リヨンの街歩き(2) フルヴィエールと旧市街 2025年フランス旅行記 その3

フルヴィエールのノートルダム大聖堂をあとにします

 

丘の上を5分ほど歩くと
古代ローマ時代の大小2つの劇場と"Insula Basilicale"(インスラ・バシリカーレ)という建物跡が残る遺跡に出ます。

周辺は"Lugdunum"(ルグドゥヌム)といい、この名はリヨンの古代ローマ時代の名称です。
ローマ人がここフルヴィエールの丘に都市を建設したことがリヨンの起源ともいわれています。

こちらはガロ=ロマン劇場(Théâtre Gallo Romain)ローマ円形劇場の大きなほうで、現在もイベントが開催できるよう舞台、観客席などは改修されています。

正面後方から


こちらはInsula Basilicaleの跡になるのかな航空写真などで上空から俯瞰するとほぼ長方形の建物跡がわかるのですが、この位置からは把握しにくいですね

ガロ=ロマン劇場の階段を下りてふり返り


舞台の袖あたりの石積み少なくとも何回かは積み直しされているようですが、時代を感じます。

舞台の上から現在も観客1万人が収容可能だそうです。

舞台背後の柱は大理石なのかな?

こちらの劇場が建造されたのは紀元前1世紀ころとのことです。

 

大劇場の隣りには"Odéon antique de Lyon"、こちらも紀元前1世紀にできたといわれる音楽堂(小劇場)です。

Odéon(オデオン)の舞台上から大劇場よりは小ぶり、約3000人収容とのことです。

同じくオデオン舞台上から大劇場方向正面崖の途中カーテンのようにのびるコンクリートの壁は『ガロ・ロマン文明博物館』建物。
その下に四角い窓のようなものがありますが博物館内から劇場を展望するための設備になってます。

また、右上にはフルヴィエールのノートルダム大聖堂4つの塔と金色のマリア像などが見えています。

オデオンの客席を少し上がったところから

 

ローマ劇場跡からケーブルカーの駅へ向かいます。
"Minimes Théatres Romains"(ミニム・テアトル・ロマン)駅ホーム2本あるケーブルカー、往きにフルヴィエールへ上ったのと別の路線の中間駅
ここから下って旧市街へもどりました。

 

こちらは駅すぐ近くのサン・ジャン広場(Place Saint-Jean)


広場に面してリヨン・サン・ジャン司教座聖堂(Cathédrale et Primatiale Saint-Jean-Baptiste)(サン・ジャン大聖堂、サン・ジャン大司教教会、サン・ジャン大教会などとも)がそびえます。

ふり返って司教座聖堂のファサード、右にはサン・ジャンの泉(Fontaine Saint-Jean)ファサード部分はゴシック様式で14世紀につくられましたが、12世紀にロマネスク様式の建物として着工されたそうです。〈そして足かけ300年も建設に時間がかかっているのですね〉

ファサード中央の扉が開いていました
中へ入ります。

はじめにファサード中央上部に見えていたバラ窓をふり返って撮りましたバラ窓の下に開放された入口がみえます。

こちらは身廊を奥へ進んで内陣上部のステンドグラスなど


その下は教会内でもっとも神聖な場所です


こちらの大聖堂建物中央部から横に張り出した袖廊と呼ばれる部分には天文時計があります。
高さ9.35m、幅2.2mの天文時計内部にある錘を定期的に巻上げ、それが一定速度で下がっていくことで時を刻んでいます。

時計の下部には本年および2089年までの様々な重要行事の日時などが記されたカレンダー情報左の指が差す本日の日付、もちろん正確です。

 

聖堂中央の身廊と高窓のステンドグラスステンドグラスを通して差し込んだ日射しがベンチに反射しています。

 

扉から外を

 

広場を右に進むとリヨン旧市街のレストランなどが並ぶ、石畳の通りが続きます。〈石畳、歩きにくかったです。よそ見ばかりしてたので余計..〉

旧市街の通りの一部をいくつか

 

