散歩の途中

散歩の途中で観察記録、その後少し調べて書くノート

坂道探訪 目白崖線・落合崖線の坂道(6) 中井の番号坂、1から5まで

落合崖線にかかる、名前のついた坂道の続き。
新宿区中井2丁目に一の坂から八の坂まで通し番号の坂道が存在します。
今回はこの中から、一の坂、二の坂(蘭塔坂)、三の坂、四の坂、五の坂の5つの坂を取り上げます。

 

◆一の坂〈いちのさか〉

山手通りが中井駅などを跨ぐ陸橋北側すぐの場所にあります。

周辺の宅地化に伴い一の坂の道が開けたのは大正末期あたりと思われますが、その後隣接する山手通り(環状6号線)の開通、改修、拡幅でたびたびこの坂道は影響を受けています。当初の面影は今ほとんどないでしょう。
古くは蘭塔坂(二の坂)の坂下で合流し、中井通りに接続していました。
戦後山手通りが開通、その後改修拡幅工事により一の坂と中井通りは分断され、山手通りに直接接続されました。
さらに近年、首都高山手トンネル建設に伴って歩道を含めた山手通り拡幅工事も行われ、一の坂は車道部分の付け替え、歩行者用には階段とスロープによる山手通り歩道との連絡路設置等が行われ、現在の状態になっています。

山手通り歩道に連絡する一の坂通りスロープ、階段(ともに下部のみ)

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下左は山手通りで先は陸橋になってます。近年拡張された右側歩道部分にかつては一の坂の道が通り、陸橋右わきをさらに下って、横切る中井通りとつながっていました。

 

現在の一の坂通り車道部はこの背後、以前とは逆方向に道がつけられ、山手通りに出ています。

一の坂通り車道部分(開通当初と逆方向に付け替えられた道路)
山手通り出口付近から

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右側坂なかほどにスロープの分岐。

車道は上にあがって右に折れてますが、そちら側から

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この右側に階段、標柱があります。

 

右を向いて

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カーブミラー内に車道の下り部分が写ってます。

 

階段側から一の坂上方向

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この上はゆるい坂道、50mほど行って坂上です。

 

その途中、左は中井東公園

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下に階段手前の車止めなどが見えてます。

 

坂上から坂下方向

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坂上から中井通りまで(開通当初の坂長)は140mほどですが、山手通り歩道の階段下までは80mほどです。

最近の道路拡張工事前まで中井町会による「一の坂」と書かれた看板があったようです。
階段上の青い標柱にある「一の坂通り」の名称は2009年に新宿区の道路通称公募によりつけられたものです。

 

 

◆二の坂〈にのさか〉(別名:蘭塔坂〈らんとうざか〉)

中井通りが山手通り陸橋下を西側に出たところを北西方向に分岐する道が二の坂(別名:蘭塔坂)の通りです。西武新宿線中井駅のすぐ北側でもあります。

ほぼ坂下から上

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坂道はS字に曲がり上がっていきます。右端に青い標柱があります。こちらは「二の坂」の文字がカッコつきで別名扱いです。

「蘭塔坂通り(二の坂)」標柱

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かつてこの坂の途中に墓地があり、蘭塔と呼ばれる卵形の塔婆があり、多くは禅僧の墓標として用いられた。

 

少し上がって坂下方向

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前方上を横切るのが山手通り、その陸橋をくぐる中井通り、手前で蘭塔坂通りが突き当たります。

昔は陸橋をくぐるあたりで、左から〈一の坂〉の道も下ってきて合流していました。

道路左の電柱後ろに青い標柱が立ってます。道路は水撒き中、煽られました。

 

二の坂、S字カーブした上側

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カーブの先は坂上まで直線です。下の道路も急坂仕様のコンクリートからアスファルト舗装に変わりました。

 

坂上近く

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坂を上がった正面に寺門、その横に「法華宗獅子吼会」。

坂下標柱の解説『坂の途中の墓地…』はこちらのものではないと思います。

 

上で振り返り、門前の大きな木、左は蘭塔坂(二の坂)下り口

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この坂道は周辺では古い道のひとつです。現在の坂長は130mほど、傾斜は全体でやや急くらいでしょうか。

現在は番号順で二の坂とされましたが、(おそらく)古い名前である、蘭塔坂の名も残したいところです。

 

 

◆三の坂〈さんのさか〉

隣りの蘭塔坂(二の坂)から中井通りを西に150mほど、そこから北へ上がる道が三の坂です。

坂下・中井通りから

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《姥》のお兄さんも自転車からおりる急坂ですね、傾斜は確かにあります。

ほぼ直線で坂上近く、わずかに左へ折れてます。100mに満たない長さです。

 

坂半ばから下

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坂上近く、傾斜がゆるくなるあたり

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ほぼ直線、短距離で一気にあがってあとはほぼ平坦という形状。大正末期頃、周辺の宅地化で開かれた道のようです。やや地味な坂道でしょうか。

三の坂の名称は地元町会によるもの、「三の坂通り」は2009年新宿区の道路名称公募で付与されています。

 

 

◆四の坂〈よんのさか〉

三の坂から中井通りを80mほど西、北へ入る道が四の坂通りです。
三の坂坂上からたどってこちらの坂上へ出たので上から下へ見て行きます。

 

四の坂下り口付近

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坂上側はほぼ平坦です。

 

近づき

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四の坂は階段坂です。階段なので傾斜は急ですが、それ以外は平坦です。

この周囲は大きな木が多く、緑が濃いです。

 

階段途中から坂下

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階段下右側は小説家林芙美子が1951年亡くなるまで10年間住んでいた旧居、現在は林芙美子記念館として公開されています。

 

階段下から

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門の前より

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記念館入口は先の階段下にあります。

 

中井通りにぶつかるところ

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階段下から中井通りまでもほぼ平坦。

青い標柱に「四の坂通り」、解説文等はありません。こちらも新宿区の道路名称公募により付与されたものです。

 

 

◆五の坂〈ごのさか〉

四の坂から中井通りを西に130mほど、北に上がっていくのが五の坂通りです。

坂下、中井通り突き当りから

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左側建物の壁に「五の坂 中井町会」手書きの古い看板が取り付けられていましたが、見切れてしまいました。

 

ゆるゆると上り、途中で下を

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さらに上がると

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ちょっとした切通しに両側大谷石の擁壁、左は古い板塀、右には彼岸花、赤松の木。

 

坂上

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坂下からは120mほど、傾斜もそれほどきつくありません。

 

実際の坂上からだいぶ離れて坂上側の標柱がありました

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正面が下りになりますが、坂のはじまりはまさに今車が下りていくところ。

五の坂通りの道は細いながらも古くから存在していたようです。通りの名称は周辺と同様、2009年新宿区の公募により付与されたものです。

 

坂道地図 今回分は25~29番です。

 

前回(5)

坂道探訪 目白崖線・落合崖線の坂道(5) 中落合、中井の4坂 - 散歩の途中