江戸川歩き、前回の続き。今回は柴又、矢切の渡し付近からさかのぼり、野田市今上、”キッコーマン野田工場製造第4部”とマップに記された醤油工場の横まで歩く。
江戸川その2・足あと
柴又駅に降りて帝釈天参道を通る。柴又帝釈天は前回歩いてきた帰りに素通りだったので、本日の無事を祈ってから出発することにした。
帝釈天参道入口
常夜燈には「寄贈 渥美清」と刻まれている。
二天門手前から
帝釈堂
お参りをして、それから先の江戸川堤防へ。
寅さん記念館近くの広場から
本日はここから上流に向かってスタート。
矢切の渡し舟はうまく写真に納まらず断念。
典型的浄水場な景色は堤防の上から見えず、よくわからない場所を写してる。
その反対側、川の中には2基の取水塔がある。
ドーム屋根の取水塔
とんがり帽子の取水塔
どちらも現役で、上水道にする水を取っている。
1990年頃までここで浄水した水は悪評高く、日本一まずい水道水とまで言われたが、高度浄水処理設備が整い、江戸川の汚れも少なくなって最近は問題にならなくなった。
取水塔から少し行くと
右、国道6号(水戸街道)新葛飾橋、左、JR常磐線江戸川橋梁
江戸川は河川敷が広く、グラウンドやゴルフ場がたくさんある。
河川敷のゴルフコース
対岸も河川敷のゴルフコース。このへん両岸ともである。
手前のトラス橋が国道の葛飾大橋(上り線)。その向こう上に防音壁のある橋梁は、開通間近の東京外環自動車道、まだ橋の名前がわからなかった。その向こうにも国道298号の葛飾大橋(下り線)がある。
そして3本の橋の向こうにはまた1本別の橋がある。
葛飾橋、葛飾大橋下り線の下から
葛飾橋はこの周辺で江戸川に架かるいちばん古い橋。初代の葛飾橋はここより数百メートル上流にあり、ここに架けられたのは昭和初期頃で、現在の国道6号(水戸街道)の橋梁だった。ちなみに現在国道6号は常磐線南側の新葛飾橋で江戸川を渡っている。
その後隣に国道298号の葛飾大橋ができ、外環道も通るようになり、この周辺は橋の密度が高い。
葛飾橋を越えると川の流れは水元公園の東端をかすめてほぼ直角に曲がり、右岸は東京都葛飾区から埼玉県三郷市へ入る。
対岸は千葉県松戸市、松戸の市街地
ここからずっと、右岸は埼玉県、左岸は千葉県。
対岸に松戸市街地を望む、その近くで
海から20.0km標識
この距離はおそらく旧江戸川を経由しての数字だ。*1江戸川には250mごとに距離標識がある。
本日の出発点、矢切の渡し付近は海から16.75km。
上葛飾橋を上流側から
橋を通るのは千葉・埼玉県道295号松戸三郷線。
三郷市鷹野付近から上流方向
このあたりずっと、川はサインカーブを描きながら流れている。
川のカーブよりも大きな”振幅”で両岸の堤防が築かれていて、部分的に河川敷が広大になる。そんな場所がたくさんの野球場になっていた。
川原にいくつもの野球グラウンド
ずっと上流の流山橋付近まで、断続的に30面以上のグラウンドがあるようだ。
三郷排水機場
中川と江戸川を結ぶ人工水路、三郷放水路の江戸川合流点。中川流域は土地が低く、浸水被害が起こりやすいので、大雨、高潮時等に中川、綾瀬川の水を三郷放水路経由で江戸川に排水する。水門後ろの白い建物、排水機場にはそのためのポンプ等が設置されている。
平常時水門は閉まっているようだ。
水門の後ろから
前方、橋の向こうで江戸川と合流する。
すぐ上流側、対岸にも水門(こちらは開いた状態)がある。
千葉県側松戸排水機場
向こう側は後ろに坂川放水路があり、その調整水を江戸川に放流している。坂川の上流は北千葉導水路と呼ばれる、利根川から分岐させた人工河川。
江戸川も利根川から分岐しているので理論的に水位は同じ、ということで通常時水門は開いているということかな。
海から25km標識
金属製の白い標識がないけど、時々壊されてるのもあったし…。
向こうに見える鉄橋はつくばエクスプレス江戸川橋梁。
大場川上流排水樋管
江戸川のすぐ西側を大場川(おおばがわ)が並行して流れ、近くに大場川排水機場がある。目的は三郷排水機場と同じ。その排水口がここ。
そのすぐ上流側に長大なガス管橋
東京ガスの都市ガス供給用途ということまでは分かった。で、ガスはどっちに流れてる?