こちらはギニョール(Guignol)という子供向け人形芝居の博物館、関連の人形や小道具、お土産品なども扱っているお店です左下にいるのが主人公ギニョールのお顔

裏通りの片隅にからくり時計

 

そしてここは旧市街の建物後ろ側が覗ける場所元々フェンス周辺にも建物があったのですが何らかの理由で取り壊されて周囲の建物の裏側と共同の中庭部分が現れました。

フェンスの内側にリヨンのシンボルでもあるライオンがいました


建物の裏側が見られる場所はほとんどないですが、旧市街には建物の間を通り抜けるための通路『トラブール(traboule)』といいます、があちこちにあります。
トラブールの一部は公開されて観光スポットとなっているところもあり、そこへ入れば建物の裏側や中庭が見られるところもあります。

ベルクール広場の観光案内所では公開されているトラブールの位置を記してある地図を貰ってきたので何か所かトライしてみました。

最初のこちら、通常のトラブールは通りに面した扉は閉じられていますがウェルカム状態ですね


奥へ進むと中庭に出ます通路途中は建物に住む人の入口が別途あってそちらへは勝手に入れないよう厳重な柵などが設けられていました。

ここの名物はこの赤い色の塔建物の階段室になっています。(この内部はプライベートエリアで勝手に出入りできません)

またこの背後は向こう側の通りに面したお店がその後ろ側とここをつなげていて、通りに出るにはお店のなかを通りぬけなければならないようにしています。あら商売上手ねってわけでもありまして..

 

そのほかのトラブールですが、どれも扉が閉ざされていて閉鎖中と明示されているものや扉の開け方がわからないものばかりでクエストできなかったのでした。元々その建物に住む人たちの出入口と通路ですからプライベートエリア、ほかの人々が勝手に入ってくるのは抵抗あるのかもしれません。
トラブール専門(?)のガイドが存在するのでそのような人に案内してもらわないときちんと見るのは難しいようです。

 

先ほどのからくり時計も時刻は正午を過ぎていたのでそろそろお昼ごはんです。

リヨンは美食の街とよく言われます。そのへん大いに期待していたので食事に関して出発前に下調べをしました。

リヨンの伝統的な家庭料理や周辺地域のワインなどを提供する『ブション(bouchon)』と呼ばれるビストロ(レストラン)がたくさん存在することを知りましたが、さてどこのブションを選ぶか迷います。
『本物』のブション料理を提供するお店にはリヨン商工会議所によって"Les Bouchons Lyonnais"(レ・ブション・リヨネ)というニャフロン(Gnafron :人形劇ギニョールの仲間のひとり)の顔があしらわれたラベルが与えられているということで

ニャフロンの顔ラベルのお店がまとめられていたサイトlesbouchonslyonnais.org

ここから各店のサイトに飛んで予約を入れました。

この日はお昼も夜もそんなブションで食事です。
お昼はこの店"LES LYONNAIS"、フルヴィエールの丘から下ってくる坂道の最後の急カーブのところにありました。

ブションの名物料理もあらかじめ下調べ

これが食いたかったの第一章
川カマスのクネル(Quenelle de brochet)川カマス(Brochet ブロシェ/川魚のくせに結構でかくて獰猛そうw)の身をすりつぶしてペースト状にしたものに小麦粉や卵、バターなどでつくるパナードを加えて裏ごしし、ラグビーボールのように成形したものがクネルです。
これを殻付きのまま炒めたザリガニ(エクルビスやオマールの仲間)と炒めた野菜、トマト、生クリームなどでつくったソースとあわせてオーブンで焼くと上のようになります。

柔らかくふわふわした食感で日本の「つみれ」「はんぺん」にも少し似てますがずっと重厚、こってりしています。こちらのお店の場合クネルもソースもやや塩味が立った感じがしましたがおいしく、興味深くいただくことができました。

手前にあるのはバスマティライス(インド、パキスタンで栽培されるインディカ米を炊いたもの)です。

ほかにも地元の料理、〈昼から〉ワインをいただきおなかはいっぱい以上に

 

ということで、またひと休みです