散歩の途中

散歩の途中で観察記録、その後少し調べて書くノート

立川崖線に沿って歩く その2 東京競馬場から立川錦町あたりへ

東京競馬場の東側から府中崖線(=立川崖線)続きを歩きます。

最初にまた細かくて見にくい地図を出します

左上から右へのびる立川崖線、その下に中央自動車道、多摩川が同じような向きで通ってます。
現在位置は右やや下の長円形、東京競馬場の右上府中市八幡町あたり、紫と濃い青薄い青が交わってるところです。

 

東京競馬場東門付近の競馬場通り

競馬場と府中崖線の間、はけ下を競馬場通りが貫いてます。
崖線は写ってませんがこの右側にあって、こちらの通りへ出てくる坂道には『鳩林坂』『馬坂』『天地の坂』『普門寺坂』『天神坂』などの名前があります。
ここ右端に黒い柵がわずかに写ってますが内部は現在(ブリヂストン)石橋財団管理の『鳩林荘』。広大な敷地内は非公開ですが何やらノーブルな雰囲気が外周にも漂ってまいります..

競馬場正門などを背に駐車場ごし崖線方向

向こうの崖が府中崖線、上はすぐ京王線府中競馬正門前駅があって駅前から競馬場に直結の歩道橋が左に見えてます。

 

競馬場西側まで来てからコース取りを迷いましたが崖線を上がり京所道(きょうづみち)で大國魂神社境内を横切りました。
京所道は古甲州街道の名残りだそうです。

京所道、大國魂神社東側鳥居

大國魂神社本殿拝殿の背後が府中崖線のはけになってます。

 

西側鳥居をぬけて府中本町駅北側からはけの上を清水下小路へ

善明寺山門横の清水下小路

小路が右へ折れる先の風景から崖のあることがわかります。

そこのフェンスごしに見ると直下は線路です

JR南武線線路は背後府中本町駅から前方分倍河原駅にかけて左にカーブするはけに沿って敷かれています。

線路沿いに少し先で
こちらも国鉄下河原線線路跡の下河原緑道

段丘上からその先を見ています。背後すぐ崖線が横切り下に南武線線路、その上をかつては下河原線が跨いで交差していました。現在は右側道路と遊歩道の『みょうらいばし』がかかってます。〈そっちはうまく写せなかったのさ..〉

 

清水下小路はその先はけ下に下って線路と同じ高さに

右側林の中にはけがあってその上は高安寺の境内です。

 

分倍河原駅前を通過してそのままはけ下を歩きますが傾斜が緩くなってそこへ住宅などが建て込み、少しの間崖線は不明瞭。
分梅通り〈古鎌倉街道上道でもある〉を横切った先、御猟場道に出るとまた右側が斜面に

御猟場道・府中崖線分梅町緑地あたり

歩道の左側、水色の不規則なラインがある部分、下に府中用水水路が通ってます。
右側はそれほど段差がありませんが

この先400mくらい進んで新府中街道との交差近くまで行くと

先を横切る新府中街道、崖下からトンネル(本宿トンネル)になってます。
でもここは段丘上を通る南武線線路と立体交差するためトンネルにしたようで、線路を越えると切通しとなってすぐ段丘の上へ駆けあがってます。

 

新府中街道を越えた先ではけを上がりました。

右前方は「府中崖線西府町緑地」
左はけ下との高低差は建物3~4階相当、10m程度でしょうか。

西府町緑地から

階段で下ります。

途中、『東京の名湧水57選』のひとつ
西府町湧水

はけ下の湧水。水量はわずか、すぐに下を流れる府中用水支流(下の川)に取り込まれます。

 

西府町緑地の先で国立市に入ります。〈再び『立川崖線』と呼びます〉

はけの様子は西府町と似たり寄ったり(国立市谷保)

はけ下は下の川が流れ、手前は遊歩道、横切る水道管かわすために一部高くなってます。

 

遊歩道に移って下の川と崖線沿いにさかのぼると
谷保天満宮に出ます

右正面に階段、ここが崖線になってます。
谷保天満宮は境内をはけが通り、入口は崖の上、拝殿本殿は下にあるという珍しい造りの神社です。

天満宮の周囲はけ下のあちこちに豊富な湧水があります。
以前府中用水に沿って歩きまわった時にいろいろ書きました
府中用水 その4 下の川、本流(市川、旧妙観堀) - 散歩の途中

