神奈川県葉山町と横須賀市にまたがる湘南国際村、その周囲を廻ってから西側、相模湾に面する秋谷(あきや)へ歩きました。
湘南国際村は標高200m近い山の上にあります。神奈川県南東部に突き出す三浦半島で一番高い大楠山の標高が241m、その西側に連なり、2㎞ほど離れた場所に位置しています。周辺には以前、宝金山(ほうきんざん)、仏塚山(ほとけづかやま)*1と呼ばれる山がありましたが、それらの頂上をふくめ周辺の尾根を削って1960年代にゴルフ場、90年代にはいって湘南国際村が造成されました。
湘南国際村って何?
神奈川県による国際交流拠点の設置構想に基づき開発がはじめられ、現在は国際会議場、大学、研究機関、企業の研修所などが立地、一部は住宅地にもなっている、という所です。
現在も「緑陰滞在型の国際交流拠点」がキャッチフレーズ?です。
とはいえ、実際に開発がすすんだのは全体の半分以下で、第2期以降の研究機関の誘致、住宅分譲が計画されていた土地は放置されたままになっており、大手不動産会社が所有権を手放して神奈川県に譲渡されているという、お寒い実態もあったりします。
今回は山の上の”村”めぐり、それから山を下って横須賀の秋谷海岸波打ち際、標高0mまで歩くというコースです。
起点は湘南国際村センター前バス停
逗子からバスに乗りました。歩くには距離もあり、200mとはいえ山登りをしなくて済みます。ただしバスの便は少ないです。
バス停周辺は村の中心となる湘南国際村センター、総合研究大学院大学や企業の研修所などがあります。
湘南国際村センター建物の一部
「村」の中心施設、国際会議場(規模は小さい)はこの中、写っているのは宿泊施設部分でしょうか。〈緑陰滞在型〉の国際交流拠点ですからね。
こちらは総合研究大学院大学入口前から
大学卒業または大学院修士(博士前期課程)修了者を対象にした国立の大学院大学です。
外周道路(バス通り)から
景色のひらけたところが展望台のようになって、海が見えました。
麓からランニングで上がってきた人(バスから走っている姿が見えた)が休憩中です。
でもそこから階段を上がるともっと眺めがいい場所がありました。公園の一部です。
正面は相模湾、海にせり出すような緑の山は大峰山。周辺に葉山の市街地が広がっています。
この公園の背後は分譲住宅地です。
この住宅地区には2006年時点で283世帯が入居したとのことです。他の分譲住宅に比べると1軒あたりの土地が広く、現在でも緑が多く手入れも行き届いている印象です。
ただ、国際村内に商店はほとんど無く(コンビニが1店のみ、道端の自販機なんかも見当たりません)、日々の買い物など山を下る必要があります。車がないと生きていけません。
住宅地内をひとまわりして再び湘南国際村センターちかくへ戻ってきました。
大体同じ場所から東側
正面左側の建物は「公益財団法人地球環境戦略研究機関 葉山本部」。よくわかりません、これ以上突っ込まないことにします。
右奥の塔のある建物はそれとは別で、湘南国際村の水道の配水池です。以前は様々な施設が入って、展望室にもなっていたそうですが、現在は閉鎖され建物に近づくこともできません。
別位置から
開発が凍結された何もないところを見に行ってきます。
入口、というか境界にこんな看板がたってました。
現在は「めぐりの森」と名づけられてます
車両の進入は一応できません
でも左の方からは出入できるみたいですね。
開発対象区域だったので市道となっている部分は立派な道路が残ってます
道路以外の場所は立入禁止扱い、草むらが多いです。
最初は森林だったようですが、ゴルフ場として造成をはじめた土地。樹木はその時にみんな倒してしまったのでしょう。(その後国際村の開発予定地に転換)
向こうに灯台のようなものが見えているところは大楠山です。足元の道路はその登山道へ続いています。途中から未舗装の細い道になります。
なぜか道路のあちこちにオリーブの木が植えられてます。
大楠山までは行かず、引き返しました
左に見える小高いところも含めて一帯全部湘南国際村の開発予定地でした。
一旦住宅地内に戻り、次は山下りをします。
村南側の接続道路の上から
階段を下りて(わざわざまた)山道へ
さらに下った場所から振り返り
足元の小さな川沿いに山を下ります。
また緑深いところを歩いていきます
国際村ができて連絡道路は新しく整備されてますが、それ以前からある旧道を歩きます。
途中にあった不動堂
関根御滝不動尊とありました。堂の後ろは川が流れ、一帯は渓谷のようです。
堂前には豊富な湧き水をひいてました
少し先へ。川沿いに遊歩道もあるのですが、崖崩れがあり通行止めでした。
遊歩道の入口あたりから
一瞬山深いところを通りましたが、すぐ海岸に出ます。
住宅地にはいってすぐ海岸通りの国道へ
横須賀市秋谷の海岸です。
すぐに立石公園にさしかかります。秋谷の立石という大きな岩が立ってます。
立石公園から「ぼんてん」
ぼんてん(あるいは 梵天の鼻)は岩場がちょっとだけ海に突き出した場所です。
その隣の立石と
あまり大きく見えませんが、高さ12mあるそうです。
冬場などはここから海の向こうに富士山がよく見えます。夕陽もきれいです。
近くの駐車場わきに「かながわの景勝50選 秋谷の立石」と書かれた石碑があります。
その先は砂浜、秋谷海岸
砂浜から振り返って
中央は梵天の鼻、立石は向こう側の木と岩にうまいこと被っちゃってます。
砂浜の端から
立石の向こうに葉山長者が崎、江ノ島などが見えました。(とても小さく)
実際はもっと先へ歩きましたが、まとめはここ秋谷海岸までとします。