横浜市の外周境界を持たない4つの区の周囲を一周する(ああ、説明がややこしい)「横浜市・内周」。2回目は前回の離脱点、港南区下永谷をスタートし、南区、保土ヶ谷区の境界へ進み、旭区の西側に位置する笹野台と瀬谷区三ツ境との境界まで歩く。
横浜市内周#2 行程
スタート地点へのアクセスは横浜市営地下鉄ブルーライン下永谷駅
小さな駅で、出入口はここ1か所しかない。駅前から港南区、戸塚区の境界で、前回離脱点の老人ホーム前のT字路へは歩いて3分くらい。このT字路をホーム側坂道方向へ上がっていく。
坂をあがるとこんなところ
畑地や取り残された林、かと思うと普通の住宅地になったり、の港南区、戸塚区境界を北方向へ。歩く道も一般道だったり、歩行者のみの細い道になったり。
この先歩行者のみ
ここを上がると「下永谷市民の森」。それほど大きな森ではなく、地元の人が手入れをしつつ雑木林を保護しているといった場所。
下永谷市民の森を通る歩道
森のさきはまた昭和の末頃に開発された住宅地で、そこから横浜環状2号道路へ。
環状2号脇へ出る
そのすぐ先で遊水地の縁に沿って坂を下る
左側の白いフェンスの道路に沿って坂を下りていく。前方低いところに川(平戸永谷川)が流れ、下のグラウンドなどは遊水地。
平戸永谷川の橋を渡る
橋を渡ったところで合流するのは旧東海道。すぐその先国道1号東戸塚駅入口交差点。
東戸塚駅入口交差点
正面からこちら側に来る道路が旧東海道、そこを横切るのが現在の東海道(国道1号)。ここは先ほどの川沿いが境界線で、厳密にはそちらの歩道を行くべきだが、かつて歩いた旧東海道がちょっと懐かしかったので少しだけ寄り道。
今回はこの交差点で右折し、国道1号を東京方面へ。平戸立体交差点で先ほどの環状2号と交差し、次の平戸交差点を右折、また境界線を忠実にトレース。港南区芹が谷と戸塚区平戸町の間の住宅地へ入る。
芹が谷と平戸町にまたがる住宅地から
住宅地をあちこち折れ曲がり、大きな病院、医療施設の間を通って市道を左折すると港南区と南区の境界へ。
南区に入る
港南区は境界が入り組んでいたせいもあってずいぶん長い距離を歩いた。ここから南区とカウンターは引き続き戸塚区の境界へ。
丘へ上がり、その向こう側へ。
南区六ツ川4丁目付近
今度は坂を下る
このあたりは区の境界が入り組んでいる。下り切ったところでまた国道1号近くに出るが、反転して今下ってきた丘へまた上がり、再び下って平戸桜木道路へ。そこからまた同じ丘に急な階段で上がる。勾配がなければいいのだが、よりによってこのあたりの傾斜は結構きつい。そして尾根を少し進んでさらに坂を下って、また国道1号へ出る。
このへんは箱根駅伝で有名になった権太坂の上あたり。権太坂上交差点も近くにある。ただし旧東海道の権太坂はさらに左の崖上まで上がっている。区境もその上に上がっているのでまたのぼる。国道付近で南区から保土ヶ谷区になる。カウンター側はまだ戸塚区で、保土ヶ谷区、戸塚区の境界となる。
坂の上から切通になった国道1号と先ほど下ってきた道路
国道が切通しになっているので、向こう側とこちら側の丘の高さは同じくらい。ここから旧東海道境木方面へ尾根伝いにすすむ。
下に見える住宅も丘の上にあるのだが、こちら側はそこからまた一段高くなっている。
しばらく進んでから左折すると旧東海道の権太坂を上がってきた道筋と合流する。
旧東海道、境木中学校付近
境木地蔵尊入口と解説
ここはかつて武蔵国と相模国の国境で、モニュメントも置かれている。
