前回荒川を歩いたのは去年の10月、さいたま市と川越市の境界に架かる上江橋(かみごうはし)まで来ていましたが、久しぶりにその先(上流)を歩きました。
こちらは前回ノート 荒川その6
この頃この先あちこち荒川の工事が進行中ということで歩くのを躊躇してましたが、〈年度も変わって〉いくつかの工事は完了したということで、再スタートです。
この日は上江橋から荒川左岸側を鴻巣市の御成橋まで歩いてますが、たぶん2回に刻みます。
JR川越線指扇(さしおうぎ)という駅から歩きはじめました。
10分ほどで荒川の左岸堤防に出ます。
荒川左岸堤防、前方左は上江橋の一部
上江橋は荒川、入間川の合流点近くに架かり、その他いくつかの河川も一気に跨ぎ、全長は1609.9mあります。通る道路は国道16号。
最初これより上流へは入間川と荒川の間にある背割提を歩く予定でしたが2024年まで工事で通れないそうです。そんな気長に待てないので荒川左岸側の堤防へ出て上流へ向かいます。
上江橋の下をくぐって再度堤防へ上がり、少し先へ。
海まで46.0km地点標識付近の荒川左岸堤防
左側が河川敷、ですが川の流れなんて見えません。荒川は(山中を除けば)どこも河川敷がめっちゃ広いですが、このあたりからは特に広くなります。
その近くから西側(荒川、入間川の河川敷となる方向)を望む
河川敷なので住宅などは建てられません。農地やグラウンドなどは点在しますが、このあたりは何もありません。肉眼でははるか遠くに川越あたりの高い建物や塔がわずかに見える程度です。
(2005年頃まではこの付近握津地区、河川敷内に集落が存在したそうです。家などは盛り土をした上に建てられていました。)
しばらくして河川敷に下りました。
こちらは水田
田植えからまだ日は経ってませんね。
そこからわずかな、くらいの距離をおいて
この周辺も地図記号では水田になっています。2年前の台風で川の水が溢れ、田んぼは泥まみれとなったようで今年のはじめまで災害復旧工事をしていた場所です。(上尾市平方)
ようやく工事が完了したものの今シーズンは田植えにまで至らなかったということでしょう。
伸びている道も最近通れるようになったばかり、ずっと通行止めでした。
そんな中を小さな川が流れていました
荒川に注ぐ中堀川という小河川。遠くに見えるゲート(貝殻排水樋管)を通ってこちら荒川河川敷に水が流れ込んでいます。ゲートも最近置き換えられたようでまだ新しいです。
水田再生途上の一帯をぬけると橋の下をくぐります。
開平橋(かいへいはし)
埼玉県道51号(川越上尾線)が通ります。長さは816.8m、上江橋の隣りの橋ですが橋長は半分くらい、隣を流れる入間川との間が少し開いたからです。入間川には入間大橋が別途かかっています。
ここまで来て久しぶりに荒川の流れを見ることができました。
開平橋上流側から(上尾市平方)
なんか緑深いです。〈ヘビが気になる〉
600mほどさかのぼると次に小さな橋が見えます。
西野橋(にしやばし)
対岸にゴルフコース、こちら側にはそのクラブハウスがあるのでゴルフ場が架けた橋に見えますが一般の橋。とはいえ通行の大半はゴルフ場のカートです。
河川敷内だけに架かるこのタイプの橋、この先いくつかあります。『沈下橋』『冠水橋』などと呼ばれ、川の水が増えると橋面が水面下になるよう設計されています。(行政用語では『潜水橋』という)
西野橋上から荒川本流
下流方向を見てます。
これより上流、荒川の流れを時々間近に見ながら歩いていくことができます。実は「県央ふれあいんぐロード」というサイクリングコースを大体歩いています。
堤防天堤に通されたロード
