水路や小河川の合流箇所2ケ
このあたり小さな川や用水路がたくさんある。北側が日野台地、南側が多摩丘陵で段丘の底に浅川、台地の際に湧水が豊富にあるとのことで、人工的に造られた用水路とも合わさって小さな水の流れがあちこちにでき、その水が浅川に入ってきている。
一番橋
高幡橋のひとつ上流側の橋。
その先、平山橋下流側の川の様子
平山橋
橋の上から上流側
平山橋を渡って右岸側へ。
平山城址公園駅の近くで
向こう側は滝合橋。ここにも用水路の水が合流、橋の上流側の堰で取水した余水吐のようだ。
滝合橋を渡ってまた左岸へ。
川の流れと向こうは多摩丘陵(このあたりでは「七生丘陵」とも言われる)の段丘崖
「多摩川から7K」ポストと長沼橋
長沼橋の上から
浅川に左から湯殿川が合流。
合流点を先の位置の反対側から
橋の上から撮った写真の真正面に写っていたところへ移動した。今度は左が浅川、右が湯殿川、正面に長沼橋。浅川の水も湯殿川の水も澄んでいる。
また右岸へ移り、しばらく進む。長沼橋を渡るところで日野市から八王子市に入っていた。
JR中央線橋梁
水管橋
この水管橋の上流側が工事中で通行止め。その先の国道16号八王子バイパスまで、ちょうどこの地点で合流してくる山田川に沿って少し迂回する。
バイパスの上流側で浅川に復帰。
その先JR八高線踏切を越える
当然立入禁止なのだけれど、なぜかこういうのって渡ってみたくなる。渡らないけど
大和田橋
通っているのは国道20号(甲州街道)、八王子市街地も近くなって、ここからは橋の数も多い。
大和田橋の先には1本水管橋が通り、次の橋は
浅川大橋
そして
川口川合流点
右側から流れ込んでいるのが川口川。ちょっと分かりづらい。
そのすぐ先は国道16号が通る浅川橋
萩原橋周辺は工事中
八王子市役所の建物と鶴巻橋
鶴巻橋を渡って市役所側へ。
市役所脇から川の上流側は公園のようになっている。
川はちょうどこの付近が南浅川と(北)浅川の合流地点。河原へ下りてみる。
合流点の河原から
左側から流れ込んでいるのが南浅川、正面奥からこちらへ北浅川。
下流方向
河原は砂利や砂だけでなく、関東ローム層の赤土が露出している。
この先、南浅川へ進む。横川橋、水無瀬橋と連続して橋があるが、河川改修工事で殺風景だったので割愛。
名前のわからない小さな川が合流している
南浅川も河川敷に歩道が整備されていて歩きやすい。桜の木もたくさんあって、ソメイヨシノはもう散ってしまったけれど、八重桜が見ごろだった(って、最初のほうにも同じこと書いてる、同じ日だもの)。
八重桜の並木道
こいのぼりも
散策にはとてもいい感じになっていて、気持ちがよかった。
そして、突然立派な橋が現れる。
南浅川橋
この橋の先には多摩陵、武蔵野陵といった、大正天皇、昭和天皇と皇后の陵墓があってそこへ通じる道路。だから橋も立派に造ってあるのだろう。でも別に専用道というわけじゃなく、普通の道路。この橋を渡って対岸にある陵南公園へ入る。
南浅川橋の上から上流方向
陵南公園内から
公園を越えて、陵南大橋の間近から下流側
南浅川を辿るのはここまで。ちょうど高尾駅が近くなので、ここでコースアウト。
この先、川は裏高尾と呼ばれるところを通って小仏峠の近くで源となる。また途中で案内川が分かれて、高尾山の南側から登山口あたりを流れてくる。どちらも源流まではあと5,6キロといったところじゃないかなと、地図を見たかぎりではあるけれど。