前回、中川から大落古利根川へ入って遡り、現在位置は越谷市大吉、葛西用水の分水地点、古利根堰です。
前回の重複画像になりますが、
古利根堰で分けられた葛西用水の流れ(逆川)
分水された葛西用水が流れる逆川(さかさがわ)、寛永年間(1640年頃)に古利根堰と同時に整備されたものですが、開削当初は古利根川の水量減少時、または流れる先の元荒川の増水によりしばしば逆流したそうで、それが『逆川』と呼ばれる由来だそうです。
これより上流は大落古利根川と葛西用水の水が同じ河道を流れている、ということになります。
先へ進みます。
古利根堰に隣接する寿橋を渡り、大落古利根川左岸の松伏町側へ出ます。
寿橋上から古利根堰
ゲートは最上部まで、全開です。ここの堰はゲートを水面以上にあげてしまうと何もないのと同じですね。
堰上流側にまわって振り返り
堰の上流側は松伏溜井(まつぶしためい)、溜井というのは灌漑用水用のため池、貯水池です。〈川の途中にあるので動物でいえば胃袋みたいなイメージでしょうか?〉
ゲート全開なので想像ついてましたが、水はわずかしかありません。夏場農繁期は川幅いっぱいに水が溜まっているようです。
対岸、ゲート近くに葛西用水の分水口があり樋門、管理棟が見えます。左手前では2人何か企んでます…
左岸側に整備されている古利根川緑道を上流に向かって歩きます。
が、しばらく風景にほとんど変化ありません。
古利根堰から1200mほど遡った松伏溜井
護岸をコンクリートでがちがちに固めず、堤防はあっても低くて簡素です。
松伏溜井の整備は1640年頃とのことですが、様子は昔からあまり変わってないような気がします。
冬場で水位はだいぶ下げてます。少なくとも手前側は通常川底でしょう。
ほぼ同位置から上流方向
離れて向こうに堂面橋(工事中でした)、越谷市道が渡ってます。
渡ると越谷市向畑。対岸、生垣の見えるところは向畑公園。
このへんから川幅が少し狭まるようです。松伏溜井の上流側へ、古利根堰から2㎞弱。
この付近にはかつて『堂面の渡し』と呼ばれる渡船がありました。
堂面橋の上流側から上流方向
様子は相変わらずです。このあたりも夏場はもっと川幅広いのかと想像します。
そしてこれが堤防
いつ頃設けられたものか不明ですが、この川の堤防は大体どこもこのように簡素で、嵩もありません。
天堤は『古利根川緑道』、道も簡素ですがどこまでも続いてます。そしてほとんど誰もいません。
はじめて見た距離標識(案内)。
大落古利根川 始点(中川合流点)から6km
この先は度々見ました。
その少し上流側から2つ、いずれも川下流方向を見て(松伏町大川戸)
右側に流れがあり、現堤防の上に立ってますが、左端付近にもう1本並行して堤防が存在します。その外側がまた低くなっているので築堤したことが分かります。外側の堤防はより古い時代に造られたものだと思いますが、内側の堤より高いのが不思議です。
さらに上流へ500mほどで春日部市に入ります。
春日部市赤沼から対岸は越谷市船渡
その少し上流側に橋が架かります。
古利根橋、下流側から
水管橋が通って、その向こう側が古利根橋です。
手前、川の中に腐ちた木杭が一直線に並んでます。古い橋の橋脚かなっていうのが個人的な希望です。〈ネットであたってみましたが、手がかり得られず。こんなものに興味をひかれる人は少ないのでしょう…〉
上流側から
代わり映えしませんね。通る道路は県道80号野田岩槻線です。
そこからいくらもなく、次の橋があります。
古利根川橋、上流側から
こちらは国道4号越谷春日部バイパス、交通量がとても多いです。開通したのは1980年頃。
緑道は橋の下をくぐってます。
上流方向を見て
近くには沼(薬師沼)があるとのことですが、間に工場が建っていて確認できず。
一帯の低地では川の古い流路跡に伏流した水が湧き出したり、氾濫時の洗堀でできた凹地が残って、沼や池がたくさんあります(した)。(現在は干拓されるなどで多くが消滅)
古利根川橋から1360m、中川合流から10㎞のパネル(春日部市藤塚)
そこから1㎞ほどさかのぼったところ
そろそろ春日部の市街地です。対岸、川の近くを国道4号(日光街道)が通っています。前方は藤塚橋。
流れの中央に細長い中洲ができてました。
藤塚橋上から下流方向
先ほどの中洲も〈儚くみえて意外にしぶとそう〉
藤塚橋を渡ると日光街道藤塚橋交差点、街道の一里塚跡などもあるそうです。
右岸沿いの歩道は工事中で通れない事がわかり、戻って左岸側を次のゆりのき橋まで歩きます。
12㎞標識とゆりのき橋
このあたりは川幅が比較的せまくなっています。
ゆりのき橋から上流方向
この上流側は両岸が公園(左岸:牛島古川公園、右岸:川久保公園)となっています。
川久保公園手前右岸堤防から
公園内を通過中
それほど大きな公園ではありません。昔の河川敷、荒地を改修整備したといったかんじです。
公園の北端に東武野田線橋梁がかかってます
河原に下りて橋梁の下をくぐります。そんな踏み分け道ができてます。
反対側へ出るとすぐ牛島人道橋が架かり、そこを渡ります。
牛島人道橋から再び東武野田線橋梁
渡って左岸、13㎞標識
上流方向を見て
また川の堤防なくなっちゃいました。
とりあえずまたここで刻みます。
このあと川は春日部の中心部へ、街道の宿場近くを通過していきます。そちらは次回。
前回分
続きです
地図:今回分は《大落古利根川(2)》