散歩の途中

散歩の途中で観察記録、その後少し調べて書くノート

東井堀跡を歩く 旧江戸川から葛飾高砂へさかのぼる

前回、中井堀・上下之割用水を取り上げました。その続き、関連になります。

江戸時代に開かれた農業用水路、現、葛飾水元公園内の小合溜井から伸びていた上下之割用水(かみしものわりようすい)の水路はいくつかに分かれていましたが、今回はそのうちのひとつ東井堀(ひがしいぼり)跡を歩きました。

歩いたコースを現在の地名に置き換えると、江戸川区東篠崎2丁目、旧江戸川にある前野ポンプ所をスタートしてさかのぼり、葛飾高砂7丁目、上下之割用水分岐点だった道路分岐までとなります。
昔の地名を使うなら、江戸川への放流地点、前野からさかのぼり、曲金村の上下之割用水との分岐までです。

用水路跡の地図は中井堀、上下之割用水と共通です。
東井堀は右方の濃オレンジ色

 

前回、中井堀・上下之割用水へのリンク

中井堀・上下之割用水を遡り小合溜井へ歩く - 散歩の途中

 

今回は東井堀最下流、旧江戸川に出るところから遡上開始です。

江戸川区東篠崎2丁目・前野ポンプ所水門と旧江戸川

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ポンプ所といっても親水緑道のせせらぎに導かれた水を旧江戸川へ排出する小規模なものです。
ここでは東井堀親水緑道と、篠田堀親水緑道を流れてきた水を合わせて旧江戸川に排出しています。
対岸は千葉県市川市行徳。

 

ふり返ると篠崎街道と柴又街道の交差点で、そこへ東井堀と篠田堀の末流が合流しています。

街道、堀跡の交差地点から

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正面が堀跡で現在は公園になっています。流れは見えません。

 

公園へ入って東井堀の流路跡側へ進みます。東井堀親水緑道となってしばらく続きます。

江戸川区南篠崎町1丁目、南篠崎天祖神社

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その近く、庭の松をちょっと借景

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江戸川区谷河内2丁目、首都高速7号小松川線が横切る

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京葉道路国道14号)も地上を横切ってます。

 

交通量の多い交差点北側に親水緑道はなくなり、通りの名称も鹿本通り、歩道に並木のある道路がつづきます。

鹿本通りから、鹿骨(ししぼね)親水緑道との交差

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こちらは戦後整備された江戸川用水跡を親水公園化した鹿骨親水緑道、その道との交差地点です。

東井堀の整備は江戸時代ですが、あちこちで分水されるなど、下流となる江戸川区地域では慢性的に水量が足りず、昭和、戦後になって江戸川から水をひく江戸川用水が整備されました。

 

東井堀跡(鹿本通り)を遡上していくと、東井堀から分岐していた(と思われる)流れ跡に整備された、
鹿本親水緑道の起点付近

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向こうの道路が鹿本通り(東井堀跡)、右からきた東井堀の流れがこちらへ分岐、その跡が鹿本親水緑道です。

正面の小屋は緑道せせらぎへ流す水を揚げるためのポンプ室、WCではありません。(1つ前の写真も)

 

鹿本通りをまた先へ行きます。

鹿骨5丁目交差点(鹿本通り)

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こちらは水路があったとは思えない、”普通”の道路がずっとのびています。

 

それでも鹿本通りの交差点名には東井堀水路に架かる橋の名残り「西之橋」「二枚橋」などが残っています。

二枚橋交差点から

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千葉街道が横切る二枚橋交差点、正面から手前が鹿本通り(東井堀跡)です。ここには車道と歩道の間に「にまいはし」と刻まれた橋の親柱が残っていました。
親水緑道などのほかにはあまり痕跡がないこの水路跡で珍しいです。

 

千葉街道北側の地名は南小岩。

下小岩親水緑道入口

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手前を横切るのが鹿本通り(東井堀跡)、それを交差する形で両側に下小岩親水緑道が伸びていました。これはその一方になります。
ここにも水路があったのだと思いますが、目ぼしい資料がいまのところ見つけられていません。
小岩用水から分水した用水路、または末流(排水路)と想像。(もし分かれば追記します。)

 

鹿本通りを北上するとJR総武線のガードをくぐります。

くぐってすぐに左折し、新中川流路方面にちょっと寄り道すると西小岩親水緑道が現れます。
鹿本通りと新中川の間を通る西小岩親水緑道(江戸川区西小岩1丁目)

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ここは元、東井堀から分水された上一色用水路で、新中川*1の流路を越えて西側へ延び、小松川境川の源流に加水する形で終わっていました。

その一部、新中川の東側が緑道になっています。

 

蔵前橋通り北側に出た西小岩親水緑道(西小岩2丁目)

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この先(北側)で鹿本通りに合流します(東井堀との分岐点)。

 

鹿本通りに戻るとその先すぐ「東井堀」交差点

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東井堀交差点を過ぎるとすぐに区の境界、葛飾区に入ります。

東用水せせらぎ通りに通りの名称も変わり、道路の中央に歩道のある道になります。
東用水というのは東井堀の別称です。

東用水せせらぎ通り(葛飾細田1丁目)

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上の写真にはせせらぎがないのですが、
夏には歩道内の溝部分に水が流れるようです

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所々にシャワーの設備もあり、水遊びも想定されているようです。
個人的には子供でもちょっと幅がせまいかな、とは思いますが。

 

葛飾高砂2丁目付近

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この少し先でせせらぎ通りは途切れて普通の道路となります。

 

京成線のガード、けた下2.0Mをくぐります。

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この隣の通りは中井堀(上下之割用水)跡、すでにすぐ近くまで寄ってきています。

 

ガードを越えるとすぐに中井堀、東井堀の分岐地点です。

中井堀、東井堀分岐点から下流方向を向いて(葛飾高砂7丁目)

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右が中井堀、左が東井堀、下流方向になります。
この背後、分岐前は上下之割用水、そちらは中井堀、上下之割用水をたどったノートに続きます。

再度リンク先

中井堀・上下之割用水を遡り小合溜井へ歩く - 散歩の途中

*1:新中川は昭和38年完成の人工的に開削した河川、昔は存在しなかった