千葉県を流れる延長約14㎞の神崎川(かんざきがわ)を歩いてきました。
神崎川は白井市の南西部、住宅地域内に源があって最初細々と北東方向へ流れますが、市中央部で方向を変えて以後南東方向へしだいに支流や湧水などを合わせながら水量をふやしていきます。船橋市との境界、さらに八千代市印西市境界を流れ下り、現在は印旛沼に流れ込む印旛放水路(新川)に注いでいます。
印旛沼の干拓が行われる前はいまの新川合流点より手前、神崎橋付近から直接印旛沼に流れ込んでいました。
昨年秋に近くを流れ支流でもある二重川(ふたえがわ)を歩いたのですが、河原や堤に生えた雑草に行く手を阻まれてずいぶん手こずりました。
当初神崎川も続けて歩く予定にしていましたが、河原の状態などが二重川とよく似ていて秋は歩き辛いだろうと考え、下草が枯れて翌春の成長がはじまる前となる今頃(3月)まで待つこととし、今回満を持して〈そな大袈裟じゃないけど〉出かけてきました。
今回は下流側、印旛放水路(新川)合流点からさかのぼってあるいてます。
最初は印旛放水路の堤、なごりの河津桜から
こちらの水路沿い両岸にたくさんの河津桜〈だと思います〉が植えられています。もうほとんど葉桜でしたがこのあたりだけまだ花が残っていたので彩りに。
そのまま堤の上を北上
神崎川合流点に近づきます(八千代市平戸)
左、橋の架かるほうが神崎川です。
橋上から合流点方向
左方向が印旛沼、足元神崎川の水は合流して通常左へ流れていきます。〈合流の向きからだと右向こうへ流れていくのが自然に見えますが、いろいろ理由あって鋭角に曲がります〉
合流点から500mほどさかのぼったところ
上流方向を見て
この先に架かる神崎橋までの間は戦後印旛沼干拓事業後に開かれた流路です。干拓される前はこの付近がすでに印旛沼の水面で神崎川は直接印旛沼に注いでいました。
神崎橋、上流側から
現在は千葉県道61号(船橋印西線)が通りますが古くからある道と橋です。
現道路は2車線ですが橋脚は4車線分とってあるようですね。
ここからしばらく神崎川が八千代市印西市の境界となります。
戸神川合流
神崎橋から200mほどさかのぼったところ。正面奥から戸神川が流れ込んできます。
戸神川はこの北側、千葉ニュータウン内の北総花の丘公園の池などから流れ下ってきます。
神崎橋から約700m
次の佐山橋から上流方向
河川改修によって川幅は広く、細かな蛇行はなくされています。
両岸は上流部を除いてほぼ水田、または畑地です。この先もあまり変化はありません。
佐山橋から約1800m
小池橋付近にて
小池橋上から下流方向を望む
また300mほどさかのぼり
鈴身川合流地点(八千代市小池)
南方向から流れてくる鈴身川が神崎川右岸に合流。
合流点を過ぎると右岸側は船橋市、そして左岸側は少し前からすでに白井市でした。
ほどなく国道464号(北千葉道路)と北総鉄道線に出合い、その下を潜ります。
手前下流側から
横断して国道464号東行(下り)線付近から
鉄道の高架線両側を国道上下線が挟む形で通り、その下を神崎川が潜っています。
国道のすぐ北側に架かる鎌倉橋から下流方向をふり返る
こちらは鎌倉橋付近から上流方向
こちら船橋市小室町、対岸白井市清戸。
道路鉄道を過ぎるとまたのどかな風景にもどります。堤の上も舗装されてなく夏秋は通るのが大変かと。
川幅も狭まりました
神崎川は川岸や川底がコンクリートや矢板などで固められてなく、改修が行われていたとしても流れは自然のままになっているところが多いです。
小室橋上から下流方向
鎌倉橋から約900mで次の小室橋。
さらに300mほどで県道189号(千葉ニュータウン北環状線)の高架橋下をくぐりますが、スルー。
その次の橋は二重川橋
昨秋に支流の二重川を下って歩いてきたときにこの橋まできました。
この橋の上流側に神崎川、二重川の合流点があります。
二重川橋から上流方向
