浦賀道を歩く その3 浦賀から逗子(西浦賀道)

東の浦賀道を浦賀から六浦まで歩いて、その後は以前に歩いた鎌倉街道下道に重なるので、保土ヶ谷東海道追分まで歩いたことにした。

浦賀へ戻って、今度は西の浦賀道を歩くことにする。

その1でも記したが、「西の浦賀道は、東海道の「戸塚宿」から鎌倉道に入り、鎌倉を経て葉山、木古庭、平作、衣笠、大津に至り東の浦賀道と合流するものである。江戸から浦賀まで20里(約79km)である。この道は古代の東海道と推定される。」
ちなみに古代の東海道は大津から浦賀へは出ず、馬堀から観音崎手前の走水へ達する。走水からは海路で房総半島(上総国)に至るというルート設定になっていた。(おせっかいで付け加えると、古代の東海道は関西方面から鎌倉へ出て、そこから西浦賀道のルートを通っており、江戸はそもそも通っていない)

西の浦賀道 足あと

再度の浦賀、駅近くの歩道橋手前で

f:id:miwa3k:20180208173236j:plain

浦賀道は駅前を通過していることもあり、今回はここをスタート地点にした。ここを通る現在の道は神奈川県道208号(浦賀港線)。

歩き出すとすぐにゆるく長い上り坂
浦賀2丁目交差点付近

f:id:miwa3k:20180208173237j:plain

この付近から先にちらりと見える横浜横須賀道路浦賀ICあたりが峠。いまの道路は大したことないが、かつては、たとえば右側斜面の上までのぼって向こう側へ抜けていたとしたら難所のひとつだっただろうと思う。
ここの坂は「矢の津坂」と呼ばれていた。

向こう側、馬堀に下りて京急線のガード手前に「矢ノ津坂」バス停があった。

f:id:miwa3k:20180208173238j:plain

大津まできて東西浦賀道の合流点

f:id:miwa3k:20180208173239j:plain

その1でも紹介した場所、交差点左手前へ浦賀、右へ東浦賀道、正面向こうへ西浦賀道、右手前はすぐに海岸へつきあたる。今回は正面向こうへ進む。

すぐに京急大津駅

f:id:miwa3k:20180208173240j:plain

横須賀大津は坂本龍馬の妻、おりょうさんの街

f:id:miwa3k:20180208173241j:plain

おりょうは人生の後半生を横須賀で過ごし、大津の信楽寺(しんぎょうじ)に墓があるそうだ。

諏訪神社

f:id:miwa3k:20180208173242j:plain

824(天長元)年、信州諏訪から勧請した大津の総鎮守。

諏訪神社前で道を折れ、大津公園を通って衣笠の方へ向かう。途中団地の横に青面金剛塔ばかり、16基も並べられているのを見た。

「法塔」二基、衣笠にて

f:id:miwa3k:20180208173243j:plain

日蓮宗の二霊場を結ぶ拠点に建てられたものらしい。付近に十字路があって浦賀道、鎌倉道、三崎街道の道標にもなっており、台石に「東浦賀・西鎌倉・南三崎・北横須賀」とある。

この付近から道は平作川(ひらさくがわ)と並行し、川から一段高いところを通るようになる。川と反対側はすぐ崖地で、川と崖の間せまいところを進むのだが、現在は住宅などで視界は阻まれ、周囲の様子はあまりよくわからない。

衣笠栄町3丁目付近の旧道

f:id:miwa3k:20180208173244j:plain

正面は台地、車の駐まっている後ろも”なま”岩、露頭だ。

先ほどの法塔にも関連する日蓮宗大明寺前を通り、いったん県道(27号横須賀葉山線)に出てJR横須賀線ガードをくぐった先の、金谷交差点で左折する。
県道27号と横須賀線高架

f:id:miwa3k:20180208173245j:plain

左折するとすぐ平作川を渡り、坂をのぼる。

東の浦賀道の坂道は半端ないのが多かったが、西の浦賀道は必要最小限という感じ。元々古東海道の古道で、地形的な制約も少ないところを選択したのだろうが、時代を経るにしたがい道筋も洗練されていったのかとも思える。