武蔵国、相模国境界(武相国境界)は現在もそのまま保土ヶ谷区と戸塚区の境界になっていて、すでに歩いてきた南区と戸塚区境界や、この先の旭区と泉区、旭区と瀬谷区境界もそのまま武相国境界が区境になっている。偶然だが、この先は武相国境界を歩くことにもなるのだ。
旧東海道はここで尾根上の武相国境から外れて品濃坂を下っていくが、こちらは国境沿いに尾根伝いにすすむ。
すぐに環状2号道路の境木交差点にぶつかる
この交差点を越えて脇の細い道にはいる。
保土ヶ谷駅と東戸塚駅の間に線路が丘を越えるために掘られたトンネルがあって、ちょうどその真上あたり。
その先へ行くと横浜新道の今井IC付近へ出る。
今井IC付近
横浜新道を越えると区境は2つのゴルフ場のなかを横切っていく。ここは忠実にトレースすることができないので迂回して一般道をすすむ。
横浜カントリークラブの中を通る一般道から
ゴルフ場の北側から南本宿市民の森へ
このあたりから旭区に入る。さらに大池公園へと入っていく。
大池こども自然公園へ向かう階段
こども自然公園丘のうえから
公園内の大池
ちびっ子動物園近くの池
公園には子供連れの家族などもたくさんいたのだが、大きなレンズと三脚をつけたカメラをお供にするバードウォッチャのおじさん方がやたら多く、そして一番目立っていた。
この公園をぬけるあたりで、ゴルフ場を横断していた境界線が場外へ出てくる。旭区、戸塚区、泉区の3区境界点が近くにあったはずだが確認はできなかった。ここから旭区と泉区の境界をすすむ。
旭区柏町と泉区緑園7丁目境界付近
交差点の向こうに「泉区」の標識がある。このへんも昭和の末ごろに開発された大規模な住宅地だ。その住宅地のなかを行くと
相武国境之道碑
住宅造成でわかりにくくなってしまったが、ここも丘の尾根筋で武蔵・相模国境上だ。北武州都筑郡二俣川村、南相州鎌倉郡岡津村とある。(武相国境だったり相武国境だったり、ではあるが)
その尾根上の道をずっとすすんで行くと住宅地が途切れ、広い土地が垣間見える場所に出てくる。
神明台処分地をのぞき見る
フェンスの中は横浜市の一般廃棄物最終処分場であった広大な土地が広がっている。1973(昭和48)年から2011(平成23)年まで廃棄物の埋立て処理が行われていたそうで現在は、横浜市のHPによれば
神明台処分地は、平成23年3月31日をもちまして、埋立を終了しました。
今までご理解ご協力を賜り、誠にありがとうございました。
今後は、最終処分場の「廃止の技術上の基準」を満足するまで、適切に管理してまいりますので、宜しくお願い致します。
相武国境の道をさらにたどると、間もなく外側の区が泉区から瀬谷区になり、旭区と瀬谷区の境界となる。瀬谷区、泉区は戸塚区から分区し、旭区は保土ヶ谷区から分区したので、横浜市成立直後はこのあたり、ずっと国境いの道は保土ヶ谷区と戸塚区の境を通っていた。
瀬谷区境付近で国境の尾根道は北の方へ方向を変えて、相変わらずなだらかな丘の上をすすむ。
旭区善部町と瀬谷区阿久和南境界付近
その先で東海道新幹線の上を越える
さらに住宅地のなかの道路をひたすら歩く
道は細いが一方通行ではなく、案外車の通行量も多いという嫌なパターンの、国境のたぶん古い道である。
道路も両側歩道つき2車線に太くなったかと思うと相鉄線三ツ境駅に近づいて、間もなく線路をまたぐ。
相鉄線の北側へ出て、駅側は瀬谷区三ツ境、その隣は旭区笹野台。目の前が三ツ境駅なので、本日はここまでとする。
この付近も相武国境付近なので三ツ境という地名もこれに関連しているのかと、古い地図をみると「三ツ境」という記載のほかに「三ツ經」「密經」の名前が並立していた。わからん。
本日の歩行距離は20.9km。次回は三ツ境から旭区の西側、北側を経て保土ヶ谷区の北側境界を歩く。