ので今回1つだけ

谷保天満宮本殿の後ろにある厳島神社と弁天池


弁天池の脇には「常盤の清水」

「延宝年間(1673-1681)、筑紫の僧某が谷保天満宮に詣でた折、この泉を見て、『とことはに湧ける泉のいやさやに神の宮居の瑞垣となせり』と詠んだ」ことが由来」と解説に記されています。
こちらもはけ下の湧水、『東京の名湧水57選』のひとつです。

 

ここでまた例の地図、位置をずらして1枚

立川崖線、左は昭島市内から右府中市西府町あたりまでの範囲です。

谷保天満宮のある場所は矢印で示しました。
天満宮付近は立川崖線と青柳崖線の分岐点となっています。

その1の記事で、武蔵野台地のいちばん高い面(武蔵野面)と1つ下の面(立川面)の段差をつくる『国分寺崖線』、1つ下と2つ下(多摩川低地)の段差をつくる『立川崖線』と記しました。
ここで、立川面と多摩川低地の間にもうひとつ青柳面と呼ばれる段丘が挟まってくるのが谷保天満宮西側からです。立川面と青柳面の段差は立川崖線ですが、青柳面と多摩川低地の段差として青柳崖線が現れます。
地図の谷保天満宮より左側、黄色と緑色、さらに左に行ってオレンジ色と黄色の境界を立川崖線が通ります。青柳崖線ははじめ緑色とうすい青、さらに左へ行くと黄色と緑色の境界を通っています。〈ただし青柳段丘面中央を縦に通る色の変化部分は崖線じゃないです。ややこしくなってしまったにゃ〉

 

青柳段丘が挟まった立川崖線沿いは段差も小さく、ややわかりにくい場所もありますがめげずに歩きます。

谷保天満宮のすぐ北側は甲州街道(都道256号)、道は湧水の豊富な窪地を盛り土して通され西に向かって下り気味、そこを越えると立川崖線が現れます。
立川崖線にかかる坂道


上がると南武線線路を渡り、国立市役所前を通過。そのあたりは崖線が不明瞭です。
国立市役所の西側、国立富士見台第三団地内

立木の向こう南武線線路が横切り、その向こうやや低くなっています。建物2階分もないくらい、そこが崖線です。

さらに団地奥へ進むとちょっとした傾斜

左端の線路を越えてこちら側へ入ってきた崖線の続きが傾斜をつくってます。

 

団地の先は段差不明瞭になって見失い矢川駅前を通過

東京女子体育大前で再び段差が確認できました(国立市富士見台4丁目)

完全に整地されてますが右側が道路沿いに崖線、段差の上右奥が体育大の建物

 

道を先に進むと再び南武線線路と交差
踏切の上から

線路前方草むらになっているところから少し上がっていて立川(段丘)面、手前を崖線が横切ってます。
この踏切は青柳踏切といい、手前低いところは青柳(段丘)面、地名も国立市青柳、上の立川面はは立川市羽衣町、市の境界にもなってます。

 

踏切渡ったところで経路をミスチョイス。崖線の下を行けば矢川の源となる豊富な湧水のある矢川緑地を歩けたのですが、上を行ってしまいました。緑地の眺望がよくなかった。
密集した住宅のすき間から矢川緑地の林

足元崖線の際、ちょうど建物2階の高さの段差です。

 

青柳大通りみのわ橋交差点から南方向

先が下り坂になってますが崖線はその手前、道路右白いフェンスがはじまるところで横切ってます。
はけ下、道路左には矢川緑地、右側は矢川弁財天があります。

 

青柳大通りを越えた先の立川崖線は少しの区間傾斜が緩くなり、住宅密集地でもあり存在がわかりにくいです。
はけ下側を歩き交差する道路の傾斜で確認します。

立川市錦町4丁目あたり


錦町3丁目立川通り

 

立川通りの坂をあがると立川駅近くへ出られます。とりあえず1日めはここまでとしました。