いつものノートは歩いたコースを辿る形式で記録をしているのだけれど、今回は渋沢丘陵でポイント的にかいつまんで2つ。
渋沢丘陵の場所は、広義には大磯丘陵と呼ばれている、神奈川県西部、南に相模湾、西に足柄平野と箱根、北は丹沢山地、東は相模川で囲まれた地域にある丘陵地帯の、その北西側の一部となる。
◆峠の鉱山跡
秦野市渋沢の峠地区に、1935(昭和10)年から1948(昭和23)年まで、主に石こうを採掘した小さな鉱山があり、その跡が残っているということで見に行った。
公共交通機関なら、小田急線渋沢駅から神奈中バス峠行きで終点下車。車なら東名高速大井松田ICか国道246号曲松交差点から神奈川県道708号で峠という集落を目指す。
小さな峠を越えて峠集落へ向かう
向こうは丹沢の山々。
峠集落に近づく
集落南はずれの森の中に鉱山跡がある。
鉱山跡へのアプローチ1
市見川という小さな川の流れに沿って森の中へ入る。
アプローチ2
川の近くはかなり荒れていて、倒木多数、最近の土砂崩れ跡もあった。鉱山跡に向かう途中に丸太橋があるとの情報を事前に取得していたが、橋は無くなってしまっていた。(2017年11月現在)
おそらくここ数ヶ月の間に流されたようだ。
川の浅いところを見つけて渡り、対岸へあがる。
坑道入口
現在は穴が開いているだけ。入口の大きさは大人がかがめば入れる程度。奥行きは結構ありそうだが真っ暗で何も見えない。
中に入るなどという無謀なことはしない。
この坑道からもう少し川沿いに行った先に第2の坑道があるということで、先へ進んでみた。
草深くなった申し訳程度の踏み分け道が残っていたが、すぐに途切れてしまった。道のあった部分の土が崩れて、流されてしまったようだ。3m程度の崖になっていてその下は川の水に覆われている。
濡れてもいいような恰好をしてこなかったし、残念ながらそれ以上進むのは断念。
第2の坑道近くには鉱山跡の解説板もあり、何より黄鉄鉱という金色に光る鉱物(ちなみに価値はないです)が拾えるということで、それを見つけに来たのが一番の目的だったのだが。
最初の坑道近くで少し探してはみたものの、石こうの残骸はあったけれど、光る石は見つからず。第2の坑道のほうが川の下流側だから、その上流側で探してもあるわけないよね。
撤退。
ということで峠の鉱山跡はいま、手軽に行ける状態ではない。今後も手入れがされるというようにも思えないので、黄鉄鉱を拾いにいくのは難しくなってしまったのかなと。
残念ながら手ぶらでまた丘陵の上へ
◆八国見山
八国見山は「やくにみやま」と読むらしい。標高319mの低山だが、渋沢丘陵では一番標高が高いという。場所は峠の鉱山跡から北東の方向へ少し行ったところ。
峠の鉱山跡へ行った同じ日に行ってみた。
こんな道をとおり
こんな雲をみて
なんとなくこんもりしたところへ上がったなと思ったらそこが「山頂」。
8つの国が見渡せるというこの山、残念ながら冬限定のよう。行ったときはまだ緑深く、何の眺望もなかった。これまた残念。
山頂の立て札にあったが、八国とは駿河、伊豆、甲斐、相模、武蔵、安房、上総、下総、とのこと。
このときは山頂から南側へ歩いて行く予定だったが、山の手前からいくつか予告標識が出ていて、「工事中通行止」となっている。
これまでの経験では、単に通行止の標識があっても車両のみの場合も多く、なんとなく通れてしまうこともあるので淡く期待して、行けるところまで行って見ようと進んでいった。
バリケードは堅かった
いや、この程度なら突破は可能なんですが、この向こうすぐ先は完全に道が途切れて崖、垂直に何十メートルも落ち込んでいるように見えた。完全に山を削られちゃったのでは、この日は飛べる用意はしてこなかったし、引き返すしかない。
実はこの先、八国見山南側は大規模な霊園開発が行われていて、山を崩し、谷を埋めの力ずくの工事中で無残な状態。行政の認可過程が不透明、環境破壊だとの反対運動も起こっている。
2018年5月には工事完了となる計画のようだが、実際はどうなんだろう。
Googleマップの航空写真ではすでに地肌が露わになった現場が写し出されていたのに、きちんと認識していなかった。
(上の八国見山航空写真の下(南)側の造成地が開発中の霊園。)
自然が壊されていない方向の風景を収めてここからも撤退
引き返す途中で見た、霊園への取り付け道路工事現場
ここからはおまけ的に、移動した軌跡に沿ってとりとめなく。
いつもと同じパターンになるけど、当初のプランとはまったく違うところを行き当たりばったりに歩いた。
みかん畑とか
オリーブ畑とか
大井町から見た富士山
東名高速からもよく見える、昔、生命保険会社本社、今はコーヒー会社のビル前に出てきた。
意図せずここへ現れてしまった
大きなビルのある台地から平地に下りる
松田町に入って、川音川のほとりから
もうすぐ日の入りになってしまうし、ここからは鉄道の駅も近い。素直に帰る。