橋の周囲はこのあたりも先ほどから続く野球グラウンドの一部、左側は38番。
後ろはすぐに三郷駅で市街地だ。
JRに隣接して流山橋が架かっている。
流山橋と江戸川上流方向、隣の歩道橋から
橋を渡るのは埼玉・千葉県道29号草加流山線。偶然車両がまったく写っていないが、交通量が多く渋滞の名所とされている。
1965(昭和40)年に架け替えられた2代目の橋とのことだが、改修済みなのか近くからの見た目はきれいだ。(歩道橋は錆びてかなり汚い。)
ちなみに初代の旧流山橋の橋脚が江戸川の水の中に写っているけど、見えないかも…
ここで橋を渡り、左岸、千葉県流山市側へ移る。
対岸へ移って最初に目に入ったのは
住宅地のまんなかに鬱蒼とした小山
何の予備知識もなく目に入った風景、平らな土地にちょこっと盛り上がった小山は何だろうと気になった。
帰って調べてみると、地元の言い伝えで、昔大洪水が起こったとき群馬の赤城山の一角が崩れて流れ出し、この場所に流れ着いたのだそうだ。山は赤城山の一部分、山が流れてきたので「流山」、つまりこのあたりの地名の由来になった場所だったのだ。
山の上には「赤城神社」があるそうだ。
夢なく言ってしまえば、川の侵食から取り残された”残丘”ってやつなんでしょう。
川の方はこういう風景(上流方向)
堤防上がけもの道みたいに見えるけど、ちゃんと舗装された歩道が手前にあるので歩くのに問題はなし。
対岸、埼玉県側は相変わらず野球場など。
このあたりから、周囲の風景はあまり変化がなくなる。少し飛ばし気味に
海から30.00km(流山市下花輪)
対岸河川敷はゴルフコースになっている。
また少し飛ばして
利根運河の江戸川への合流
右の橋のうえから利根運河上流方向
利根運河は利根川と江戸川をつなぐ人工河川(運河)。明治時代に東京へ物を運ぶ舟運のバイパスとして開削されたが、その後の道路、鉄道の発達により太平洋戦争前には役目をほぼ終えた。
海から35km
江戸川は最上流、利根川との分派点までさかのぼっても、ずっと平らなところを流れている。あまり周囲の風景に変化が少ないのが時々退屈ではある。
玉葉橋
流山市から野田市に入るあたりから。橋を通るのは埼玉・千葉県道326号川藤野田線。
さらに先へ。詳しい距離は確認していないが、海から38~39kmくらい。
野田市今上、本日、江戸川からの離脱地点(上流方向)
こちら千葉県野田市側、堤防の横にはキッコーマンの工場(写ってないけど)。対岸は埼玉県吉川市となる。
川岸から離れ、町の中へ入ってくると至る所にキッコーマンの工場、施設を目にする。
体育館や工場タンクなど
道路左側も工場のようだ。大豆を煮たのと、完成したしょう油の混ざったような香りが漂っている気がした。
ホームが渋い。周囲が工事中で、もしかするともうすぐ壊されてしまうのかも。
電車余談
ここは、東武アーバンパークライン野田市キッコーマンもの知りしょうゆ館前駅。途中、流山おおたかの森駅で東武アーバンパークラインからつくばエクスプレスに乗り換える。
いちいち文字数が多いっ。
江戸川その2はここまで。
この先利根川との分派点まで行くかは未定。
過去分
*1:江戸川放水路からの距離数値が旧江戸川合流後急に飛んだので。