遠くフランス、ワインの銘醸地ブルゴーニュまで来てこれを楽しまずに帰るわけにいきません。
南北に細長く50㎞にもわたるコート・ドールのブドウ畑、ワインを楽しみながら効率よく廻るにはツアーに参加するのが吉ということで今日は1日ワインツアーです。
ボーヌ旧市街オテル・デューの横から出発
コート=ドールのワイン生産地区はおもにコート・ド・ニュイ(Côtes de Nuits)とコート・ド・ボーヌ(Côte de Beaune)の2地域
最初にボーヌから北へコート・ド・ニュイ方面に向かいます。
《Wikiによれば》県庁所在地ディジョン市に南接するマルサネからニュイ・サン・ジョルジュまでの、長さ約20キロ、幅は数百メートルから1キロ程度の範囲で、ロマネ・コンティやシャンベルタンなど、「世界で最も偉大な」赤ワインの産地として知られている地域
とありました。
まずヴォーヌ・ロマネ(Vosne-Romanée)村のドメーヌへ
ドメーヌ(Domaine)というのは自社で畑を所有し、ブドウの栽培から醸造、販売まで一貫して行う生産者のことをいい、おもにブルゴーニュ地域で使われる言葉です。ボルドー地域での『シャトー』に相当します。
シャトーは地域・村内に大きな畑を持ち、大きな醸造所でワインを製造します。
ブルゴーニュのブドウ畑は同じ地域でも生産者(ドメーヌ)ごとに畑を細分化しているため所有面積は小規模になり、生産量も少なくなります。
その代わり同じ(畑や村名の)名前がついたワインがドメーヌごとに複数製造販売されます。
ボルドーのシャトーでは自社ブドウ畑の面積が広いこともあって場所によって質のばらつきが多少あるのでファーストラベル、セカンドラベルといったように異なる名称、品質のワインが同一シャトーから製造販売されます。
また「ネゴシアン」という自社畑を持たず、ドメーヌやブドウ畑の所有者からブドウやブドウ果汁、ワインを買い付けて熟成、瓶詰を行い、販売する業者もあります。
前置き長くなりました。最初のドメーヌ
Domaine Armelle et Bernard Rion(ドメーヌ・アルメル・エ・ベルナール・リオン)
いきなり迎えられたのは台車に入ったブドウの搾りかす
ワインの製造工程で残ったブドウの果皮や種などのしぼりかすを再発酵させた後に蒸留熟成して造られている「マール(Mare)」という一種のブランデーがありますが、これはその原料になるのかもしれません。
地下にあるカーヴへ

ここはドメーヌの中でも小規模なほうかもしれません。
製造工程などの詳しい説明はほどほどで早速テイスティングとなりました。
ブルゴーニュのドメーヌ、ネゴシアンでのテイスティングは基本的に有料、料金によって供されるワインの種類も異なります。
でもワインやお土産品を購入すれば試飲料は免除というルールになっていることが多いようです。
こちらではドメーヌで製造される5種類のワインをいただきました。
1種類ごとにボトルからグラスへ〈少量ずつではありますが..〉あとのほうほど良いワインが出てきます。
これは5番目の
Nuits-Saint-Georges 1er Cru Marcel Héritage 2021
テイスティングのあと、周辺の高名なブドウ畑を見学しました。
9月中旬だったのですがすでに今シーズンのブドウの収穫はほぼ完了(コート・ドールはどこもほぼ収穫完了でした)
ブドウの木には少し残されたブドウの房が見えてます
ブドウの品種はピノ・ノワール、赤ワイン用のブドウです。
この畑のブドウはロマネ・サン・ヴィヴァン(Romanée Saint-Vivant)という特級(グラン・クリュ)銘柄の赤ワインになります。
ロマネ・サン・ヴィヴァンの畑を少し先からふり返って
もう一度ふり返るとそちらは
ロマネ・コンティ(Romanée Conti)の畑
ブドウ畑を囲む石塀にさりげなく"Romanée Conti"と刻まれたプレートがはめ込まれています。
畑の広さは1.8haということなので100m弱、ちょっと先までで丘の傾斜が変わるところはもう違う畑ですね。
作業用道路の右側も"Richebourg"(リッシュブール)という別の銘柄の畑ですがそちらもグラン・クリュのワインになります。
ロマネ・コンティの畑から1本道路を挟んだ南側
こちらもグラン・クリュのグランド・リュ(Grande Rue)の畑
ブドウ畑から建物のある村の中へもどって
正面の尖塔は畑のなかからもみえていたものです。
次の村に移動します。
ヴォーヌ・ロマネ村からさらに北へ向かいジュヴレ・シャンベルタン(Gevrey-Chambertin)村へ
村の入口に立つ標識
国道を走ってますがその周辺もみんなブドウ畑です。車のなかから
ちょうどお昼時でした。
レストランで料理といっしょにいただいたワイン
シャンベルタンではなくボーヌに近い場所の赤ワイン2種です。
午後はまずシャンベルタンのブドウ畑とワイン
「シャンベルタンここからはじまる」(Ici commence le CHAMBERTIN)
細い道路の向こう側、ずっとグラン・クリュのブドウ畑が広がっています。
ジュヴレ・シャンベルタン村には9つのグラン・クリュの畑がありその数はブルゴーニュでいちばん多いそうですが、9つの畑はすべてこのあたりにまとまっています。
『グラン・クリュ畑』のなかに小屋
小屋の壁に"CHAMBERTIN CLOS DE BEZE"(シャンベルタン・クロ・ドゥ・ベーズ)
この銘柄は9つあるグラン・クリュのひとつ、小屋の左や後ろ側がそのブドウ畑です。手前はマジ・シャンベルタンというこちらもグラン・クリュのブドウ畑。
シャンベルタンでは格付け関係なく赤ワインのみを生産し、ブドウ品種はすべてピノ・ノワールです。
畑は広いのですがそれぞれの畑でブドウの木の所有者はたくさんいるのですね〈見た目区別つきませんが〉
『偉大な畑』を見学し、村の中心に戻ってシャンベルタンのドメーヌへ
訪れたドメーヌはなかなか個性的なところでした。
"Domaine Philippe Leclerc"(ドメーヌ・フィリップ・ルクレール)
外は木々や花できれいに飾られ

建物の地下は広くワインセラーなどになっているのですが
こちらはセラー
ここは瓶ばかりで樽はないですね。
宴会スペース?の装飾が独特
これは単にテーブルの上に仮置きしている??