横須賀市池上4丁目付近の旧道

f:id:miwa3k:20180208173246j:plain

丘の中腹まで上がったり、谷戸の底へ下りたりを繰り返して進む。この場所は特に何かあるというところではないが。

現代のハイキングコースと交差

f:id:miwa3k:20180208173247j:plain

左にも道があって、そちらへ行くと阿部倉温泉、大楠山、右へ行くと安針塚のある塚山公園。(左右とも行ったばかり。最近横須賀散歩が多い)
この日は道なりに右前方へ。

しばらく丘の中腹をくねくねと曲がりながら進み、横須賀市をぬけて葉山町に入る。

下山川と不動橋(葉山町木古庭(きこば))

f:id:miwa3k:20180208173248j:plain

横須賀市内で平作川はだいたい西から東へ流れていたが、ここ下山川は東から西へ流れている。分水嶺を越えたことになる。
そしてここも3ヶ月くらい前に葉山を歩いた時に通ったところ、しばらくその順路を逆に辿ることになった。

信号を右折して県道27号に出て橋を渡る。

県道を西に向かって歩き、途中から旧道の道筋へ折れる。
下山川に沿って下っていく (2枚)(葉山町上山口)

f:id:miwa3k:20180208173249j:plain

f:id:miwa3k:20180208173250j:plain

旧道は湘南国際村入口交差点で再び県道27号に吸収される。

湘南国際村入口交差点から、正面は逗子方面へぬける新沢トンネル

f:id:miwa3k:20180208173251j:plain

新沢トンネル前を横切っているのが浦賀道(で県道27号)、この先も県道を進んで滝の坂のトンネルへ向かって登っていく。

坂の途中で、向こうはてっぺんに湘南国際村のある山

f:id:miwa3k:20180208173252j:plain

トンネルをぬけたところから

f:id:miwa3k:20180208173253j:plain

正面わずかに海が見えた。旧道はトンネルの脇を通っているようだが、そちらにまわる道が分からずそのまま県道のトンネルを通ってきた。

坂道を下りて行き、一色小学校前交差点で右折する。

下道坂をあがる

f:id:miwa3k:20180208173254j:plain

小さな峠(周囲は普通の住宅地)を越えると国道134号に出る。

葉山町役場入口交差点近く

f:id:miwa3k:20180208173255j:plain

交差点信号機向こうの青っぽい建物は葉山消防署。

葉山小学校前交差点から後ろにまわる道が旧道。
そこに子守地蔵尊浦賀道道標など

f:id:miwa3k:20180208173256j:plain

左側の石碑は浦賀道道標で「右うら賀・左やま屋」とある。やま屋ってどこだ?

旧道はすぐ先の向原交差点で国道に合流、次の交差点でまた分かれて葉山町図書館前を通り、木の下交差点から県道207号に出て葉山元町へ出る。

葉山元町交差点

f:id:miwa3k:20180208173257j:plain

手前後ろからここへ出てきた。左向こうへ行くと葉山御用邸前を通って三浦半島西側のメインストリート。
ここは右に折れる。

古くからの葉山の町なかを県道207号に沿って進む。時代を感じさせる建物が残っていたりしてそちらは良いのだが、道路の拡張は難しいようで細い道に車が多くて危ない。

街道沿いの明治42年創業の和菓子店

f:id:miwa3k:20180208173258j:plain

お茶も、雑貨もあり〼

f:id:miwa3k:20180208173259j:plain

道路のすぐ向こうが海岸なのでちょっと出てみる。

海の向こうは箱根、富士、江ノ島

f:id:miwa3k:20180208173300j:plain

海岸の出入口から道路を隔てた反対側に
清浄寺

f:id:miwa3k:20180208173301j:plain

こちらも屋根が富士。

葉山マリーナ

f:id:miwa3k:20180208173302j:plain

葉山日影茶屋

f:id:miwa3k:20180208173303j:plain

小浜海岸

f:id:miwa3k:20180208173304j:plain

この海岸付近で逗子市にはいる。

桜山の切通区間

f:id:miwa3k:20180208173305j:plain

通っているのは相変わらず県道207号。両面の崖はコンクリートが吹付けられているので見ていても楽しくない。

この先で渚橋交差点を直進、次の富士見橋を渡る。

富士見橋

f:id:miwa3k:20180208173306j:plain

川底を浚渫した砂が積みあがっている。後ろ側にある渚橋の向こうはすぐに逗子海岸。富士見橋だけど富士山見えた?

富士見橋を渡ってまっすぐな道を行く

f:id:miwa3k:20180208173307j:plain

逗子海岸へ出られる歩道と街道が交差している地点で本日の行程は終了。この先は次回へ引継ぎ。

そこから海岸へ出るとこんな風景

f:id:miwa3k:20180208173308j:plain

逗子の町なかへ出る道で

f:id:miwa3k:20180208173309j:plain

 

miwa3k.hatenablog.jp

miwa3k.hatenablog.jp

miwa3k.hatenablog.jp