流れが左に曲がって見えるところに合流点があります。
このあたりは川底、護岸など人工的に手が入れられてますね。川の合流で荒れることがあるのかもしれません。
神崎川二重川合流点を神崎川左岸から
右から左へ手前神崎川、向こうから二重川。
昨秋の記録
二重川を歩く 千葉鎌ケ谷から船橋・白井境界を流れる川 - 散歩の途中
神崎川を先へ進むとすぐに小さな堰がありました。
水位を上げて取水し周辺農地へ水を送る普通の堰(ゴム堰)ですがこの川でははじめて見たような気がします。
すぐ上流側は白井橋(白井市白井・神々廻境界)
わりと地味な橋が多かったのですがちょっと手が込んでます。通るのは木下街道、古い街道です。
白井橋から上流側はしばらく人家も少ない寂しいところを通ります。
川の両岸は地図記号では水田ですがもはや耕作放棄地が多い印象。
そんな中で川の流れは大きく方向を変えます
ここまでほぼ北西方向にさかのぼって歩いてきましたがカーブして南西へ方向転換。
転換完了して折立橋から上流方向
方向変わって川の上流正面から日射しをうけるようになりました。それ以外の変化はほぼ無し、と。
約1㎞さかのぼると国道16号が横切ります。
所沢橋上から国道16号新所沢橋方向
このあたりからまた〈いわゆる〉人里、周囲の様子も少しずつ変わっていきます。
国道16号から約800m先
野口川合流
この川は300mくらい上流にある調整池が源になっているようで、とても短い川です。
さらに約700mで七次川合流点
どちらの流れも細々と見えますが、2つの川の合流点。
左手前から流れ込んでいるのが七次川、この川も4~500m先にある調整池から流れ出している短い川のようです。
神崎川をさらに500mくらいさかのぼると再び北総線線路が国道464号(北千葉道路)に挟まれたところを通過します。下流側で通過した場所からは道路(線路)を西に4㎞弱というところでまた交差しています。
ここは国道、線路下に細い道があるので楽に通過できました(白井市根)
通過して北千葉道路(上り西行線)南側から
正面にあるのはガスタンク、神崎川流れもますます細くなりました。
自家製?の丸太橋
これより上流は都合により季節と天気が変わります。
そのわりに距離は先ほどの丸太橋から400mくらいですが
足元は背後の調整池から流れてくる水路、前方すぐのところで神崎川に合流している地点です。
〈見えてませんが〉合流点が神崎川上流端ということになっているようです。
とはいえほとんどの河川で上流端より上流にも流れは続きます。
さらに500m上流
またまたさかのぼって
ここはフェンスの向こう側に流れがあります。
右隣りは関東第一高校野球部グラウンドとあります(白井市富士)
野球場、広場などがあってその先
広場と林の間、フェンスのあたりに流れがあるようです。〈目視で未確認〉
右に写るのはは八幡神社本殿。白井市富士にあるこの神社付近が流れの源とされています。
神社境内を一周してみましたが水の流れ、はっきりした痕跡はみつけられませんでした。
源があるのは上流端から1.4kmほどさかのぼった場所、地形的には下総丘陵上部の平坦面で周囲は最近都市化が進み、宅地、人口も増えてきているところです。
神崎川遡上ここまでです。
下総丘陵のこの周辺一帯、台地尾根に沿って鉄道や道路がのび、それに沿って街が形成されています。またそのような地形部は河川のはじまりともなるので、宅地の真ん中に川の源があり、下っていくと人の密度が少なくなっていくというユニークな現象があちこちの川で見られることに気づきました。
それと今回、春先の川沿いを歩くのにほとんど支障はありませんでした。秋に身動きとれないほど生えていた草はどこへ消えてしまったのか不思議です。逆に今、歩くのに苦労した場所がどうなっているのか確かめたくなりました。〈行ってませんけど〉
神崎川と二重川の簡単な流路地図を置きます。濃い青ラインが神崎川