横浜市の西部を流れる和泉川(いずみがわ)を歩いてきた。
和泉川の源流は横浜市瀬谷区の瀬谷市民の森一帯で、そこから瀬谷区、泉区を南方向に流れ下り、泉区、戸塚区、藤沢市の境界付近の境川遊水地で境川に合流する、全長9.4㎞の河川。小さな、地味な川である。
東京新宿近くにも暗渠で有名(?)な、神田川笹塚支流とも呼ばれる同じ名前の川があるが、それとはもちろん別。
また、合流する境川は江の島へ渡る橋のすぐ横で相模湾片瀬海岸に注いでいる河川である。
今回は和泉川を下流側、境川合流点から川上に向かってさかのぼり、源流へと歩く。
和泉川(横浜市) 足あと
合流点周辺一帯は県立境川遊水地公園になっている。まずそこへ向かう。
境川遊水地公園の位置は、不動産広告風に言えば「地下鉄、相鉄、小田急の3線3駅利用可の便利な…」つまりどの駅からも遠い。
暑い中をてれてれ歩いて20分ほどで到着。
遊水地公園内のグラウンド
2つの川の合流点付近に造られた大規模な遊水地を公園とし、グラウンド、野球場、ビオトープなどにしている。
向こうにある橋は鷺舞橋。支柱がこちら側に傾いて一方から吊っており、白鷺が空に舞う姿に見立てられているとのこと。
ビオトープと管理施設の建物
ここは以前、境川を歩いたときにも立ち寄ったことがある。
公園の南端に2つの川の合流点
下流側から見返す
上流方向を向いて。左が境川、右階段を下りてくるように見えるのが和泉川の流れ。
ここから上流方向へ向かって歩き出す。
和泉川側から合流点を見る
合流点から5~600mほど遡って
鍋屋橋から上流方向
今回はこの先全般、このような緑あふれるのどかな景色。
鍋屋橋から300mほどさかのぼってから振り返って
自然の川の風景のようにも見えるけど、そのように計算したものか、きちんと改修は行われている。
向こうに沈下橋のような橋が架けられている。
横浜環状4号(県道18号)の下をくぐる
ブルーラインをくぐった先は
和泉川親水広場
河川改修の完了した場所は歩道や親水施設などが充実している。
ただしこの日は気温が高く、夏休み中の子供もあまりいない。川は右側の草ぼうぼうの中を流れているので、親水したくてもこのあたりは無理そう。
もう少しさかのぼると両側コンクリート護岸の間を流れる
川の中の石は人工的に置かれたもの。この川の上流にこんな石を流すような山などもない。
駅前は川の流れを取りいれた親水施設風の公園になっている。正面の池は水がなく清掃作業中の様子。
この右側には横浜市泉区役所もあり、この一帯ある意味泉区の中心地。
県道に架かる和泉橋上から
右側の建物が泉区役所。
区役所の先(上流側)にある遊水地の越流堤から
川の増水時に右側遊水池へ水を導く堤部分。
堤防の上を歩いていたら突然道がなくなって、「しまった油断してた」と思った瞬間である。
右上から小さな流れが合流、このデザイン、遊び心?
さらに北へ川をさかのぼり、泉区役所から1㎞ほど先へ行くと、そこからしばらく河川改修工事区間に入る。
古い流路とは別の場所にトレンチを掘り、新たな流路を造っている最中だ。
改修工事区間、まだ古い川筋に水が流れている
宮西橋上から
宮西橋から2~30m西側には新宮西橋が架けられ、新たな流路を掘削中。
新宮西橋から下流方向
向こうの高架は相鉄いずみ野線で、新流路下に「和泉川橋りょう」。
新宮西橋の少し上流側、護岸工事までだいたい終わっている部分。
遊歩道はまだ未整備
一方、元の流れ
古い流路は川幅もせまく、蛇行もある。
河川改修工事は上流側では東海道新幹線との交差部分付近まで続いていた。
新幹線線路の北側から
和泉川宮沢遊水地のめがね橋
宮沢遊水地の越流堤
こちらの堤上は歩いて通れる。ちなみに和泉川本流は左側草のなか。右側は遊水地公園になっている池。
中橋から下流方向
このあたりの区間一帯は自然の川のように整備されて、親水公園のようになっている。
ちょっとこれでは河原へは下りられないが
さらに上流方向へ進むと和泉川はコンクリートで固められた都市河川へと姿をかえ、川沿いぎりぎりまで住宅が建ち並ぶ。
そして厚木街道(県道40号)、中原街道(県道45号)と続けて大きな県道を越える。厚木街道二ツ橋交差点の北側で、上面に梁をいくつも渡した「はしご式開渠」が現れ、また一部は暗渠になる。
相鉄本線南側の和泉川
このあたりは3面コンクリート護岸。
さらに北側へすすむと流れは細くなり、流れがいくつかに分かれて行く。源流も近い。
はしご式開渠区間(瀬谷区相沢2丁目付近)
足元は支流との合流地点、左と後ろへ”はしご式”が分岐してそれぞれ続いていく。
後ろへ進んで行くと側溝状になった川の上に木道が整備されていた。
近くに小学校があるので通学用の歩道なのか? 学校の横には「和泉川源流ひろば」もあった。
源流ひろばのさらに上流側
ここでまた正面奥と一方通行標識側(右側)からの流れが合流。
奥へ進むとここが本流の流れを確認できた最上流部
右側はゴルフ練習場。
その先へ行くと金網があり、向こうは草むら
右側が低くなっていて水の流れはあるかもしれないが、見ることはできず。この先へ入ることは断念した。
2つ前の写真、一方通行標識の場所まで戻り、別の流れを追う。
こちらも草に覆われたくぼみにいったん流れを見失うが
前方の瀬谷市民の森に入っていく流れを再び見つけ、追って行くと
森の中で
もう少し先に湧水がありそうだがここまでとした。周囲はいたるところで少しずつ水が湧き出していて流れに足されていくようだ。
もうひとつ、
先の相沢2丁目付近の”はしご式”分岐の先
この流れも瀬谷市民の森に入っていく。
聖マリアンナ医科大横浜西部病院のすぐ西側、森の中に源流があった。
この時はここが水を確認できた最上流部
(この写真は2017年12月、別の散歩で立ち寄ったときのもの。)
夏場などはもう少し先から水が流れているようだ。
ここまで、和泉川。