見沼代用水歩き〈その3〉、上尾市の瓦葺分水工からさかのぼって現在地は久喜市(旧菖蒲町)の見沼代用水、星川分流地点八間堰、十六間堰。
前回分再掲2枚
八間堰水門扉前から上流方向
やや前から十六間堰
この分流地点から上流200mでは別の水路(中島用水)が分岐しています。
中島分水工
中島用水路側から分岐点方向を見ています。
ゲートの先右から左方向へ見沼代用水が流れ、T字に中島用水が分岐。
中島用水は農業用灌漑用水、水路延長は6㎞ほどですがその先へ分岐する水路をあわせると30㎞以上になります。
見沼代用水開削時にはすでに存在していた水路でした。(以前からここを流れていた星川から取水していた)
中島用水に沿っても延長16.5kmの自転車兼歩行者道〈水と緑のふれあいロード・中島黒沼・豊春用水コース〉が整備され、ここ分岐点はその起点です。
水と緑のふれあいロード起点
フェンス向こうが中島用水路。
見沼代用水へ戻り、少し先へ
仲橋
県道12号(川越栗橋線)の通る橋梁。
この周辺は旧菖蒲町の中心です。
仲橋の親柱には「星川」
見沼代用水、星川両方の水が流れている区間、橋に掲げられた河川名はここ以外でもほぼ星川でした。
〈ちなみに地理院地図の表示は「見沼代用水」〉
細かい事ですが〈気づいてしまったので書かずにおれぬ..〉、川護岸の形状、見沼代用水ではここと同様直角に落ち(河川断面で見ると長方形)てますが、この橋より上流は傾斜面(断面では逆台形)に変わります。
300mくらい上流
草が多くて分かりにくいですが、護岸の形状が変化しました
また少し進み
19kmポストと道路に埋め込まれたプレート
プレートは旧町名「菖蒲町新堀」
話それますが、旧菖蒲町地域は久喜市と合併したとき地名に『菖蒲町』の3文字を残したようで、例えばここは以前『菖蒲町新堀』で、合併後ふつうは『久喜市新堀』となるのですが『久喜市菖蒲町新堀』に変化しています。旧菖蒲町他の地区もすべて同様。
19㎞ポストの先にある新橋を渡ると周囲はまた農業地域へ
緑のヘルシーロードから
18kmは少しそっぽを向いてます
前方には古い橋、その先水路をまたいで水位調整用のゲートがあります。
近づいて
昭和37年竣功の舟場橋、水位調整ゲートは1990年頃建造。
この手の水位調整ゲートほかにも何カ所か設置されてました。
利根大堰まで17㎞
足元プレートで現在地は「騎西町下種足」。
2010年騎西(きさい)町は加須市と合併していて現在は「加須市下種足」(かぞししもたなだれ:と読みます)
用水路はこのへん一直線、星川に見沼代用水の水を流すにあたって流路の改修を行ったようですが、昭和に入ってさらに改修を重ねてほぼ直線となりました。
稲刈り直前の田んぼの美しいこと、見飽きません
16km、地名は中種足に変化
ポストに「歩行者に注意」とありますが、歩いている人には全然出合いません自転車も走ってません。
水路の先は「種足橋」たなだればし、言いにくいですね
種足橋の先250mほどで新種足橋が架かって〈いっそう言いにくくなったか?〉、その近くには水管橋
15kmポストは大きな水量調整ゲートの下流側にありました
そのすぐ上流に榎戸橋
大きなロジの倉庫が並びます。
橋はここも古そう(昭和30年代かな)、青の標識には「星川」ですが橋親柱には「見沼代用水」と掲げられていました。
榎戸橋の先すぐ、小さな池がありました
河川改修で残った川跡かと思いましたが、そうでもないような..正体不明
追記)ここは騎西風の里と呼ばれる星川旧河道を整備した環境保全施設(公園でないところがミソ)。自然環境を残したビオトープとして造られたらしいので人が集まるようにはなってないのね。(放置されたベンチなどはあったけど)
次の中ノ目橋上から上流方向を見て
左の鉄塔足元に14㎞ポストがありました。〈たまには省略します〉
水路がカーブする先で加須市から鴻巣市へ入り、その先は当分水路の中央が両市の境界になります。ヘルシーロードはずっと鴻巣市側を通ってました。
そうやって見ると加須市側のほうがちゃんと草刈ってるような(笑)
1㎞近く先に境橋、そこの道路を横切ると
13㎞ポストなどなど
見切れてますが左側には境橋の古い親柱などもありました。現在の橋には昭和33年竣功とあったのでいつの橋のものでしょうか。
少し古そうな倉庫建物と(鴻巣市関新田)
12㎞ポスト
道路プレートには「川里村関新田」、川里村は2001年川里町に、2005年鴻巣市と合併です。〈プレートは20世紀からあるということか〉
このあたり歩道など最近改修されたようですがこの白いフェンスは見通しが悪くてちょっと困りました。
12㎞ポストから400mくらい行くとまた水量調整用ゲートが現れました
ここはやや水の勢いが強い
さらに150mほど先、上の写真にも写り込んでますが
水路脇に水門(分水工)
こちらは騎西領用水分水工。水門向こうへ騎西領用水(または新川(にっかわ)用水)が分流しています。
農業用灌漑用水で、上のほうで見た中島用水と同類のものです。
この騎西領用水路も見沼代用水開削前から存在した古いものとのこと。(当時は星川から取水)
現在の用水路延長は約20㎞、自転車兼歩道〈水と緑のふれあいロード・騎西領・中須用水コース〉があり終点までは25.5kmあります。〈用水路より長いな〉
水門ゲート2ついっしょに
こちらは見沼代用水(星川)
まっすぐな水路、先でカーブ
山王橋上から上流を見ています。
カーブに入った先に11㎞ポストがあります。〈時々省略〉
カーブ途中で下流方向を見て(鴻巣市北根、対岸加須市外田ケ谷)
落合橋、下流側から
新落合橋
『新』がつきますが古そうです。
親柱は「星川」、橋の先は「行田市」
この通りにバス路線があるのでこの日歩くのはここまで。
橋の先に10㎞ポストが見えたので残りは約10㎞ですね。
おまけで
次のバスまで1時間近く間があったので周辺をうろうろしていたらレンガ造りの古い水門が目にとまりました。
落合門樋(おちあいもんぴ)
川裏側
「明治三十六年四月竣功」と右から刻まれているようです。
アーチリングの下(現在はだいぶ土砂に埋もれU字溝が通されていますが)が水路となっていました。
川表側
こちら銘板の文字は「落合門樋」。その下に戸当たりが設けられかつては扉がつけられていました。
川からの逆流防止用水門だった件は下の解説で
ここまで
その1 その2
その4
見沼代用水 瓦葺分水工~利根大堰
流路地図