ちょっと狭いのが難点ですかね。
左側に荒川が流れ、右奥一帯は上尾丸山公園が広がってますが、どちらも見えません。
このあたりは東側(写真右側)に台地がせまっていて堤防は必要な高さに満たないところのみに設置されています。大体小さな川が流れ込んでくるところ、ダム堤体のように堤防を設けてあります。(ダムのように水は溜めませんが)
ここもそのひとつ、右側公園内を流れる水が荒川に注ぐため土地が低くなったところに堤防を造り、水は樋管(トンネル)を通って荒川へ出ていきます。
川と関係ないですが見事な花
赤系はゴデチア、オレンジはマリーゴールド〈たぶん〉
こちらの牧場、ジェラートが人気。
食レポはしないことにしてますが《良いです》。
牧場のはずれから荒川とふれあいんぐロード
正直、この先あまり変わり映えのしない景色が続くのは否めない。
上尾市領家付近荒川、対岸河川敷
ここでも小さな川が荒川堤防の下を樋管でくぐって河川敷に流れ込みます。
宮下樋管と江川
後ろの土手が堤防、台地谷間をダム堤体の様に渡した長さ500mほどの堤で『宮下堤』という名前を持っています。この手の堤防、造られたのはいずれも江戸時代だそうです。
サイクリングロードは樋管ゲートの後ろをまわるように迂回です。
荒川河川敷を流れる江川
前方で荒川に合流、護岸は最近整備されたばかりです。
そこから500m弱さかのぼったところ荒川本流に架かる
樋詰橋(桶川市川田谷)
この橋も冠水橋、橋脚は最近再塗装したようです。
樋詰橋上から荒川上流方向
荒川本流この付近はそれほど古くない時期、人工的に直線化された流路です。蛇行を繰り返した古い河道が西側、同じ河川敷内に残り、現在は沼地のようになっています。
樋詰橋の上流側には麦畑。そしてまた一時、道は堤防の方へ。
麦畑と荒川堤防
「麦秋」という言葉を思い出しました。
この先にも麦畑が多くあったのですがまだどこも刈り取り前でした。〈そういえば埼玉ってうどん有名ですね、県名で主張しない程度に〉
道の先、台地の谷間にのみ設けられた堤防、ここにも樋門ゲートがあり、水が流れ込んでいることがわかります。
その堤へ上がり
堤防名は石川堤、設備は石川樋管、そこを流れる小川は石川堀。
石川堀の荒川合流点方向
石川堤の上を進むと荒川本流の対岸、河川敷内に軽飛行機の飛行場が見えます。
現在は本田航空㈱が管理する飛行場ですが、最初は熊谷陸軍飛行学校桶川分教場の川田谷飛行場として1937(昭和12)年に開設されました。
セスナの離着陸音より飛行場に隣接するバイクサーキットからのエンジン音が響き渡ってました。
石川堤の末端
立派な堤防はここまで(ここから)でこの先は一段低くなって寺院の境内へ。それでも河川敷から見ると段丘末端の少し高い場所にあるので問題ないのでしょう。
寺院は泉福寺といい、立っていた解説文によれば「比叡山延暦寺を総本山とする天台宗の別格寺院である」とのこと。〈略しすぎ?〉
本堂なども立派ですが、仁王門を
石造りの仁王像でした。
再び河川敷に下りて上流へ進みます。
泉福寺から約1000mで太郎右衛門橋、ちょっと変わった名前の大きな橋へ。
太郎右衛門橋、下流側から
たろううえもんはし、たろうえもんばし、2通りの読みがあるようです。冠水橋でない橋としては開平橋の次の橋になります。桶川市と川島町の間に架かり、埼玉県道12号(川越栗橋線)が通ります。橋長700.5m。
変わった橋名の由来は、橋ができる前にあった私設の渡し場(渡船)の管理者の名前といわれてます。
大体この日の中間地点に着きました。ここまでで1回刻みます。
この日の足あと地図(オレンジライン:その7、その8)