おもに大田区、世田谷区を流れる呑川(のみかわ)、以前そこを歩いたノートに『呑川をくまなくあるく』のタイトルをつけました。2年半ほど前です。
隈なく歩いたつもりだったんですよ。そしたら数ヶ月前に見逃しを発見。この時は現地を訪れて「くまなく…その2」に追加しました。
さらに先日、近所と言っても過言でない場所で、目の前に暗渠でない、流れる川の姿を発見。
調べると呑川の支流です。迂闊にも気づいてなかった…。
こりゃまだあるな。
案の定、未知の流れが複数見つかりました。
くまなくあるくのタイトルをつけた以上、行って見てまとめねば、でも実はちょっとめんどくさい…
なので今回は地域的に近い、要するに1回でまわれる4本を訪れ「その3」としました。
大田区の久が原から雪谷、世田谷区の奥沢あたり、呑川右岸側の支流となります。
呑川流路地図 今回分はオレンジ色系ライン
流路に名前がない(わからない)ので適当に周辺の地名をかぶせました。
呑川本流下流側から順番にまわります。
◆久が原支流
大田区久が原2丁目、呑川北の橋のたもとから西に延びる暗渠です。
橋の真下に呑川本流へ暗渠出口がありますが記録してませんでした。
代わりに橋名称記録用のもので
橋を背後にその上の道路から
道路左側の歩道部分が暗渠。
右側はNTT池上ビル。
200mほど直進すると道が分かれます。
ここは右側ですね。
先へ入って行くと
正面奥が久が原図書館、そこで道はカクカクと複雑に折れ曲がります。以前は図書館の下が流路だったかな。
いったん普通の道路へ出ますが、また車止めのある歩道へはいります。
先の左側からこの道路へ右折して出て、こちらへ来てまた折れて車止めの向こうへ
車止めの奥へ進んで振り返る
ここは真っ直ぐ。先ほどの祠が向こうに見えてます。
この手前、背後で左へ折れて一般道へ出ます。
折れたところ
右側歩道部分が暗渠道。
正面奥で突き当たって、その先は痕跡がありません。
突き当たり部
正面右は周囲に比べてやや低く、わずかな窪地ですが、周囲は住宅が密集してこれ以上追うことができなくなりました。
流路跡が確認できた先端は久が原4-14。
◆南雪谷支流
大田区東雪谷5丁目、呑川本流水神橋。
橋の下に穴があいて、暗渠の出口です。
橋の向こうは雪谷中学校。
ここも本流と直角にまじわる道路上に暗渠歩道が付属。
水神橋の上から西側
まっすぐ進むと東調布公園内へ。
東調布公園のなか
水が流れてますが、暗渠道は左側のグレー部分です。
公園を出たところで振り返って
蓋をかぶせた暗渠が公園へ入っていきます。
東調布公園から100m強、さかのぼると水神公園があります。
水神公園の洗い場(復元)
公園の向こうは少し高台になっています。
右側、洗い場の解説を代読
水神公園 洗い場(復元)
この場所は、昔は「水神の森」と呼ばれ、非常に湧水の豊富なところでした。
以前この付近には、大正期に整備された、「水神様の洗い場」がありました。洗い場は、湧水を利用して野菜や農具を洗うなど、時代と共に様々な用途に使われていました。
この洗い場は、地域に親しまれていた洗い場の面影を残すため、平成二十六年、公園整備に合わせて復元したものです。
洗い場の水源は、公園内の湧水を利用しており、流末は、東調布公園の流れる川を経由し、呑川へ注いでいます。
また、かつてはこの近辺に水神様が祭られていましたが、現在は雪谷八幡神社へ移されています。
平成二十六年 三月 大田区
暗渠の流れはもう少し上流へ続いていますが、この近辺の豊富な湧水が水量を増していたのですね。
水神公園から200mほどさかのぼると
水の流れは細い路地へ分かれて行きます
暗渠部分の歩道はここまで(ガードレールの向こう)。道は少し上りになりますが、流れの方はその右側、せまいところへ入って行きます。(ていうか流れは”出てきてる”のですが)
もちろんせまい道へ入って追いかけます。
裏側感満載の細道、先は階段
排水用のビニールパイプもたくさんのびてます。
階段を上がったところは大田区南雪谷4-18。
その先でもう一度同じような風景がくりかえされます
再び細道へ入るともう1回階段があり、
2つ目の階段を上がって振り返ったところ
2度階段をあがって、台地の上まで来てしまったのですね。
流れの痕跡はここまでで絶えます。
◆東玉川支流
呑川合流は大田区石川町2丁目、中原街道石川台交差点から少しさかのぼった地点。なのですが、水の出口と思しき場所に穴がない。
そして穴があるべき場所の50mほど上流側にこいつ
しばざくらきんたろう児童公園脇の水の出口。これから追いかける暗渠出口か断定はできないものの、穴はここだけ。
本来の暗渠出口と思われる上部の細道
暗渠はここからおよそ西へ続きます。
入って行くと何回か折れ曲がったあと、
ここで一般道を交差します
左側は崖、傾斜があり、流れは正面の建物の間へはいります。
建物の間を覗き込む
ここは入っていけないので回り込むと、100mくらい先で一般道の歩道につながってました。
歩道部分が暗渠(上流方向を見て)
この先はあまり変化なく、片側歩道の道路が続いて行きます。
たどって行くと、状況がちょっと変化。
歩道の先が段差になってます(世田谷区東玉川1-33)
段差の上、奥の家の塀で終わりかと思ったら、せまいすき間が伸びてました。でも通れません。
反対側へ回り込んでみると
錆びたフェンスの向こうに先ほどの続きがありました。
ここで一瞬流路を見失ったのですが、角度を変えると
レンガの塀の先にまたすき間
そこには蓋掛けされた暗渠がありました。
ただし、そちらのすき間をぬけたところからは痕跡が見つかりません。
流れが追える最上流は世田谷区東玉川2-26となりました。
◆奥沢支流
こちらは上流端から追いかけてます。
最初は奥沢商店街から(世田谷区奥沢3-28)
道路を向こうへ行くと100mほどで東急目黒線奥沢駅。若干上り勾配になってます。
左は城南信用金庫奥沢支店、その左方一帯も若干土地が高くなってます。(値段ではない)
自分の推測では信用金庫支店地下が水を生む場所ですが、ここは右へ向かって進みます。
支店前からのびる道路は片側歩道、下は暗渠ですね
先へ進むと前方にフェンス
フェンスの向こうを覗くと水が流れているのが見えました。
この先しばらく開渠区間です。
あまりきれいじゃないけど、こんなかんじ
普通に道路を横切ったりしてました
道路両側フェンスの下に流れがあります。
つい最近までこの流れに気づかなかったんですね。
世田谷区奥沢1-34地点
この左側直前まで開渠、向こうへ折れて蓋がかけられ、道路交差点を右折します。
右折した先は再び歩道の暗渠
道路前方のグレーの建物前で右折します。
きれいに折れてますね
左へ下流側。
その先、区立奥沢公園前を通過してから左折。そのまま呑川へ向かいます。
やや広めの道を先へ
道路下が暗渠と思われます。前方には呑川のフェンスが見えています。
呑川の対岸から振り返って
ちゃんと道路の下に暗渠の出口がありました。
呑川右岸4支流については以上です。
これまで廻った呑川の記録はこちらに
呑川をくまなくあるく その1 本流遡上と下流の旧呑川 - 散歩の途中
呑川をくまなくあるく その2 4つの支流歩き - 散歩の途中