こちらのドメーヌでも5種類のワイン、すべてシャンベルタンをいただきました。
4番目に出された
"Gevrey-Chambertin 1er Cru les Cazetiers 2019"
また先ほどの通路を通って外へ出ます
次は南へ戻ってコート・ド・ボーヌ方面へ向かいますが
その途中少し寄り道をしました。
グラン・クリュ街道という道路を通ってシャンボール・ミュジニー村の周辺へ
ボンヌ・マール(Bonnes-Mares)の畑
ミュジニー(Musigny)の畑
どちらもグラン・クリュ・ワインが生産されるブドウ畑です。
これまで見てきたワインのブドウ畑は緩い傾斜地の途中、丘のふもとなどにあります。コート・ドールに長く続く緩やかな丘は東の方角に緩い斜面を持ち、太陽の日射しを長い時間受けることができて良いのだ、ということになってます。
斜面の土壌は石灰岩と粘土がほどよく混ざるものの少し場所が変わるだけで複雑に地質が変わり、それが様々な個性の良質なワインを生む下地になっているとのことです。
でもなぜか丘の下、平地ではなかなか良いワインとなるブドウができないのだそうで。そして丘の上、👆の写真でも森になってますがあちらもブドウ栽培には適さないとか。
ミュジニーの丘の中腹から下を見て
右のほうへ目を向けると
クロ・ド・ヴージョ城(Château du Clos de Vougeot)
畑のなかにポツンとあるシャトー、よく目立ちます。
12世紀頃ここヴージョで修道士たちがブドウ栽培をはじめワインの生産が開始され、14世紀頃に建設された城を基に16世紀に現在の形になりました。かつて内部ではワインの製造がおこなわれていたそうです。
その後フランス革命などで衰退しましたが1944年に『ブルゴーニュ利き酒騎士団』が買い取って現在その本部になっています。
ちなみに利き酒騎士団とはブルゴーニュワインの普及推進活動をする団体で、城内では様々な行事が行われるほか、ワインの歴史博物館や最近はレストランの営業も行っているらしいです。
周辺の畑からはグラン・クリュ格付けの赤ワインクロ・ド・ヴージョ(Clos de Vougeot)が生産されます。
そんな風景を見てからボーヌの街を通り過ぎさらに南へコート・ド・ボーヌのムルソー村へ向かいます。
《Wikiによれば》コート・ド・ボーヌはボーヌ市から東および北に広がる地域は、赤ワインが多く作られ、赤・白ともに特級畑がある。ボーヌより南のムルソーからは、白ワインが多く作られ、シャサーニュ・モンラッシェ村とピュリニー・モンラッシェにまたがるモンラッシェは、世界で最も偉大な白ワインとされている。なお、最南端のサントネは、力強い赤ワインの産地として知られている。
とのこと
ワインテイスティング3ヶ所めはMoillard(モワラール)というネゴシアンのムルソー村のカヴォ(試飲兼販売所みたいな)
こちらはドメーヌではなくネゴシアン。ネゴシアンは畑を持たずにブドウやワインを仕入れて、自社製品として醸造・瓶詰め・販売する生産者です。
5種類のワインをテイスティングしました。
もうこちらでは樽とか瓶とかの見学説明はなく、玄関入ったら即テイスティングと潔い(笑)
それでも一応どのへんどの畑で採れたブドウだとか地図を出してくれて
最初に出されたピュリニーモンラッシェの地図です。
こちらがそのボトル
〈うしろにフォーカスがあってしまった〉
そのあと出されたワインの注ぎ方がおもしろい
ワインのコルクを開けることなくチューブを中に突き刺し、サイド(というか上)についている小さなボンベから窒素ガスの圧力でワインの液体をグラスに注ぐ装置だそうです。
実演中にガス圧力が低下してしまいうまく出なくなるところ、ワインというよりビールみたいになってしまうの1秒前です。
こちらでいただいた5種類のワイン
グラン・クリュが2種類あって「運が良かったですね」とはガイドの方から(通常は1種)
こちらはそろそろ陽が傾いてきたこともあってか畑の見学はなく、テイスティングのあとはまたボーヌに戻ってツアー解散となりました。
試飲とはいえ3ヶ所で5杯ずつさらに食事でもということで結構飲みました。
ここまでとさせていただきます。